KIPS
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KIPSとは、カワサキが開発した2サイクルエンジン用の排気デバイスの名称である。
[編集] 独自性
KIPS とはKawasaki Integrated Powervalve Systemの略で、他社の排気デバイスと同様2サイクルエンジンの肝であるポートタイミングを可変とすることで中低回転時の乗りやすさと高回転時のパワーを両立させたシステムである。
他社の排気デバイスとの大きな違いは、中低回転時にシリンダー側面にあるレゾネーターと呼ばれるサブチャンバー内に排気を導くことで、チャンバーからの排気脈動とのタイミングをずらし掃気・主吸気の吹き抜けを防止する機構である。 ただ、このメカニズムは中低速を多用する町中走行ではレゾネーター側に導かれる排気ガスが多いため、レゾネーター内部に大量の未燃焼オイルカスが蓄積してしまうと言う難点がある。
また、メインバルブ・サイドバルブとも常に燃焼ガスにさらされる上にセルフクリーニング機構が無いため、他社の排気デバイスよりもメンテナンスを短い期間で行わなければならないと言う弱点もある。