エゥーゴ
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エゥーゴ(A.E.U.G.:Anti-Earth Union Government=反地球連邦政府)は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する架空の組織である。地球連邦軍の准将ブレックス・フォーラらによって結成された反ティターンズ勢力で、Ζガンダムや百式、ΖΖガンダムなどのモビルスーツやモビルアーマーを戦力として持つ。また両作品の主人公格であるカミーユ・ビダンやクワトロ・バジーナ、ジュドー・アーシタをはじめとするパイロットたちや、アニメ『機動戦士ガンダム』にも登場した指揮官であるブライト・ノアが旗艦アーガマやネェル・アーガマの艦長として所属する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] エゥーゴの歴史
[編集] 設立の経緯
宇宙世紀 (U.C.) 0080年、一年戦争は地球連邦軍の勝利で幕を閉じたが、連邦軍に反目するジオン軍残党勢力が数多く残っていた。U.C.0083年にコロニー落とし作戦を決行したデラーズ・フリートもその一つである。 この事件を契機として、ジオン軍残党の掃討を目的とした特殊部隊「ティターンズ」が結成され、連邦軍内で大きな力を持つようになった。
当初から地球出身者のみを選抜し、選民意識と団結力の強いプロ集団として結成されたティターンズは、コロニー市民に対する差別意識が強かった。とりわけ後に連邦内部でも畏怖の的となる30バンチ事件という虐殺事件は、報道統制による事実隠蔽までともなう強権的なものであった。
こうした中、地球圏に帰還していたシャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)以下の旧ジオン公国軍メンバー(アポリー、ロベルト、ブラウン等)は、反ティターンズ的姿勢により事実上の軟禁状態にあった地球連邦軍准将ブレックス・フォーラの「救出」をモビルスーツを用いて強行、続いてアナハイム・エレクトロニクス社のメラニー・ヒュー・カーバイン会長と接触して、反地球連邦組織の結成に本格的に動き出す。ティターンズに反感を抱く者は連邦軍将兵にも多かったため、これら連邦軍の一部も、このエゥーゴに参加していった。
基本的には、エゥーゴ、ティターンズ共に、地球連邦軍の非主流派閥として存在しており、無論、そのどちらにも属していない者が連邦軍の主流派閥として存在していた。しかし、そのような者達は次第にティターンズによって権力を奪われることとなり、ティターンズがエゥーゴによって壊滅させられるまで、その状況は続いた。
エゥーゴには、クワトロ・バジーナによる経済界などとのパイプ作りもあり、アナハイム・エレクトロニクス、ルオ商会を始めとする多くの企業が出資や戦力の提供などをしている。また多くのスペースノイドや一部連邦宇宙軍士官・兵士も協力的であった。アナハイムにはティターンズのMS独自開発主義に対抗するなど政治的な思惑もあったにせよ、多くの参加者・協力者の動機はティターンズに象徴されるアースノイド至上主義・コロニー軽視主義が増大していることや、地球の汚染が拡大しているにも関わらず漫然と現状に安寧しようとすることへ反発や危機感である。故に参加者に旧ジオン系の技術者やスペースノイドが多いが、主義思想に全くジオン色は無く(※)、むしろアースノイド・スペースノイド両者の融和と総括的発展を目指している。しかしその活動も連邦軍では現状維持派が優勢だったこと、ティターンズの連邦軍内での優位性や「エゥーゴはジオンの残党」という一般への情報操作などもあり、ダカール演説までは隠れて行わざるを得なかった。
(※あくまで公にはである。エゥーゴのメンバーには「連邦の敵は我の味方」という論理で参加した旧ジオン公国軍軍人も多くいた。実際グリプス戦役後、エゥーゴが地球連邦に同化することに反発し、それらの一部が過激派組織「エグム」として分派している)
その他、宇宙での活動を主とするエゥーゴに対し、地上での活動を主とする支援組織カラバがある。
[編集] グリプス戦役期
両者の対立は、U.C.0087年から翌0088年にかけて「グリプス戦役」と呼ばれる「一年戦争」以来の大戦争へと発展した。
この戦いの中でエゥーゴはブレックス・フォーラを暗殺されるも、エゥーゴに参加していたジオン・ズム・ダイクンの遺児・キャスバル・レム・ダイクン(=クワトロ・バジーナ=シャア・アズナブル)の下に結集し、カミーユ・ビダンや地球での支援組織カラバに参画したアムロ・レイ、ハヤト・コバヤシらの活躍でティターンズを壊滅させる。 ちなみに劇場版ではティターンズの壊滅後、ティターンズの残党狩りなる事を行っていたらしい。
[編集] 第一次ネオ・ジオン抗争期
ティターンズ消滅後、ジオンの残党であったアクシズ(後にネオ・ジオンと改める)が地球圏の制圧に動いた時も、戦闘能力を失った地球連邦軍に代わって、ジュドー・アーシタらにより抗戦、組織を壊滅させるなどしている。(「第一次ネオ・ジオン抗争」)
[編集] 第一次ネオ・ジオン抗争の後に
エゥーゴは、戦闘能力を失った地球連邦軍の正規部隊として組み入れられる形で発展的に解散した。このため、エゥーゴでも有数の艦隊指揮官であったブライト・ノアは後に再び連邦軍の指揮官として活躍する。
また、エゥーゴに武器を供給し強力なスポンサーでもあった巨大軍需産業アナハイム・エレクトロニクス社は、併行してティターンズへの武器供給も行なっており、仮想敵を失って連邦軍が縮小するのを恐れた同社の思惑に合致したことも、エゥーゴ勢力拡大の背景にあったものと思われる。
[編集] 所属する主なパイロット他
- ブレックス・フォーラ
- ブライト・ノア
- ヘンケン・ベッケナー
- クワトロ・バジーナ
- カミーユ・ビダン
- アポリー・ベイ
- ロベルト
- カツ・コバヤシ
- エマ・シーン
- レコア・ロンド
- ファ・ユイリィ
- ジュドー・アーシタ
- ビーチャ・オーレグ
- ルー・ルカ
- エル・ビアンノ
- イーノ・アッバーブ
[編集] 代表的な所属モビルスーツ
- グリプス戦役期
- 第一次ネオ・ジオン抗争期