エースコンバット3
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ACE COMBAT 3 electrosphere (エースコンバット3 エレクトロスフィア) |
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ジャンル | ドラマチックフライトシューティング |
対応機種 | プレイステーション |
開発元 | ナムコ |
発売元 | ナムコ |
人数 | 1人 |
メディア | プレイステーション用CD-ROM 2枚組 |
発売日 | 1999年5月27日 THE BEST版:2000年12月7日 |
価格 | 6,800円(税別) THE BEST版:オープン価格 |
デバイス | ナムコ製ネジコン、アナログジョイスティック、デュアルショック |
その他 | BEST版にはフォトスフィアが付属しない。 |
『エースコンバット3 エレクトロスフィア』(ACE COMBAT 3 electrosphere、通称エースコンバット3)は、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)より発売された、プレイステーション用フライトシューティングゲーム。エースコンバットシリーズ第3作。
目次 |
[編集] 作品概要
シリーズで初めて外部(Production I.G)制作のアニメパートを挿入したことと、佐藤大のシナリオを採用したことが大きな特徴。
ストーリー性を前面に押し出し、映画を思わせるデモシーンがゲーム随所に挿入されるという演出は、賛否両論を呼んだ。そのあまりにもアニメチックな展開に嫌悪感を示すプレイヤーと、練り込まれた世界観やストーリー性を高く評価するプレイヤーに分かれている。シリーズの中でも異色の作品であり、その評価を巡っては、現在も様々な言説が絶えない。
また、エースコンバットシリーズの根本的な欠陥。即ち、現実世界の戦闘機をゲーム内の機体として取り込んだ結果、シリーズが長期化するに連れて登場する機体がマンネリ化するという問題点に対して、架空の機体の大量導入という手法を持ち込む事によって、1つの解決策を提示しようとした。
- ※なお、後付け的な物ではあるが、UGSFシリーズはACE COMBAT 3の数世紀後の世界と言う設定がNew Space Orderの公式サイトで公表された。
ゲームの進行システムも他の作品とはやや異なる。まず作戦報酬という概念がなく、搭乗機は分岐したシナリオの進行状況によって与えられる機体から選ぶようになっている。作戦中でのプレイヤーの行動によってシナリオは分岐し、大きく分けて5種類のエンディングが用意されている。そして、全てのシナリオをクリアすることで物語の全体像がプレイヤーにわかるようになっている。
本作品の機体で最も目を引くのは、「Rナンバー」と呼ばれるニューコム製の機体である。このゲームでは、戦闘機のことを特に「エアロコフィン(空の棺桶)」と呼ぶが、Rナンバーはそのエアロコフィンの代名詞とも言える存在だろう。その特徴的なフォルムは、ニューコム独自の考え方から来ているところが多そうである。代表的な機体・デルフィナスシリーズ(R-101,R-102,R-103)など、ほとんどが長く突き出た機首を持ち、同時に機体に比べて圧倒的に狭い面積の翼を持つ。
その他は、実在の戦闘機をモデルにしたものが登場しているが、基本的に完全な架空機という設定とされている。
ジャケット写真の戦闘機はSu-37。ただし、本作のSu-37フランカー(スーパーフランカー)は、04に登場するSu-37イエローや5以降に登場するSu-37ターミネーターとは全くの別物である。
[編集] ストーリー
国家という枠組みが、軍事力を有する多国籍企業の台頭によって意味を成さなくなった未来世界。USEAはゼネラルリソースとニューコムの2つの多国籍企業が互いにしのぎを削り、両者の間の緊張が高まっている。NUN(新国際連合)直属の平和維持機構UPEOが有する特殊部隊SARFのメンバーである絋瀬玲名、フィオナ・クリス・フィッツジェラルド、エーリッヒ・イェーガー、そしてプレイヤーに無期限の待機命令が下される。
[編集] 用語集
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 国家、組織等
- ゼネラルリソース(General Resource LTD)
- ユージア大陸を実質的に支配する多国籍企業体(Multi-National Company)。USEA北部の大都市ポート・エドワーズに本社を構えている。数多くの大企業の合併統合の末に誕生した企業であり、あらゆる産業を網羅する絶対的な資本力によって政治・経済・司法・軍事等、全ての面で国家を凌ぐ影響力を持つ。しかし、強大な資本力や影響力を背景にした他社への圧力や大規模開発の環境に対する無配慮等、その強権的な経営手法は反グローバリズム団体や環境保護団体等からの強い反発を招いており、反企業過激派によるテロの標的となる事も珍しくない。また、巨大企業故に企業としての思想は保守的で、それに不満を持つ技術者のニューコムへの集団移籍が発生する等、ニューコムと比較して先進性を求める技術職や研究職にとって企業としての魅力に欠ける面があるのは否めない。あらゆる情報・電子機器の管理を司る電脳空間「エレクトロスフィア(electrosphere)」と、その端末OSである「データスワロー(Data-swallow)」を開発した企業でもある。
- ※ UGSFシリーズにも銀河連邦宇宙軍に兵器を供給する企業として登場する。また、『リッジレーサー5』にはゼネラルトレーディング社の看板が、『リッジレーサー6』にはゼネラルリソースが運行している航空機やデータスワロー等の看板が登場する。
- GRDF(General Resource Defense Force)
- ゼネラルリソースが有する軍組織。対テロ防衛を名目としているが、その実態は合法非合法を問わず内外の反抗勢力を排除する事を目的とした特務部隊である。USEAに対する治安維持協力といった表向きの活動から他社に対する妨害工作や不穏分子の暗殺までその任務は多岐にわたる。その強引な手法から強権的と評されるゼネラルリソースの中でも特にそれを体現する組織だといえる。ゼネラルリソースによる経済支配で弱体化した国家間では戦争状態になるほどの対立は発生しなかった為、新たな兵器の開発は進んでおらず、GRDFでは旧来の兵器を改良した物を多く使用している。特に航空機はそれが顕著で、2040年代に入った現在もF-15やF-16の改良型を使用しており、性能で勝る「Rナンバー」シリーズを有するニューコムに対抗する為に新型機の開発を進めている。
- ニューコム(Neucom inc.)
- 近年の急成長によりゼネラルリソースとの対立が深刻化しつつある新進の企業。社名はニューロン・コンピュータ・カンパニーを合わせた造語である。ゼネラルリソースと同じくポート・エドワーズに本社を構える。前身は財政難から民営化された政府機関「政府宇宙管理機構(EASA)」で、大手航空会社を吸収合併した後、上層部の方針に不満を持つゼネラルリソースの技術者が集団移籍した事で誕生した。現在のニューコムは大別して「ニューコム・バイオ」「ニューコム・インフォ」「ニューコム・スフィア」「ニューコム・スペース」「ニューコム・パブリッシング」の5部門で構成され、近年では更なる他業種への進出も見せる巨大複合企業である。ゼネラルリソースと比較して自由で先進的な企業風土を持ち、その為に数多くの優秀な技術者を集める事に成功している。特にバイオ・ナノテク分野や優れた宇宙開発力に支えられた情報通信分野の技術力はゼネラルリソースのそれを大きく上回っており、これらを独占的に利用する事で強大なゼネラルリソースの影響力に対抗している。一方でバイオ部門が環境保護団体から抗議を受ける等、企業としての暗部もゼネラルリソースと同様に存在する。
- ※ UGSFシリーズにも、銀河連邦宇宙軍に兵器を供給する企業として登場する。また、『リッジレーサー6』にはニューコムが運行している航空機やエレクトロスフィア等の看板が登場する。
- 情報環境開発事業部「ニューコム・インフォ」
- 宇宙環境開発事業部「ニューコム・スペース」
- 航空宇宙産業を担う。「Rナンバー」シリーズや「イーオン・ジェネレーター」等の新技術を生み出した。ニューコムの高い技術力を支える基幹部門の一つである。
- 生命環境開発事業部「ニューコム・バイオ」
- 通信環境開発事業部「ニューコム・スフィア」
- NOC(Network Operation Center)事業から、「エレクトロスフィア」を構成する地球規模の衛星ネットワークシステムまで、通信事業全般を担当する。
- 広報外務部「ニューコム・パブリッシング」
- ニューコムの対外的な広報や外務交渉の他、それらを含めた報道や出版による大衆操作等も担当する。
- NEU(Neucom Emergency Unit)
- ニューコムが有する非常事態対策機構。本来は自社に関連する事件事故等の不測の事態に対応する為の警備部門とされているが、現在は主にゼネラルリソースとの軍事的な摩擦に備えた軍組織となっている。配備されている兵器群には同社の誇る最新技術が投入されており、流線形を多用した有機的デザインが特徴の新世代航空機「Rナンバー」シリーズを始めとして、対立するGRDF側の装備を上回る性能の兵器が配備されている。
- NUN(Neo United Nation)
- 新国際連合共同体、国連である。USEA北部のスナイダーズ・トップに本部を置く。国際平和や友好の維持を目的とするが、企業の影響力増大による国家の弱体化や国家数そのものの減少によって、既に大規模な国家間紛争と呼べるものは無くなって久しく、それに代わり激化しつつあるゼネラルやニューコム等による企業間紛争の調停役となっている。
- UPEO(Universal Peace Enforcement Organization)
- NUN直属の治安維持対策機構。ユーピオと読む。本部はUSEA東部に位置する都市エキスポ・シティー。全世界の平和と治安の維持を目的とし、平和維持委員会が有する権限によって統治力を失った国家に代わり企業を法的に拘束できる数少ない非企業組織であるが、近年まで所属議員の大半がゼネラルリソース出身者で占められていた為、国連の威を借りたゼネラルリソースの代行機関といった状態であった。しかし、平和主義を標榜するクラークソン議員の代表就任後に改革が進められ、対話による企業間紛争の解決を試みる等、その本来の役割を取り戻しつつある。ある程度の軍備を保有しているが、平和維持を目的とする為に強力な兵器の保有を意図的に避けていた事、ゼネラルの影響力等の政治的事情、実際の派兵回数の少なさ等から「張り子の軍隊」と揶揄されている。組織改革によって国際社会でのUPEOの役割が増大しつつある現在では、深刻化する企業間紛争に対応する為に新たに軍備の増強を急いでいる。
- ※ 組織的には安保理に近いが独自の軍事力を有している点が異なる。『リッジレーサー6』にはUPEOとISAF両方のマークが描かれた航空機が登場する。
- SARF(Special Armed Response Force)
- UPEOの特別航空部隊。サーフと読む。国連直属の組織というUPEOの立場上、本格的な軍事力の保持は避けられていたが、企業間紛争の深刻化に対応する為にSARFが設立された。その装備は当初ゼネラル派議員の影響により同社製の機体に偏っていたが、現在は企業間紛争に対する中立性維持の観点からUPEOによる自主開発機の採用がなされている。近年では更なる軍備増強に備えてゼネラルリソース、ニューコム双方から機体の提供を受けているが、性能面で両社の保有する新鋭機に劣る為、UPEOによる戦闘機の自主開発も継続して行われている。
- ウロボロス(OUROBOROS)
- 全人類に肉体を放棄させ、その精神をエレクトロスフィアへサブリネーションさせるという信念に基づき、ゼネラル、ニューコム、UPEOのそれぞれの賛同者たちで構成された蜂起集団。
- ※ 『リッジレーサー6』にマークが描かれた航空機が登場する。
- USEA(ユージア)
- ユージア大陸の全域を領土とする巨大連邦国家。しかし、都市計画や公共事業を始めとして司法や警察に至るまで、およそ国家としての機能の大半をゼネラルリソースに依存しており、その名称はもはや単なる地域区分以上の意味を持っていない。
[編集] 架空機/架空兵器
[編集] ゼネラスリソース
- XFA-36A ゲイム(Game)
- ゼネラルリソースがニューコムの新型機に対抗する為、高機動ステルス実験機のデータを元に開発した無尾翼高機動ステルス戦闘機。無尾翼という特殊形状や3次元ベクタードノズル、飛行速度に応じて折り畳まれる主翼翼端可変機構といった特徴を持ち、高いステルス能力、機動性、安定性を兼ね備える。
- 全長:19.51m、全幅:13.2m、全高:2.8m、総重量:32116kg、最高速度:3304km/h
- ※ ベースとなった高機動ステルス実験機とは恐らく「X-36」と思われるが詳細は不明。
[編集] ニューコム
- R-101 デルフィナス#1(Derphinus #1)
- ニューコムが自社の航空宇宙産業技術を利用して開発した戦闘攻撃機。戦争初期のNEUの主力である。後にUPEOへも納入されると、使用されていたUPEO独自開発機・ゼネラル機を駆逐し戦争中期にはやはり主力機となる。
- 機種名ははマイルカ属の学名。
- 全長:20.48m、全幅:12.6m、全高:4.1m、総重量:8098kg、最高速度:2856km/h
- R-102 デルフィナス#2(Derphinus #2)
- デルフィナス#1の改良型。エンジンを大出力の単発エンジンに変更したことで翼面荷重が低下したため、機動性能が向上した。
- 全長:20.52m、全幅:13.2m、全高:4.5m、総重量:9057kg、最高速度:3304km/h
- R-103 デルフィナス#3(Derphinus #3)
- デルフィナスシリーズの最終発展型。デルフィナス#2と同じエンジンを2基積むことで機動力を大幅に向上させた。
- 全長:20.66m、全幅:13.8m、全高:4.9m、総重量:10040kg、最高速度:3920km/h
- R-201 アステロゾア(Asterozoa)
- 対地攻撃を目的に開発された攻撃機。大量の兵装を搭載可能だが低速。他作品でのA-10的ポジションにある機体ともいえる。UPEOにも納入される。
- 機種名はヒトデなど、星形動物亜門の学名。
- 全長:18.13m、全幅:20.6m、全高:2.9m、総重量:25013kg、最高速度:1540km/h
- R-211 オルシナス(Orcinus)
- アステロゾアの後継攻撃機。強力なエンジンを搭載し最高速度に優れる反面、旋回能力が劣る。UPEOの作戦でも使用され、その性能でエリックを感心させる。
- 機種名はシャチ属の学名。
- 全長:22.56m、全幅:8.2m、全高:2.21m、総重量:12022kg、最高速度:3304km/h
- R-311 レモラ(Remora)
- モビュラに搭載される、高高度からの奇襲作戦専用のパラサイト・ファイター。最高速度が極めて高いが、安定性・旋回性が劣る。
- 機種名はコバンザメの意。
- 全長:14.88m、全幅:5.82m、全高:1.8m、総重量:5105kg、最高速度:5068km/h
- R-352 セピア(Sepia)
- 衛星攻撃用に開発された武装再利用打上機で、宇宙空間でのミッションに使用される。
- 機種名はコウイカの意(色彩の『セピア色』も、元々はイカから来ている)。
- 全長:30.16m、全幅:10.74m、全高:4.9m、総重量:60280kg、最高速度:3054km/h
- R-501 ライコドン(rhincodon)
- ニューコム製の大型輸送機。空中給油機型も存在する。
- 機種名はジンベイザメの意。
- 全長:75.75m、全幅:45.2m、全高:6.85m、総重量:350498kg、最高速度:1836km/h
- R-505U
- ニューコム製の超音速旅客機だが、ゲーム内ではUPEOのクラークソン代表の輸送に利用されたのみである。
- 全長:80m、全幅:22.6m、全高:9.2m、総重量:181030kg、最高速度:3060km/h
- R-531 モビュラ(Mobura)
- レモラの搭載母機。機体外部に複数機のレモラを搭載し、高高度で作戦空域へ接近し、レモラを発進させる。作戦終了時に子機を回収し離脱する。
- 機種名はヒメイトマキエイの意。
- 全長:99.83m、全幅:110.8m、全高:17.58m、総重量:432040kg、最高速度:1102km/h
- R-701 トライキス(Triakis)
- ニューコム製の攻撃ヘリ。機種名はドチザメの意。
- 全長:15.3m、全幅:16.7m、全高:2.66m、総重量:5540kg、最高速度:734km/h
- R-808 フォーカ(Phoca)
- ニューコム製再利用打上機。セピアの改造母機。
- 機種名はゴマフアザラシ属の学名。
- 全長:29.74m、全幅:15.96m、全高:5.51m、総重量:72310kg、最高速度:----km/h
- XR-900 ジオペリア(Geoperia)
- ゼネラスリソースからニューコムへ移籍した開発者たちがナイトレーベンを再設計した戦闘機。ゲーム登場時は有人機仕様であったが、最終的には無人戦闘機として運用される予定であった。
- 機種名はハトの学名。ニューコム系の航空機の中で、唯一名前が海洋生物から取られていない機体でもある。
- 全長:不明、全幅:不明、全高:不明、総重量:不明、最高速度:5068km/h
[編集] ウロボロス
- UL-4053 スフィルナ(Sphyrna)
- UPEOが建造した空中空母だが、ニューコム機に偽装したUPEO機のエキスポ・シティー襲撃の電子戦支援後、ウロボロスの本拠地となる。最高速の遅い巨体ながら、満載された対空機銃と護衛艦載機により、容易に航空機の接近を許さない。機種名はシュモクザメの学名。
- 全長:238.5m、全幅:90.92m、全高:53.44m、総重量:254200kg、最高速度:404km/h
- UL-4054 オーロラ(Aurora)
- かつてロッキード・マーティン社のスカンクワークスが開発していると噂された偵察機・オーロラがモデルと思われる。漆黒の巨大な機体で、その機動・スピードは並の戦闘機の追随を許さない。
- 全長:不明、全幅:不明、全高:不明、総重量:不明、最高速度:不明
- X-49 ナイトレーベン(Night Raven)
- ゼネラスリソースが開発していた戦闘機で、(ゲーム内に登場する)これまでの戦闘機を上回る機動性能を持つ機体だが、政治的な理由で開発は凍結された。ゲーム終盤でプレイヤーと戦うことになる。フォルムは独特で、無尾翼の全翼機で、しかも複葉機である。
- 全長:不明、全幅:不明、全高:不明、総重量:不明、最高速度:5068km/h
[編集] その他
- UI-4052
- エアロコフィン
- このゲームにおける戦闘機の総称。一部シーンではパイロットはバイザーを着用し、またF/A-18などの実在する機体ですら、キャノピーが装甲で覆われたデザインで描かれることから、作品内ではパイロットは肉眼で外部を目視するのではなく、ENSI規格(Electro-Neuron-Synapce-Interface)による機体との神経接続によって外部の全視野を得て、文字通り意のままに操縦する。なお5で登場する「ファルケン」では、やはり閉鎖的なコクピットにカメラからの映像が写されており、コフィンシステムと呼称されていた。
[編集] 登場人物
- プレイヤー
- 初期設定の名前はnemoとなっているが、自由に名前を変えられる。(nemoはラテン語では「誰でもない」を意味する)
なおゲームディスクにも "Project NEMO archive disk" と表記されている。
- ゲーム開始時はSARFの4番機であるが、空戦ですぐに頭角を現し、当代随一のパイロットであるディジョン、キースとの訓練飛行や戦闘でも遅れを取らず、ディジョンの強い興味を惹くなど、SARFのエースとしての位置を固めていく。
- 全ての戦いが終わったとき、エレクトロスフィア(電脳空間)を中心としたこの世界の真の姿を知ることになる。
- 紘瀬玲名 (声:白鳥由里)
- 2021年4月27日生まれ。TACネームはレナ。SARFのパイロットで隊長を務める。生まれつき太陽光を浴びられないシルバーストーン病という特殊な病気を患っており、外出時は宇宙服同然の防護服を着る必要があった。それにより周囲の好奇の目に晒されたためか内気な性格になったが、その反動で空を飛ぶことへの憧れが強くなり、ディジョンとの出会いによって9歳の時、ゼネラルに入社してパイロットになる。後にUPEOへ移籍しSARF随一のエースパイロットとなる。開戦直後から活躍を示すプレイヤーに対し、その戦闘機動に自分と似ている部分を感じるなど、関心を示すようになる。
- 難病を抱えながら天才少女エースパイロットとして自己実現を果たした姿がマスコミで大きく取り上げられており、感情を表に出さない性格と物静かな口調もあいまって世間の高い人気を得、UPEOのアイドルと呼ばれている。ゼネラル在籍時に受けた手術により、自らの中枢神経と機体とを人工光学神経網オプトニューロンを用いて直接接続する特殊なENSIシステムを使用できることが、彼女のハイパフォーマンスを実現している。このため、他のパイロットは機体との神経接続時に[CONNECTED]と表示されるが、彼女だけは[DIRECTED]と表示される。しかしこのことは、機体のコンピューターを介して自己の精神にハッキングを仕掛けられる危険をも包含している。
- 上記のような経緯から、「空を飛べること」にアイデンティティの多くを依存しており、空を舞える立場=「翼」を守るためには他を犠牲にすることを躊躇わない。また、現在は別組織に所属しているディジョンに、なお強い従属心を抱えている。
- 乗機はSu-37で、搭載しているENSIシステムが特殊なため、他のSARFメンバーが機体を変える中でも、一度の例外を除き、レナだけは自らのカラーに塗られた乗機を変えず、またENSIシステム故障時は出撃できない。パイロットスーツも独自の宇宙服様のものを着用する。
- フィオナ・クリス・フィッツジェラルド (声:渡辺久美子)
- 2016年1月26日生まれ。TACネームはフィー(NEU移籍後はシスター)。SARFのパイロットで2番機。明るく歯切れの良い性格で、時に粗忽なところも見せる隊のムードメーカーだが、本質はしっかりした優等生。同僚であるプレイヤーに対してはライバル意識も持っているが、寄せる信頼も厚い。姉のシンシアとの仲は良いが、天才と秀才、夢想家と現実家という個性の違いが姉妹の間を微妙に分かち、姉と同じパイロットの道を選びながら、姉とは異なるUPEOへと所属する。
- エーリッヒ・イェーガー (声:保志総一朗)
- 2016年8月30日生まれ。TACネームはエリック。SARFのパイロットで3番機。中流階級の出身で、両親に甘やかされて育ったためか、SARFのメンバーの中では最も飛んで戦うことに無自覚である。レナを同僚でありながらアイドル視し、ゼネラルとニューコムの戦争も他人事のようにとらえるなど、未成熟な面が目立ったが、戦いを重ねる中で成長していく。Su-37フランカーへのこだわりが強く、ゲーム開始時に同機に乗っているレナを羨ましがり、後に乗機としてからは、最新型のSu-43が配備された後もフランカーに乗り続ける。
- ガブリエル・W・クラークソン (声:糸博)
- 1984年2月29日生まれ。穏健派として知られるUPEOの代表。ニューコムと太いパイプがあり、「ゼネラルの傀儡」と揶揄され実質的機能を果たしていなかったUPEOの再建に成功する。
- ギルバート・パーク (声:麦人)
- 1992年3月6日生まれ。UPEO司令。ゼネラルリソースの出身だが、ニューコムへの科学者大量流出事件を手引きしたため、ほとぼりを冷ます形でUPEOへ出向させられ、以降はゼネラルの意を汲んでUPEOを操る役を担うが、それに飽きたらぬ野心を秘める。このような出自があり、また武断派であるためクラークソンとの関係は微妙。
- アビサル・ディジョン (声:江原正士)
- 1997年10月10日生まれ。GRDF隊長であり、体力の衰えが出る40の坂を越えてなお第一線にある。
- GRDFの隊長として、テレビ番組に出演しゼネラルの意思を代弁することもあり、一介のパイロットに留まらない存在感を有している。その性格は沈着冷静で、腕利きの実戦派パイロットが揃うGRDFにあって部下から深い信頼を得ている。一方で深謀遠慮に富み、腕を見込んだプレイヤーに対し作戦飛行中にも関わらず露骨なGRDFへの勧誘を仕掛ける、あるいは上層部の意も得ないまま独断専行で作戦行動を行うなど、片腕のキースですらその真意を測りかねることも多い。ヨーコとはかつて恋愛関係にあった。
- キース・ブライアン (声:中村大樹)
- 2010年5月19日生まれ。GRDFのパイロット。ディジョンとは古い友人であり、ともに信頼し合う。ディジョンと対等に話せ、またその操縦の腕を認められている数少ない人物。が、最近はディジョンとデータスワローを介する以外でコミュニケーションをとる機会が皆無で、一抹の寂しさを感じている。ストーリー進行によってはGRDFで共に戦うことになるプレイヤーを当初は見下すも、後に「相棒」と認める。
- 終盤に見られる、ナイトレーベンとの対決はシリーズ屈指の名場面。
- マーサ・ヨーコ・イノウエ (声:玉川紗己子)
- 1999年9月3日生まれ。ディジョンと恋愛関係にあったが、2030年に研究中の事故で死亡する。享年30。
- 実際にはこの事故は彼女の実験を危険視したゼネラル上層部が仕掛けた陰謀であった。
- シンシア・ブリジット・フィッツジェラルド (声:川村万梨阿)
- 2012年2月9日生まれ。フィーの姉で、Rナンバー開発に携わる一流の科学者にして、かつNEUのチーフコンサルティングパイロット。TACネームはプリースト。エレクトロスフィアの可能性を狂信的なまでに信じる。両親はともにゼネラルの幹部で本人もかつては在籍していたが、保守的な体質を嫌い革新的なニューコムへ入社する。
- 本ゲームのオープニングアニメーションはシンシアがR-103をテスト飛行させるシーンで幕を開ける。
- サイモン・オレステス・コーエン (声:中尾隆聖)
- 2000年1月17日生まれ。ニューコムの技術者であり、プレイヤー達に多岐にわたって科学面の助言・協力を行う。先鋭的なニューコムの中でも、科学に関する発言・考え方はラディカル。オープニングフィルムから、かつてヨーコに思いを寄せていたことが見て取れる。ストーリー進行によってはニューコムに移籍するプレイヤーに対し、意味深な発言をする。
[編集] 備考
- メディアファクトリーから「エースコンバット3 エレクトロスフィア ミッションゼロ」というタイトルの解説ビデオが発売されている。
[編集] 外部リンク
- 公式サイト(ナムコチャンネル内)
- European Ace Combat 3 Site - エースコンバット3EU圏版公式サイト
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