偵察機
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偵察機(ていさつき)とは敵性地域などの状況を把握するために情報収集を行う航空機のこと。軍隊で運用される事が多く、その場合は軍用機に分類されるが、なかには軍隊ではなく情報機関が運用するものもある。
偵察の種類として、航空写真による偵察を行う写真偵察機や通信を傍受する偵察を行う電子偵察機(広義の電子戦機)などがある。また偵察機には開発当初から偵察機として開発されたもの、他の用途に使われていたものを改造したもの、偵察機材が収納された整形容器を外部装備して偵察を行うものなどがある。
当初から偵察機として開発されたものではアメリカ軍のU-2やSR-71、改造されたものは航空自衛隊も装備するRF-4、偵察ポッドを装備するものにはF-14などがある。
現在、偵察衛星の利用は増大しているが、偵察衛星に比べ柔軟な運用が可能な航空偵察に対する需要がなくなったわけではない。しかし、ミッションの特性からして撃墜される危険が高く、とりわけ先進国では有人機の利用はこれ以上のぞめないとされる。かわって、無人偵察機が注目を浴び、各国で積極的に利用されるようになっている。
特に無人偵察機にする場合、人間が乗るスペースを必要としないために機体の大幅な小型化が可能で、レーダーに探知されにくくなる。これは軍用機としては大きなメリットである。
また偵察衛星ではほとんど真っ直ぐ上からの偵察になるため、切り立った崖や峡谷、あるいはフィヨルドのような場所に横穴を掘り、そこに戦車などの兵器を隠したり身を潜めたりすると、探し出すのがとても難しくなる。しかし偵察機では斜めからの偵察が出来るため、そういった場所でも探し出すことが出来る。特にそういった狭い場所の場合、上記の機体が小さくなることもメリットになる。