おば
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おばとは、日本語で、
- 「伯母」は、傍系3親等にあたる父親や母親の姉、ないし兄の配偶者にあたる女性を指す語。
- 「叔母」は、傍系3親等にあたる父親や母親の妹、ないし弟の配偶者にあたる女性を指す語。
- 「小母」は、「伯母」、「叔母」以外の成人女性、特に、子を持つ親ほどの年齢層を指して呼ぶ一般語。
この語の尊敬語は「〜様」ないし(その音便である)「〜さん」であり、日本語の口語表現全般で使われる。また謙譲語は単に「伯母」、「叔母」であり、自らの親族である「伯母」、「叔母」を、より遠い関係の者に呼ぶときにはこれらの謙譲語を使う。
幼児もしくは年少の人間に対し、「おかあさん」などと同様、相手を中心とした呼び方で一人称として用いられることがある。この場合は普通「〜さん」を付け「おばさん」となる(「おばちゃん」と呼ぶ場合もある)。
ただし、伯母、叔母にあたる女性であっても、若い女性の場合には、「おばさん」の語が持つ年長の語感によって不快に感じることがあるため、若い女性を指す一般語の「おねえさん」を用いたり、名前を呼ぶことにしている場合がある。また、伯母、叔母が未成年である場合は、通常「おばさん」と呼びかけたり、自称することはない。
北米のイロコイ族では、日本語の「おば」のカテゴリーに属する女性を「母親」と同じ呼称で呼ぶ。オマハ族では、「父方オジ」を「父親」と同じ呼称で呼び、「母方オジ」の呼称とは異なる。オマハ族は、母の兄弟の娘である女性のいとこと母の姉妹である「おばさん」とは同じ呼称で呼ばれ、父の姉妹の娘である女性のいとこは、本人の姉妹の娘と同じ呼称で呼ばれる。異なる社会においては、親族としての「おば」の範囲が異なることを示している。