ギニュー特戦隊
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ギニュー特戦隊( - とくせんたい)は、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』及び・アニメ作品『ドラゴンボールZ』に登場する架空の戦隊。
初登場は其之二百七十二「其之二百七十二 間に合え!!ななつのドラゴンボール」、アニメでは第61話「迫る超決戦!ギニュー特戦隊只今参上!!」。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
フリーザの配下で、全宇宙から精鋭の5人を集めたエリート部隊(フリーザに雇われた民間軍事会社ではないかと考えるファンもいる)。フリーザの側近であるザーボンやドドリア、そして彼らを倒したベジータさえ上回る戦闘力を有する(グルドを除く4人のみ。また大猿時のベジータには劣る)。ギニューの台詞から、突然変異で出身種族の中でも特異に戦闘力が高いという背景を持った戦士達であることが窺える。隊長であるギニューの命令無しでも自らの意思で行動出来る。
全員「とうっ!」という掛け声が好きで、スペシャルファイティングポーズを誇りに思っている。仲間が死んでも動揺せず、スペシャルファイティングポーズの様式美のみを気にしている。
闘う順番の選考基準はジャンケン。ふざけているようで職務は完璧に果たし、フリーザからの評価は高い(ファイティングポーズなどは趣味に合わないらしく引いていたが)。フリーザのナメック星侵攻時当初はギニュー特戦隊の任務はヤードラット星の征服であったが、このとき初めてフリーザの侵略している惑星戦線での最前線へと投入される。
作品中では数少ないまとまりのあるグループ。スペシャルファイティングポーズは、スーパー戦隊シリーズのパロディ(丁度、鳥山の子供達が『地球戦隊ファイブマン』、『鳥人戦隊ジェットマン』等を見ていた時期であり、一緒に見ていたところはまり、パロディ化した)更にアニメ版では部下全員でおやつの時間を取ったり(説明のみ)、お菓子(チョコレート)を賭けているシーンがあり少々お茶目度が増している。
劇場版「ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ」ではフリーザ一味の一員として地獄から復活。アニメ版のあの世一武道会編では地獄でフリーザ親子と共にセルの部下になり暴れまわっていた。更にスペシャルファイティングポーズを披露するなど相変らず元気な姿を見せていたが、セルゲーム編以降の悟空の敵ではなく、たった一撃で全ての隊員が倒されてしまっている。魔人ブウ編では地獄から界王神界での悟空達とブウの戦いをフリーザやコルド大王と共に観戦していた。しかしその全てにおいてギニュー隊長の姿は見られなかった。
[編集] メンバー
[編集] 隊長
[編集] ギニュー
声優:堀秀行
フェア精神を持った特戦隊の隊長(ボディチェンジをフェアと言えるかには、たびたび疑問が投げかけられる)。サイヤ人ほどではないが、強い相手との戦いにわくわくすることもある。体は薄い紫色をしており、頭には角がある。戦闘力は120000。お茶目で愉快な性格をしている。また、純粋にフリーザを尊敬する数少ない大幹部の1人である。
他人と体を入れ替える事の出来る「ボディチェンジ」という技を持っている。ボディチェンジによって全宇宙の優れた戦士の体と取り替えてきたために本来の姿は一部のものしか知らない(作中の姿もチェンジ後である)。ボディチェンジによって孫悟空の体を手に入れたものの、その戦闘力をうまく引き出すことができなかった。最後はベジータに向けて放ったボディチェンジが悟空の放り投げた蛙に当たり、蛙と入れ替わってしまった。
特戦隊のうち3人がやられた際、「我々より強いのはフリーザ様だけ」と言っているが、父親であるコルド大王はどうなのか、と疑問を持つファンもいる。
アニメでは更にブルマと入れ替わったが、結局蛙に戻ってしまい、その後はドラゴンボールによって地球に移住し、ブルマの家の温室で暮らしている(原作ではナメック星と共に消滅したという説と、アニメ同様地球に移住したという説のふたつに分かれている)。キャラメルを普段から持ち歩いている。蛙となって力は失われても、ファイティングポーズをとったり身のこなし等はそれなりにできる。ブルマの家の温室での暮らしを基本としつつも、セルゲーム直前に悟空の家の庭に現れたり、ブウ出現前に天下一武道会会場で悟飯に拾われたりと、行動範囲は広い。
映画『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』でフリーザが部下を引き連れて復活した際、見た目が同じカエルが登場しているが、これは『超サイヤ人だ孫悟空』に登場したメダマッチャの分身という説もあり、真相は不明。
名前の由来は牛乳。
[編集] 隊員
[編集] リクーム
声優:内海賢二
外見は隊員の中で最も地球人に似ており、モヒカン頭をしている。戦闘力は推定40000~70000(各種ゲームや書籍でズレが生じる)。ファイティングポーズを度々し、ふざけた態度や発言が多い。しかし実力は本物で戦いでは相手をいたぶり遊ぶ残忍な性格(バータが言うにはいやな性格と言っている事から仲間内でも有名らしいと考えられる)。必殺技には口から気功波を出す「リクームイレイザーガン」、速いスピードで相手に向かって膝蹴りをする「リクームキック」、決めポーズを取った後に相手に突っ込んでいく「リクームマッハアタック」、「リクームウルトラファイティングミラクルボンバー」、「ファイナルポーズ(ただ妙なポーズをとるだけ)」など。
アニメ登場の際の設定では、詳細は不明だが地球とほぼ同じ環境の惑星出身で、種族としては地球人と大差ない戦闘レベルだが、彼だけはその中で突然変異で生まれた超天才戦士との事。その為一見普通の人間型で、他の特戦隊員やフリーザ軍幹部のような特殊超能力は持ってない。その代わり鍛えた肉体を駆使した戦闘力そのものはケタちがいの強さと迫力で、べジータ・悟飯・クリリンを圧倒する。しかし、ナメック星に到着した悟空のサイヤ人のレベルを超えたパワーには敵わず、「リクームウルトラファイティングミラクルボンバー」を発動しようとした隙を付かれて(リクームウルトラファイティング…までしか言えなかった)一撃で敗れた。その後、べジータから止めを刺され死亡。
アニメ版では、レスリング系の技が得意という設定が付け加えられ(原作でも戦闘ポーズはそれまでのキャラの主流だったカンフー系ではない)、「リクームエルボー」、「リクームマッハパンチ」、「リクームボディアタック」、「リクームデスドライバー」、「リクームパワーBOMB」、「リクームファイアーギロチンドロップ」など、プロレスをアレンジしたような技が連発され、一部のファンの間で「『キン肉マン』に登場する人類タイプの超人を彷彿とさせる」と言う声も出た。
死後は界王に練習相手として界王星に呼び寄せられ、ヤムチャによって地獄に落とされた(界王星で数日しか修行してないヤムチャ達が、闘える様になっているのはおかしいという批判あり)。
原作ではひょうきんなファイティングポーズをとりながらも、幼い悟飯を容赦なく痛めつけた残忍な性格から一部の女性ファンに嫌われていた。一方アニメ版では、担当声優の内海が『Dr.スランプ アラレちゃん』で則巻千兵衛を演じた際とほぼ同じ声で演技をしたため、よりユニークな印象を与え、比較的人気は高い。内海自身も、その後ゲームなどで現在まで何度も担当している為、「結構気に入っているキャラ」と発言している。悪には違いないが、アニメオリジナルで見せたフリーザに対する忠誠心だけは、隊長のギニュー同様純粋な気持ちであった。
名前の由来はクリーム。
[編集] ジース
声優:田中和実
外見はリクームの次に地球人に近いが、体は赤色をしており、白い長髪である。必殺技は「クラッシャーボール」(普通の気功波に類似した光球をバレーボールのスパイクのように飛ばす技)。アニメではバータとの合体技「パープルコメットクラッシュ」(紫色の光球を連続で飛ばす)も使う。
アニメ登場に際して、パワーはリクーム、スピードはバータに劣るものの、総合的には特戦隊のサブリーダー的存在という設定が出来たせいもあり、エリート意識の強い面が強調されたが、スカウターの数値に頼るあまり、悟空の実力を見抜くことができなかった。また出身惑星の正式名称は不明だが、星全体が地球の赤道直下並の高温環境という設定もある。1度は生き残るが、大怪我から復活し大幅に戦闘力を上げたべジータに敗れ結局死亡。
アニメ版では、死後界王に練習相手として界王星に呼び寄せられ、天津飯によって地獄に落とされた。戦闘力は推定35000~60000(リクーム同様)。
[編集] バータ
声優:岸野幸正
体は青色をしており、背が隊員の中で最も高い。アニメでは「ギニュー特戦隊の青いハリケーン」と名乗っている。「宇宙一速い」と自負しているが、悟空やフリーザらにはとてもかなわなかった(ただし、仲間の中では最速)。リクームも凌ぐ巨漢だが、パワー面はリクームよりはるかに劣る。悟空に敗れ、瀕死の時にべジータに首を折られ死亡。攻撃速度が速くかなりの手数を見せた。アニメではジースとの合体技「パープルコメットクラッシュ」も使う。
アニメ版では、担当声優の岸野のアドリブで時折オカマ言葉も発した。美形キャラでもないうえに作中隊員の中で一番見せ場がなかったにも関わらず、何故か当時の人気投票でそこそこ票が集まった事がある。死後界王に練習相手として界王星に呼び寄せられ、天津飯によって地獄に落とされた。戦闘力は37000~60000(上記同様)。
好物は不明だが、リクームに向かって、「後でチョコレートパフェをおごれよ」と言うシーンがある。
名前の由来はバター。
[編集] グルド
声優:塩屋浩三
体は緑色をしており、非常に背が低く、目が4つある。実力は隊員の中では最も弱い(クリリンに「あいつは大したことない、何であんなのが混じってるんだ」と思われるほど)が、時間を一瞬止めたり(時間を止めるには、息をとめる必要がある)、相手を金縛りにする超能力を使うことが出来る。戦闘力は10000ほどであると言われているが、実際はもっと低いレベルでは?との声も多い。
孫悟飯・クリリンに金縛りをかけている時に、べジータに不意を衝かれ、首を刎ねられた後エネルギー波を受け死亡。顔の構造の問題からか、スカウターを装着していない。そのため、高速移動をする悟飯やクリリンを探すのに悪戦苦闘していた。死に際にはサイヤ人を見下していたとも見れる捨て台詞を残した。
アニメ版では、ベジータと仲が悪く「息が臭い」と言われている(ゲームでもネタにされている)。死後界王に練習相手として界王星に呼び寄せられ、餃子によって地獄に落とされた。他の特戦隊員は別として、グルドの戦闘力で地球の10倍の重力の界王星で自在に動き回れた事の矛盾点を指摘する声も多い。
名前の由来はヨーグルト。
[編集] GT
『ドラゴンボールGT』では地獄から復活し、地球で暴れまわっていた。事件が解決した後は天界で閻魔大王の裁きを待つ列にギニューらしき後ろ姿が並んでいるシーンがあり、矛盾を指摘する声がある。一方で魔人ブウに殺された後、悪人だったために生き返られなかったと解釈する人物もいる(蛙は蛙に戻った可能性もあり)。それとは別にギニュー似(作中のギニューが悟空やカエル以前にチェンジした者と同種族)のフリーザ軍の雑兵では?と解釈する人物も多い。
「ギニューはかつて悪人だったが、カエルとなってからは悪事はせずに地球で平和に暮らしていたので、魔人ブウに殺された時もべジータ同様生き返れたはず」という見解もある。