SFドラマ 猿の軍団
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『SFドラマ 猿の軍団』(エスエフドラマ さるのぐんだん)は、1974年10月6日から1975年3月30日までTBS系で19:30 - 20:00に全26話が放送された、円谷プロダクション製作のSF特撮テレビ番組。
映画『猿の惑星』のTV放映が高視聴率を得たことに端を発した企画で、「猿に支配された世界に迷い込んだ人間の逃避行」という同映画の内容を踏襲した企画である。また、『日本沈没』『ノストラダムスの大予言』等、「滅亡」「破滅」をモチーフにした書籍や映像作品がヒットしていたいわゆる「終末ブーム」の影響もあり、「人類滅亡」という重いテーマをストレートに描いた作品でもあった。結果的には、SFアニメの記念碑的作品『宇宙戦艦ヤマト』と当時人気の名作アニメ『アルプスの少女ハイジ』が同時間帯だったために、視聴率的にはふるわずSFファンに対しても認知度が高いとは言えなかった。
しかしながら、内容的には単なる模倣作品ではなかったとの評価もある。原作者としてSF作家の小松左京、豊田有恒、田中光二の3氏を招き、ストーリー構築や科学考証に力を入れて、当時特撮ドラマの主流であったヒーロードラマとは一線を画したハードな内容を目指していた。一例として、現実に攻撃性の強いチンパンジーをタカ派、穏和なゴリラをハト派に設定するなど、猿に対する動物学的な視点は本家よりも正確に考察されていた。また、作劇的にも猿人一人一人に人間的な性格を設定し、「猿の国の政治抗争」や「人間と猿との友情」など仮面劇としてのドラマ性が強化されていた。人類滅亡の理由を大きな伏線として、半年間のドラマを一貫性のあるものにしていたことも特筆される。
目次 |
[編集] ストーリー
低温生化学研究所に務める科学者・泉和子と、見学に来ていた榊次郎、ユリカの3人は突然起きた地震によりコールドスリープ装置に閉じ込められ、冬眠状態のまま未来へと送られる。そこは猿に支配された地球だった。人間を保護するか絶滅させるかの意見対立を発端として、ゴリラ派とチンパンジー派の内乱が起きる中、生き残りの青年ゴードを加えた4人の人間は人類滅亡の謎を追って猿の国を旅していく。
[編集] スタッフ
- 製作:円谷粲、熊谷健、熊谷国雄
- 原作:小松左京、豊田有恒、田中光二
- プロデューサー:高橋亦一、忠隈昌
- 監督:奥中惇夫、香月俊一郎、深沢清澄、土屋統吾郎
- 脚本:阿部桂一、若槻文三、田口成光
- 音楽:津島利章
- 主題歌:「猿の軍団」
- 挿入歌:「何処かで愛が」
- 作詞:阿部基治/作曲:津島利章/歌:藤田とし子(レコード用音源)、斉藤浩子(劇中使用音源)
- 特殊技術:佐川和夫
- 第1話と最終話のみ「特撮監督」と表記
- 撮影:森喜弘
- 照明:比留川大助
- 美術:大橋豊一
- 編集:小林煕昌
- 光学:宮重道久
- 合成作画:古山章
- 合成:デン・フィルム・エフェクト
- 制作:円谷プロダクション、TBS
[編集] キャスト
- ゴード:潮哲也
- 泉和子:徳永れい子
- 榊次郎:梶正昭
- ユリカ:斎藤浩子
- ゲバー署長:畠山麦
- ビップ大統領:大前均
- サボ副官:団巌(声:渡部猛)
- ルザー長官:高嶋洋
- 小猿ぺぺ:滝田一恵(声:菊池紘子)
- ゴビー長官:石川敏(声:八奈見乗児)
- 榊澄子:小林千登勢
- 榊良太郎:天田俊明
- 榊教授:高橋昌也
- 高木博士:仲谷昇
- ユーコムの声:納谷悟郎
- ナレーター:山田俊司
[編集] 放送リスト
- 飛び込んだ世界の謎
- 魔境へ脱出
- 魔の山が鳴く!
- ペペと次郎の友情
- 激突! ゴドー対ゲバー
- 人間の味方現わる?
- 猿の歌は愛の歌
- 人間が残した秘密
- かわいい人間よお嫁になって
- お母さん猿の涙
- 人間が造った留守番ロボット
- 喜びのめぐり会いと空飛ぶ円盤
- チンパンジー族に勝った
- 猿の国もお正月?
- 人間が埋めたタイムカプセル発見!!
- タイムカプセルから子供の声が!!
- 悪の軍団から親子猿を救え!
- なぜ人間が少なくなった
- 猿に味方する奴は誰?
- 謎の無線機が呼んでいる
- 愛する猿への伝言
- ゴリラ対チンパンジーの争い
- 円盤は敵か? 味方か?
- 勝利の日は近い!!
- コンピューターは人間より偉いか?
- 喜びの帰還
[編集] 関連事項
- 映画「猿の惑星」
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