黒い絵
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黒い絵(くろいえ)とは、スペインの画家のゴヤが、晩年に自身の住居の部屋の壁に描いた一連の絵画を言う。
1819年にマドリード郊外に「聾者(ろうしゃ)の家」と通称される別荘を購入し、1820年から1823年にかけて、この家のサロンや食堂を飾るために描かれた14枚の壁画群で、黒をモチーフとした暗い絵が多いため、黒い絵と呼ばれている。「我が子を喰らうサトゥルヌス」が有名。
X線写真を見ると、「大雄山羊(魔女の集会)」を除く黒い絵には元々風景画が描かれており、それにゴヤ自身がサトゥルヌスなど今日で黒い絵と呼ばれる主題の絵を描き重ねたことが判る(理由については諸説があり、はっきりとしたことは判っていない。)