Peripheral Component Interconnect
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Peripheral Component Interconnect、略してPCIとはコンピュータのプロセッサと周辺機器との間の通信を行うためのバスアーキテクチャの一つ。
PCIバスはパソコンまたはワークステーション、サーバー、オフィスコンピュータ用の拡張カードを増設するための業界標準のバスとして広く採用されている。
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[編集] 規格
- 2003年現在、最新のバージョンはPCI 3.0である。
- 一般のパソコンではPCI 2.3準拠の 32bitの33MHz、5VのPCIバスが採用されている。
- 動作クロックは最大33MHzまたは最大66MHzで下限クロック数は規定されていない。
- これはPCIの動作単位がクロックではなく実時間(例:Output Delayはクロック立ち上がりより12ns後)で規定されている為である。
- バス幅は32bitまたは64bitで、1バスセグメント内で10デバイスをサポートする。
- スロットは33MHzの場合2デバイス、66Mhzの場合4デバイス扱いの為、最大4スロットまでの実装が可能。それ以上のデバイスを使用する場合はPCIバスブリッジを使用する。
- また、32bitスロットに64bitのカードを挿入して使用することやその逆も可能であるように設計されている。
- 動作電圧は5Vまたは3.3Vであり、カードの切り欠け、スロット突起の有無により誤挿入を防止している。
- PCIデバイスは、各々のベンダが固有のPCI IDを持つ。
[編集] 歴史
PCIバスは、当初CPUアーキテクチャに全く依存しないデバイス間を結ぶ内部高速バスLocal Glueless Busとして、1991年にIntelから提案された。
その当時、PC/AT互換機においては、標準の拡張バスであるISAバスが低速、かつバス調停機能が存在しなかったため、高速なデバイス(VGAやLAN、SCSI等)の接続、マルチタスクオペレーティングシステムの運用などの際ボトルネックになっていた。
そのため、ISAバスを拡張した32bitのEISAバスやi486のメモリバスをそのまま引き出したVLバスが登場したが、前者は、高度なバス調停機能による高価格化とISA互換による帯域の不足、後者は帯域は充分(50MHz駆動時200MB/秒)だがi486アーキテクチャに強く依存し、互換性、安定性が不十分でバス調停機能は存在しなかった。
Intelの提案を受けた各社から、ISAを代替する高速な標準汎用バスとして、外部バス化する要求が多く寄せられた。
この要求に対し、PC/AT互換機やPC-9821への実装を目的とした機種依存仕様の追加、拡張スロット形状を含めた現在の形に近いPCIバスの仕様が、Intelを中心として策定された。
PCIバスは、策定当初からアーキテクチャに依存しない汎用高速バスとして設計されていたが、PC/AT互換機における標準バスとしての地位が約束されていた訳ではなかった。このため、PCIバスを搭載した初期のマザーボードにはEISAバスとVLバスも搭載するという変則的な製品やVLバス上にPCIブリッジを実装する製品も存在した。
また、PCIバスはワークステーションやサーバー、オフィスコンピュータなどの方面にも同時に取り入れられていった。この方面ではEISAバス、APバス、VMEバスなどを使用していたが、特にコンピュータグラフィックや衛星画像処理などで大規模な画像データを表示する必要に迫られたり、大規模なデーターを取り扱うSCSI等にいちはやく取り入れられていった。同時に、i486系のCPUを持つワークステーションのみならず、R4400、R10000等、MIPS系のRISC型CPUを持つワークステーションやサーバー等でも利用できるよう、PCIコントローラーが開発され実装されていった。また、サーバーなどのボードの拡張を容易にするため、PCIブリッジと呼ばれる外部筐体にPCIバスを拡張するコントローラーも開発され、i486系、MIPS系のサーバーに使用されている。
2002年には、PCIとAGPの統合後継規格であるPCI Expressが発表され、2005年現在ではPCI≦PCI Explessの割合でマザーボードに搭載されている。
- 1991年 原案である「Local Glueless Bus」が発表。
- 「PCI Local Bus」として規格化すべく PCI SIG が設立された。
- 1992年 PCI 1.0策定。
- 内部接続バスとしての仕様のみ規定され、見切り発車などとも言われた。
- 1993年 PCI 2.0策定。
- 64bit規格、コネクタ仕様等が制定され、製品への本格的な実装が開始された。
- 1994年 PCI 2.1へ改訂。
- Delayed Transactionの明文化、PCIバスブリッジや66MHzの仕様が盛り込まれる。
- 1999年 PCI 2.2へ改訂。
- MSI(Message Signaled Interrupt)と言うサイドバンド信号線無しで割り込み通知等の機能が追加され、これに準拠した別ケーブル無しでのWOL対応イーサネットカードやPCMCIAインタフェースが販売された。
- 2000年 PCI 2.3へ改訂。
- 5Vのみで動作する拡張カードの廃止。マザーボード側5Vコネクタは搭載を許される。
- 2002年 PCI 3.0制定。
- マザーボード側5Vコネクタ廃止。
- 2002年 PCI-X 1.0b 及び PCI-X 2.0制定。
- 64bitPCIの後継規格で、1バスセグメント内で66MHzなら4本、100MHzなら2本、133MHz動作なら1本のスロットが使用可能などの機能拡張が行われている。
- PCI-X 2.0では、信号電圧の1.5Vへの動的変更を行うことで、DDR (Double Data Rate:倍速)やQDR (Quad Data Rate:4倍速)でのデータ転送をサポートする。
- 2002年 PCI Express 1.0制定。
- プロトコルと信号が混在していたPCIを見直し、各層を完全に分割し、スケーラビリティを確保した規格。PCMCIAの置き換えをも視野に入れた将来のPCの標準汎用拡張バスとなる予定。
[編集] 関連項目
- PCI Express
- Accelerated Graphics Port (AGP)
- Extended Industry Standard Architecture (EISA)
- Industry Standard Architecture (ISA)
- Micro Channel Architecture (MCA)
- VESA ローカルバス (VL バス)
- APバス
- XT バス
- ロープロファイルPCI