はまなす (列車)
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はまなすとは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が青森駅~札幌駅間を津軽線・海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線・千歳線経由で運行する夜行急行列車。
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[編集] 概要
1日1往復。約7時間30分で結ぶ。
[編集] 停車駅
[編集] 担当車掌区
- JR北海道函館運輸所(全区間・交代なし)
以前は青森~蟹田間をJR東日本青森運輸区、蟹田~札幌間をJR北海道函館車掌所が受け持っていた。
[編集] 運行概況
- 下り列車は到着時刻が深夜であるにも関わらず、函館駅での乗車・下車客が多い。
- 上り列車は札幌地区から苫小牧方面への最終列車代わりに利用する客が多く、東室蘭駅まで下車客が続く。また下り列車同様、函館駅での乗車・下車客が多い。
函館~札幌間は「得割きっぷ」の利用限定列車にもなっている。
普通車自由席は北海道&東日本パスを利用しての乗車が可能で、利用可能期間中は自由席が非常に混みあう(自由席客の大半が北海道&東日本パスということもあるようである)。札幌・青森の両始発駅では、発車1時間前の時点で自由席を求めてホームに行列ができていることもある。8両編成以上の列車は自由席車両が異なるので注意。8両編成以上の場合は自由席が3両連結されることがある。
2006年3月18日のダイヤ改正から、全車禁煙になった。
[編集] 車両
多客時は最大12両まで増結される(寝台車も1両増結される場合がある)。以前は寝台車を増結する場合、1号車 - 増1号車 - 2号車となっていたが、2006年から前から順に1号車 - 2号車 - 3号車とし、座席車は4号車からとなる。
さらに、札幌運転所~函館運輸所間を移動する回送車両が連結されている場合もある。
寝台車2両(通常)のうち、1両は24系客車を使用する。ただし2両とも24系客車を使用する場合があり、その場合は1号車の前に電源供給車の役目として14系客車が回送車扱いで連結する。
指定席車のうち2両(5・6号車)は改良したグリーン車用リクライニングシートを備えた「ドリームカー」。
1両は横になって就寝できる「カーペットカー」(4号車)。但し、マルスでは「はまなすカーペット号」のB寝台(上席・下席)として登録されており、通常の寝台券と同様に、一部区間でも発売された場合、その座席は全区間において発売済の扱いとなる。このため、函館以南(以北)と函館以北(以南)の特別企画乗車券などを組み合わせて「カーペットカー」の同一座席を利用する場合、一方の特企券に発行される指のみ券は、出札補充券での発券となる。5号車寄りには更衣室がある。人気が高く1ヶ月前の発売開始の時点で満席になることも多い。
- 以下の女性専用席が設置されている。
- B寝台車 (2号車15・16番 上・下段)計4席
- ドリームカー (5号車1・2・3番 A・B・C・D席)計12席
- カーペットカー (4号車1・2・3・4番下席 21・22番上席)計6席
3号車と7号車(増結時は最後尾車両のスハフ14)には自動販売機(サッポロ飲料)があるが、ビール・アルコール類は販売していない(2000年頃までは販売していた)。
- 牽引は以下の機関車による。
- 函館駅~青森駅間:国鉄ED79形電気機関車
- 札幌駅~函館駅間:国鉄DD51形ディーゼル機関車
[編集] 沿革
- 1955年から1966年まで函館駅、小樽駅、札幌駅、旭川駅~網走駅間を函館本線・石北本線経由で運転していた準急列車・急行列車の名称として「はまなす」の名称が使用されていた。「オホーツク」号の沿革も参照のこと。
- 現「はまなす」は、1988年、津軽海峡線(青函トンネル)開通により廃止された青函連絡船の深夜便の代替として運転開始。青森駅到着後は快速「海峡」として間合い運用していた。なお、「はまなす」自体は2006年現在まで基本的な運転経路は変わっていない。但し、今後北海道新幹線建設工事のうち、青函トンネル内でのレール敷設工事時間を確保するため、運転ダイヤが変更される可能性がある。
- 1988年3月13日 津軽海峡線開業に伴い、青森駅~札幌駅間を運行する夜行急行列車として「はまなす」運行開始。
- 1988年夏より、函館駅~札幌駅間に快速列車「ミッドナイト」運転開始。
- 1990年 「はまなす」奥羽本線秋田駅まで臨時延長を開始。この年は冬期のみであったが、以降夏・冬に乗り入れを行う。
- 1991年 「はまなす」B寝台車を連結。
- 1993年 「はまなす」指定席車にドリームカーを連結。
- 1996年 「はまなす」この年を以て秋田駅臨時乗り入れを終了。
- 1997年 「はまなす」指定席車にカーペットカーを連結。
- 2000年 快速「ミッドナイト」車両を急行形気動車(キハ56系)から特急形気動車(キハ183系)に変更。
- 2001年3月3日 「はまなす」の弘前・秋田方面の接続列車が「白鳥」から「いなほ」に変更。
- 2001年 「ミッドナイト」季節列車に格下げ。基本的には「青春18きっぷ」シーズンのみ運転となっていた。
- 2002年12月1日 「ミッドナイト」季節列車としても廃止。また、「はまなす」の八戸・盛岡方面の接続列車が「はつかり」から「つがる」に変更。