Ghostscript
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
GhostscriptとはPostScriptとPDFのインタプリタのフリーソフトウェア実装。および、それを元としたソフトパッケージのことである。
以下のような用途で使われることが多い。
- RIPとして、PostScriptファイルをラスター画像に変換してプリンターに送る。例えば、unixに於けるlpdの入力フィルタとして。
- PostScript および PDF ビューワなどに表示するラスター画像を裏で生成するRIPエンジンとして。
- ファイルコンバーターとして。特に PostScript から PDF への変換ソフトとして。
- PostScript プログラムの実行環境として。
多くの環境にポートされていて、UNIX(LinuxやMac OS Xも含む)やWindows、クラシックMacの他、OS/2やVMSでも動作する。いくつかのグラフィカル環境向けに PostScript ファイルや PDF ファイルのビューアが用意されている。Unix ではX上で動作するGhostviewやGNOME環境のEvince、Windows ではGSViewが有名である。これらは Ghostscript をバックエンドに使うようになっていて、マウスを使う視覚的な操作によって、ファイルの内容をズームしたり、スクロールしたりすることができるようになっている。また、画面描画を PostScript で制御するDPSのオープンソース実装であるDisplay Ghostscriptなどもある。
Ghostscript はGNUプロジェクトとして L. Peter Deutsch の手により開発が始まり、GPL下で公開されていた。後に Deutsch が設立した Aladdin 社(現 Allume 社。StuffItで有名な会社)が商用ライセンスAladdin Free Public License (AFPL)下での開発をすることとなった。現在は artofcode LLC が権利を持っていて、ユーザコミュニティおよび artifex 社がメンテナンスを行なっている。フリーでなく商用配付に制限のある AFPL を適用している Ghostscript がある一方で、オリジナル版と同じライセンスである GNU Ghostscript(現 GPL Ghostscript、2003年3月18日リリースのバージョン 7.07 から改名)がある。
歴史的な経緯もあり、Ghostscript にはいくつかの種類がある
- AFPL Ghostscript(旧 Aladdin Ghostscript) Artifex および artofcode LLC が開発している最新ビルドのディストリビューション。Aladdin Free Public License 下でリリースされているために、商用目的の変更・再配布には制限がある。
- GPL Ghostscript(旧 GNU Ghostscript)GPL ライセンスでリリースされる。なお、GNU プロジェクトのソフトではない。バージョン 8.54 までは、AFPL 版の方を優先させるために、AFPL Ghostscript のリリースから 54 週(約1年)遅れでリリースされることになっていた。現在では AFPL 版、GPL 版ともにバージョンは同じである。
- GNU Ghostscript は GPL Ghostscript の古いものか、それを元としたものである。GNU プロジェクトの一部分のプログラムであった。
- ESP Ghostscript は Easy Software Products によってリリースされており、ライセンスは GPL である。GPL Ghostscript を元にしてESPのCUPSのために変更が加えられたものである。
[編集] 外部リンク
全て英語版
- Ghostscript コミュニティサイト
- GNU Ghostscript
- ESP Ghostscript
- Interview with L. Peter Deutsch on history of Ghostscript project(インタビュー記事)
- 周辺ソフト
カテゴリ: DTP | フリーソフトウェア | PostScript