黄銅
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黄銅(おうどう、brass)は、銅Cu と亜鉛Zn の合金で、特に亜鉛が20%以上のものをいう。真鍮(しんちゅう)と呼ばれることも多い。
銅と亜鉛の割合によって、次のように呼ばれる。
- 丹銅(たんどう):亜鉛が5~20%未満、赤みが強い。ゴールドブラスとも言う。
- 七三黄銅:亜鉛が30%。イエローブラスとも言う。
- 六四黄銅:亜鉛が40%、黄金色に近い黄色を示す。
亜鉛の割合が多くなるにつれて色が薄くなり、少なくなるにつれて赤みを帯びる。一般に亜鉛の割合が増すごとに硬度を増すが、同時に脆さも増すため、45%以上では実用に耐えない。
その他にも、被削性を高めるために鉛Pb を添加した快削黄銅や、錫(すず)Sn を添加し耐海水性を高めたネーバル(naval)黄銅(海軍黄銅とも言う)などがある。
適度な強度、展延性を持つ扱いやすい合金として、約350年ほど前から広く利用されるようになった。青銅に比べて歴史が短いのは亜鉛の沸点が約900℃と低く、開放式の還元法では単体が得られなかったからである。 日本で現在発行されている五円硬貨の素材もこの黄銅である。また、金に似た美しい黄色の光沢を放つことから金の代用品にもされpoorman's gold(貧者の金)と呼ばれ、日本の時代劇の小道具として使われる偽の小判も真鍮製のものが多い。日本では仏具、多くの金管楽器などに多用されている(金管楽器の別名であるブラス(brass)は黄銅の英名に由来している)。また安価で加工性が良い事から模型材料としても多く使われている。
[編集] 材料記号
銅合金として扱われ、材料記号は頭文字Cで始まる4桁記号で表記される。
- C2600:七三黄銅(銅が約70%、亜鉛が約30%)
- C2801:六四黄銅(銅が約60%、亜鉛が約40%)
- C3604:快削黄銅(銅が57.0〜61.0%、鉛が1.8〜3.7%、鉄が0.50%以下、亜鉛は残部)
- CAC201:黄銅鋳物1種
- CAC301:高力黄銅鋳物1種
[編集] 関連項目
- 洋白(銅と亜鉛とニッケルの合金)
- 青銅(銅と錫の合金)
- 白銅(銅とニッケルの合金)
- セバ屑(銅含有量が65%、亜鉛含有量が35%位の板の新くず)
- コーペル屑(銅含有量が60%、亜鉛含有量が40%位の板の新くず)