やまぐち (列車)
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やまぐちとは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が新山口駅~津和野駅間を山口線経由で運行している臨時快速列車の名称。
旧国鉄・JRが運行する蒸気機関車保存及び観光のための蒸気機関車牽引による列車の緒である。また、一般に「SLやまぐち号」とも言われる。
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[編集] 運転概況
- 3月から11月の週末及び夏休み・ゴールデンウイークなど繁忙期と正月三が日に運行される。
- 東京駅発着のブルートレイン「はやぶさ・富士」の寝台券と同時に購入するか、寝台券を提示すると、1ヶ月1日前から座席指定券を購入出来る特例を組んでいる。
[編集] 使用車両
- なお、沿革にあるとおり、「レトロ車両」と称し、内装を1両ずつ変更している。
- 過去に旧型客車を使用して運行されたことが何度かある。最初は山陰本線で現役だった車両を使用してのもので、後にはJR西日本が所有する保存車両での運行であった。
[編集] 牽引機関車
- 客車の牽引には、通常C57形蒸気機関車(C571)が使用される。
- また夏季の運転時にはC56形蒸気機関車(C56160)と重連で運転され、そのときに限り宮原総合運転所所属のマイテ49形客車が増結される。
- 重連運転時にC57形が不在あるいは故障中のときは、C56形とDD51形ディーゼル機関車との重連で運転される。
- 2005年にC57形が故障した際にDD51形で牽引され、DLやまぐち号で運転された。
[編集] ヘッドマーク
- 基本ヘッドマークは、丸型の黄色地に、山口県周南市内で越冬し、同県県鳥にも選定されているナベヅルを象ったものである。1979年の運行開始以来、記念運転時の特製ヘッドマーク使用例を除き、変更されていない。
- 1997年の運転時には、牽引機C57 1号機の竣工60周年と、同年のNHK大河ドラマ『毛利元就』放映を記念し、丸型の赤地に、ステンレスで作られた三本の矢を象ったヘッドマークが用意された。C57 1号機の除煙版にも同様のデザインのエンブレムが取り付けられた。
[編集] 停車駅
新山口駅 - 湯田温泉駅 - 山口駅 - (仁保駅) - 篠目駅 - 長門峡駅 - (地福駅) - 鍋倉駅 - 徳佐駅 - 津和野駅
※()内の駅には下り(津和野行き)のみ停車
[編集] 沿革
- 1979年8月1日 C57形蒸気機関車による牽引で運行開始。
- 1980年 C58形が牽引機に加わる。
- 1984年1月 C58形引退。以後予備機なしでC57形のみでの牽引となる。
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化。運行主体がJR西日本に移行。
- 1987年6月27日 C56形との重連開始。
- 1988年 旧型展望客車「マイテ49形客車」を連結開始。
- 1988年 12系客車1編成の内装、外装を改造。「レトロ客車」として運行開始。
- 2005年3月 「レトロ客車」リニューアル、外装統一および荷物室新設。
[編集] 参考文献
- 結城重也・伊藤久巳「“SLやまぐち”を走らせて」
- 交友社『鉄道ファン』1997年10月号 No.438 p8~p17
- 斉宮則仁「JR西日本 例年とはひと味違う“SLやまぐち号”」
- 交友社『鉄道ファン』2003年10月号 No.510 p140~p143
- 斉宮則仁「煙を護(まも)る ~“SLやまぐち号”・激闘の25年~」
- 交友社『鉄道ファン』2004年11月号 No.523 p110~p117
- 斉宮則仁「編成刷新! “SLやまぐち号”」
- 交友社『鉄道ファン』2005年9月号 No.533 p158~p163