GNOME
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GNOME 2.14 のスクリーンショット |
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開発元: | GNOME developers |
最新版: | 2.16.2 / 2006年11月23日 |
評価版: | 2.17.2 / 2006年11月9日 |
対応OS: | クロスプラットフォーム |
種別: | デスクトップ環境 |
ライセンス: | GPL & LGPL |
公式サイト: | gnome.org |
GNOME(GNU Network Object Model Environment、グノーム)はX Window Systemなどの上で動作するデスクトップ環境。GUIツールキットとして、GTK+を採用している。Linuxや各種BSDなどで動作する。Red Hat Linux/Fedora CoreやVine Linuxなどで標準のデスクトップ環境として採用されている。ライセンスはGPL。
ちなみにGNOMEはグノームと発音するが、Gnome(地の精)はノームと発音する。
目次 |
[編集] 歴史
- 1997年8月 - Miguel de Icaza と Federico Mena が GNOME の開発を開始。1996年10月に開発が始められたKDEに触発されたものと言われている。
- 1999年3月 - 1.0 - 最初のメジャーリリース
- 2000年5月 - 1.2 - "Bongo"
- 2000年8月 - GNOME Foundation 設立
- 2001年4月 -1.4 - "Tranquility"
- 2002年6月 -2.0 - GTK+2ベースへのアップグレード
- 2003年2月 -2.2 - マルチメディア(GStreamerの採用)とファイルマネージャの向上
- 2003年9月 -2.4 - Epiphany、アクセシビリティサポート
- 2004年3月 -2.6 - Nautilusがスペーシャルモードヘ移行、新しいGTKファイルダイアログの採用。
- 2004年9月 - 2.8 - リムーバブルドライブ周辺の改良、Evolutionの追加
- 2005年3月 -2.10 - メモリ消費量やパフォーマンスの改良、新しいアプレットやTotem・Sound Juicerの追加
- 2005年9月 - 2.12 - Nautilusの改良、Evinceドキュメントビューア・メニューエディタ等の追加。Cairoを使った GTK+2.8ベースに。
- 2006年3月 - 2.14 - パフォーマンスの改善、検索の強化、Ekigaビデオ会議ソフトや管理ツールPessulus・Sabayonの追加。
- 2006年9月 - 2.16 - 「Tango Desktop Project」の成果の取り込み、ノートパソコン向けのパワーマネジメントツールの追加、Nautilusの改良
開発当初、GNOMEはライバルのKDEと同じく、Windows風のインターフェイスを備えていたが、2.8から先、コアアプリケーションであるNautilusを始め、徐々にMac OS X風のインターフェイスを備えるようになった。この変更は賛否を各地で呼んだが、開発は留まること無く続けられている。
なお、GNOMEのバージョンは偶数バージョンのリリース版の他に、開発者向けとみられる奇数バージョンがある。半年ごとに新バージョンがリリースされる。
[編集] デスクトップ環境としてのGNOME
Mac風のインターフェイスを持つGNOMEは、Mac OS X同様にタスク管理をするため違う方法を用い、デフォルト時点で上下にバーが付けて補っている。上のバーには、左端にメニュー、ランチャ、右端には時計が付いている。下のバーには、アプリケーション毎のウィンドウが表示されるようになっている。バーにはランチャのほかに、パネル・アプレットと呼ばれる常駐型のアプリケーションを追加することができ、これはシステムの状態や天気予報など、さまざまな対象をモニタする目的によく利用される。
その他に利用可能な機能としては、複数のデスクトップ環境を同時に利用可能な仮想デスクトップ機能などを備えている。
GNOMEの配布物は非常に多いため、アップグレードの際はOSごとに指定された方法があるならばそれに従い慎重に行う必要がある。また、OSによってはshスクリプト形式でアップグレードをサポートしているものもある。
[編集] 開発体制
GNOME プロジェクトは、他の多くのソフトウェアプロジェクトよりも、緩い組織である。GNOMEアーキテクチャ,GNOMEアプリケーションはそれぞれ独自のバージョンとリリーススケジュールを持つ。しかし半年ごとのGNOME 全体の安定版リリースに合わせて協調して開発が進められる。2000年に設立された GNOME Foundation は管理作業やリリースを調整したり、GNOME に含めるプロジェクトの決定を行なう。また、Freedesktop.org は GNOME・KDE・Xfce といったデスクトップ環境間での知識や技術を共有するために、標準や技術を公開しているが、GNOME にこれらが取りこまれることがある。
[編集] GNOMEアーキテクチャ
- Bonobo - コンポーネントモデル
- GTK+ - GUIツールキット
- ATK - アクセシビリティツールキット
- gnome-print - 印刷ライブラリ
- GNOME VFS - 仮想ファイルシステム
- GConf - Windowsのレジストリに相当する、デスクトップのオプション管理システム
- GStreamer - マルチメディアフレームワーク
[編集] GNOMEアプリケーション
- GNOME Office w:en:GNOME Office (http://www.gnome.org/gnome-office/)
- Anjuta - 統合開発環境
- Dia - ダイアグラムエディタ
- Epiphany、Galeon - Webブラウザ
- Ekiga - インターネット電話クライアント
- Evince - ドキュメントビューワ
- Evolution - PIM
- Gedit - テキストエディタ
- Gnomeターミナル - 端末エミュレータ
- Metacity - ウィンドウマネージャ
- nano - テキストエディタ
- Nautilus - ファイルマネージャ
- Pan - ニュースリーダ
- Rhythmbox、Totem - メディアプレーヤ
[編集] 外部リンク
- 英語
- GNOMEプロジェクト
- Footnotes GNOMEニュースサイト
- GnomeFiles.org GNOMEアプリケーションポータル
- 日本語
カテゴリ: GNOME | デスクトップ環境 | フリーソフトウェア | ソフトウェアアーキテクチャ