たけしの戦国風雲児
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『たけしの戦国風雲児』(たけしのせんごくふううんじ)は、1988年10月25日にタイトーから発売されたファミリーコンピュータ用テレビゲームである。このゲームはビートたけしが携わったとされている。
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[編集] ゲーム内容
[編集] 戦国モード
沖縄を除く戦国時代の日本を舞台にしたボードゲームである。サイコロを振ってさまざまなところに行くというものである。単にすごろくをしていくだけでなく、城を奪い取るという国盗り合戦の要素を含まれている。主にビートたけし(以下たけし様:ゲーム上ではこのように表記される)が出てきてアドバイスや邪魔をして進行する。そしてゲームモードに沿ってそれぞれの目的を達成していく。5つのゲームモードがある。
- 日本縦断ゲーム
- スタートはあばしり城。目的地であるたけし城(九州にある)を目指していくゲーム。
- 仕官ゲーム
- スタート地点はおおた城。一介の浪人から各地の城に仕官していくゲーム。この中ではかなりの自由度が高いゲーム。
- 大名ゲーム
- スタート地点はランダムに設定。仕官に成功したプレイヤーが大名を目指して殿様からの命令に従って進めるゲーム。
- 統一ゲーム
- スタート地点は同じくランダム。大名になったプレイヤーが各地の城を盗り、全国を統一をするゲーム。最初の所持設定が高い。
- 商人ゲーム
- スタート地点はおおた城。ほかのゲームモードとは違いひたすらお金を稼ぐゲーム。3千、5千、1万の設定ができる。
以上5つのゲームモードが存在するが、仕官ゲームから統一ゲームをするだけでも数時間かかる上、バックアップ機能もなかったため、途中で挫折するプレイヤーも多かった。
仕官ゲームをクリアすると大名ゲームに、さらに統一ゲームにと移行することができるようになっている。一旦大名・統一ゲームに入っても、「ひまをもらう」「いんきょする」などのコマンドで仕官ゲームに戻ることもできるが、大きなメリットがあるわけではない。
[編集] サイコロ
基本はサイコロを振って、出た目の数を進んでいく。サイコロの出目は1~6の他、まれに「たけちゃんマーク」が出る。これを出すと「1~6マス進む」「7マス進む」「相手を動かす」の選択肢が現れる。
また、ゲーム開始時に決定した「ラッキーナンバー(1~6)」をゲーム中で出すと、川や戦場などの強制イベントマスをスルーでき、さらにもう1回サイコロを振ることができる。
なお、サイコロはそのまんま東らしき人物が振ってくれる。
[編集] カード
戦国ゲーム中、イベントや店などでカードを手に入れることができる。
「たけちゃんカード」「いかさまカード」「七光りカード」など、多種多様なカードを駆使していくことがゲーム攻略の鍵となるが、街で購入できるカードはあまり多くなく、「いかさまカード」などの有用なカードは主にイベントで入手する。持っていてありがたくないカード(どブス奥様カードなど)も一部あるが、自発的に捨てることができない。
実は桃太郎電鉄シリーズよりも早くカードシステムを備えたゲームなのだが、あまり知られていない。
[編集] パーティーモード
戦国モードの各所で使われているミニゲームを集めたもので、戦国モードとは違って評点方式となっている。 「剣術」「じゃんけん」のゲームは対戦モードも用意されている。
[編集] 登場キャラクター
表題の通り、ビートたけしこと「たけし様」というキャラクターが、ゲーム全体の進行に大きく関わっており、時には手助けをしてくれたり、時には無理難題をふっかけてくる。また、モードによってはゲームの最終戦がたけし様との対決になる。
なお、プレイヤーの操作するコマはたけし軍団のメンバーをモチーフにしている。
この他にもいろいろなマスに登場するキャラクターは、実在の人物をモチーフにしていると思われる。
など。ほか、たけちゃんマスに止まったときに「なんや またかいな」という明石家さんまのものらしきメッセージが出ることがある。
[編集] ミニゲーム
基本となる戦国ゲーム中、イベントによってミニゲームが発生する。特定のマスを通りかかると強制的に発生するものが多く、多くは失敗するとペナルティ(数回休みなど)を課せられる。
ゲームのタイトルからしてだが、発売と同時期に放映されていた人気バラエティ番組「風雲!たけし城」をオマージュしたミニゲームがいくつかある。
また、パーティーゲームの場合はリストから任意に選択できるようになっている。
[編集] ゴルフ
パワーを調節して、1打でカップインさせるゴルフゲーム。
戦国ゲーム中では、たけちゃんマスに止まると発生することがある。また、日本縦断ゲーム場合は最後にこれで勝たねばならないが、外した場合でもたけし様の気まぐれ次第で(めんどくさいから)勝ちにしてくれる時がある。
状況は常に同じで、タイミングさえ掴めば簡単にクリアできる。パワー最大で打つと、真上の家屋に当たってしまい、中から「じょーだんじゃないよ!」とたけしが出てくる小ネタがある。
パーティーゲームでは持ち球10発を打って、入った数を競う。
[編集] 川渡り
「風雲!たけし城」の「龍神池」を模したと思われるもの。戦国ゲーム中では、おおた城~ういろう城間の「川マス」などで発生する。
水面に置かれた飛び石を渡り、対岸までたどり着けばクリア。ただし一部にハズレの石があり、それを踏んでしまうと沈んでしまい、ミスとなる。
ハズレを見抜く方法は無く、元ネタ同様に運勝負の要素が強い。
[編集] 地獄門
同じく、「自由への壁」を模したと思われるもの。戦国ゲーム中では、佐渡金山、城や土蔵に忍び込んだときなどに発生する。
3つの門(うち1つはハズレ)のどれかに突っ込み、無事通れたら成功、通れなかったらミス。これを5回ほど成功させるとクリアになる。時折、画面端からカラスが飛び出し、これに当たっても失敗となる。左右の扉を選ぼうとして当たることがよく起こるため、できるだけ真ん中を通ることが望ましい。
これも見抜く方法は無いため、運勝負の要素が強い。
[編集] 戦国インベーダー
同社「スペースインベーダー」を戦国時代風にアレンジしたもの。戦国ゲーム中では、墓場・寺・山賊マスなどで発生する。
左右に移動しながら迫ってくるザコと、その後ろを往来するボス(インベーダーのUFOに相当する)がおり、ボスを仕留めればクリアとなる。逆に、ザコの放つ弾や、迫ってきたザコに触れるとミスとなる。
ほかのミニゲームに比べて、運の要素が極めて少ない。原作同様、ボスを仕留めるときの弾数によってボーナスが得られることもある。
[編集] 戦場
戦国ゲーム中では、ういろう城近辺の「戦場マス」などで発生する。
矢の飛び交う戦場を駆け抜けるゲーム。無事通過できればクリア、矢に当たるとミスとなる。様々な得物を持った両軍だが、当たるとミスになるものは弓兵の矢のみ。槍や消火器などに触ってもミスにはならない。
弓のタイミング以外には運の要素があまり強くないため、他のものと比べて難易度が低い。
[編集] 剣術
戦国ゲーム中の至る所で発生する。同じマスにプレイヤー同士が重なることでも発生し、その場合は対戦となる。
一対一の剣術勝負。タイミング良く刀を振り当て、相手の体力をすべて奪うとクリアとなる。時折、突発的にじゃんけん勝負が発生する。負けた側は体力が奪われる。刀系のカードを所持していると、その強さに応じて攻撃力が上がる。最高級の刀「ぞーりんげん」の場合は通常の5倍の攻撃力になる。
一見プレイヤーの腕前次第に見えるゲームだが、実際は運の要素も大きく作用する。
[編集] じゃんけん(合戦)
ゲーム中では下克上のときや、兵を率いているときなどに発生する。互いの陣地から兵士が進んでゆき、自軍の陣地から敵軍の陣地までたどり着けばクリアとなる。
途中で兵士同士がぶつかったときに、じゃんけんが発生する。負けた側は陣地からやり直しとなる。 兵力によってやり直せる回数が違ってくる(兵士/100)ため、基本的には兵士の数が多いほど有利となる。移動にはボタン連打によって進む仕様なため、運以上に連射力と体力も必要となる、もっとも過酷なミニゲームとなっている。