BANANAFISH
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『BANANAFISH』(バナナフィッシュ)は吉田秋生による少女漫画。
「別冊少女コミック」1985年5月号~1994年9月号にて連載された。ニューヨークの天才不良少年を主人公にした物語であり、少女漫画とは思えないハードボイルドな内容と、ボーイズラブ的趣向が特徴。
ラジオドラマが1994年の初夏と1995年の初夏に、NHK-FM「青春アドベンチャー」枠内で放送された。
目次 |
[編集] あらすじ
謎の合成麻薬「バナナフィッシュ」。マフィアのボスディノ・ゴルツィネの愛人からストリートギャングのボスに成り上がったアッシュ・リンクスは、偶然この麻薬のサンプルを手に入れることにより、ベトナムで何故兄であるグリフィンが発狂したかを知ることになる。
偶然、ストリートギャングを取材に来た日本人の英二と共に、「バナナフィッシュ」の謎を追ううちに、マフィア、国家、軍産複合体が複雑に関わった機密、野望の渦に巻き込まれてゆく。「バナナフィッシュ」は政府と軍上層部が中心となり極秘裏に開発したアルカロイド系の合成薬剤で、投与することによりまったく無関係な人間を戦闘員、暗殺者にしたてあげてしまう恐るべき兵器であった。アッシュはストリートギャングの仲間を戦いで失いながらも正体をあばこうとするが、、。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
声優はラジオドラマによる。
- 本作の主人公。ニューヨークの不良少年のボス。優れた容姿とIQ180以上(マナーハイムの調査では210)の頭脳、超人的な身体能力を持つ。本名はアスラン・J・カーレンリース。
- 兄グリフィンを廃人同然にした謎の言葉「バナナフィッシュ」を追ううちに、ディノと敵対することになる。
- 奥村英二(おくむらえいじ) (声優:井上和彦)
- カメラマン助手で、伊部と共にストリートキッズの取材をしていた縁でアッシュと知り合う。アッシュが信頼する唯一の人物。
- 本名マックス・グレンリード。フリーのジャーナリストでアッシュの兄グリフィンとはベトナム戦争での戦友であった。アッシュと共にバナナフィッシュを追う。
- グリフィン・カーレンリース(声優:橋本じゅん)
- アッシュの兄。
- ショーター・ウォン (声優:橋本じゅん)
- ニューヨークのチャイナタウンにおける不良少年達のボスであり、アッシュの親友。ディノ達の手によってバナナフィッシュを投与され、英二を殺すように暗示をかけられてしまい、アッシュの手によって殺される。
- ディノ・ゴルツィネ (声優:川久保潔)
- コルシカ・マフィアのボス。バナナフィッシュを用いてアメリカ政財界の支配を目論む。少年愛の性癖があり、かつてアッシュの才能を見抜き後継者として育てていたことがある。アッシュが背いて以降も彼に対し愛憎入り混じった感情を抱いている。
- フレデリック・オーサー (声優:武岡淳一)
- アッシュと敵対する不良少年達のボス。コルシカ・マフィアと手を組み、アッシュを倒そうと目論む。アッシュと過去に戦いその際に指を傷つけられ引き金が引けないため銃器が使えない。卑劣な手段で天才少年アッシュを抹殺しようとする外道であるがナイフでのアッシュとの決闘の際に極めて互角に近い戦いをしている。(後にケイン、ラオが同様にナイフを使いアッシュと戦ったが指一本しか使えないアッシュに一瞬で戦闘不能にされた)また大統領首席補佐官と対面しても礼儀正しく堂々と振舞えるなど単なる不良少年ではないことがわかる。
- 李月龍(リー・ユエルン) (声優:大輝ゆう→舵一星)
- アメリカ名はユーシス。チャイニーズ・マフィアを支配する季家の末弟だが、自分の母親を殺した実の兄達を抹殺し実権を握っている。自分と似たような境遇にありながら英二という大切な存在を得ているアッシュに羨望と嫉妬の入り混じった感情を抱いている。
- シン・スウ・リン (声優:あづみれいか)
- ショーター亡き後のチャイニーズ達のボス。ショーターを殺したアッシュに対し憎悪を抱いていたこともあった。真相を知って以降はアッシュに協力的になる。筆者が後に発表した作品「YASHA-夜叉-」「イヴの眠り 」にも重要人物として登場する。
- アレックス
- ニューヨークの不良少年でアッシュの片腕的存在。アッシュ不在のときは彼がグループをまとめることも。
- ボーンズ
- アッシュの子分。かつてアッシュを起こそうとして殴られて前歯を折られたことがある。
- コング
- アッシュの子分の大男。あまり頭のできは良くない。
- ケイン・ブラッド (声優:京晋佑)
- 黒人達のグループ「ブラック・サバス」のボスで別名ブラッディ・ケイン。アッシュに協力的。常にサングラスをしている。
- ジェシカ (声優:若葉ひろみ)
- マックスの元妻。後にマックスと再婚する。
- ジェンキンズ
- ニューヨークの市警。階級は警部。
- チャーリー
- 新米警官。ファミリーネームはディキンソン。ショーターの姉マーディアと深い関係になっている。
- マナーハイム (声優:関根信昭)
- 国立精神衛生センターの研究者。人体実験を良心の呵責なく行えるマッドサイエンティスト。
- 白(ブランカ) (声優:古田新太)
- かつてアッシュに戦闘技術を教えた人物。その後カリブで隠遁生活を送っていたが、ディノがアッシュを捕らえるために呼び戻される。アッシュすら手も足も出ず圧倒されるほどの実力があり、単純な戦闘能力では確実に本作中最強。
- 本名はセルゲイ・ヴァリシコフ。かつてKGB中佐だったが、政治犯の娘であった妻ナタリア・カルサヴィナの死がKGBの手によるものと知り、国と名前を捨てた。「白(ブランカ)」のコードネームはナターシャの出身地白ロシア(ベラルーシ)にちなむ。
- エドアルド・L・フォックス (声優:佐々木蔵之介)
- ディノに雇われたフランス傭兵部隊の隊長。ゲリラ戦のエキスパート。
[編集] 評価
作中に著者の知識不足・偏見が原因と見られる不可解な設定がある。(しかしこの責任を著者一人に負わせるのは酷であろう。担当の編集者の助言、バッアップの不足と指摘されても仕方がない。)
- NYを縄張りとするイタリア系マフィアの出身地がなぜかコルシカ島となっている。(コルシカ島はフランス領である)
- チャイナタウンに住む中国系住民の服装が清王朝時代の満州民族の衣装のままである。
以上の欠点があっても有り余る価値を有する作品であると思われる。
[編集] 関連するリンク
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