魔法の国ザンス
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魔法の国ザンス(まほうのくにざんす)シリーズはピアズ・アンソニイ (Piers Anthony) によって現在も書き続けられているファンタジー小説である。当初は3部作として開始されたが、好評であったために、9部作(32)、さらには27部作(33)の予定となり、そして現在は30作目を超えて続けられている。
物語の主な舞台となるのは魔法の国ザンス (Xanth)。魔法がない外部地域をマンダニア(Mundania)という。ザンスは半島状の陸地であり、作者が住むというマンダニアのフロリダ半島と似た海岸線を持つ。住人はみな、何か魔法の力を持っているか、魔法的な生き物であるのが原則である。しかし、魔法の力を持つ魔法的な生き物もいる。
またこのシリーズの大きな特徴は「駄洒落」である。駄洒落や語呂合わせがキャラクターや小道具、劇中の会話は言うに及ばず、作品の構造自体にも抜きがたく組み込まれている。
[編集] ザンスの成り立ち
ザンスの魔法の源は、地下に存在する魔王X(A/N)thである。魔法の粉塵村の住人がX(A/N)thの魔力を帯びた粉を撒き散らすことで、魔王から流出した魔力をザンス全体に広めている。一時、X(A/N)thがザンスを離れたときは、ザンス全域の魔力が消えてしまったこともある。
ザンスには、マンダニアと同じ動物は人間以外ほとんどいない。それは、世代を経るにつれ、セントール(ケンタウロス)、ハーピー、ゴブリン、ドラゴンのような魔法的な生き物になってしまうためである。植物も、パイ、靴、クッションのような特殊な実を作る木や、まじない消しの木や触手木のような魔法を持つ木に変化している。
上に述べた理由で、ザンスで人間という種が存続するためには、マンダニアからの移住とザンス人との混血が必要である。しかしながら、移住の歴史は必ずしも平和的ではなく、虐殺が伴ったこともあった。そのため、一時は結界を張って外来者を受け入れない時代もあった。
ザンスとマンダニアとの繋がり方は複雑であり、ザンスからはマンダニアの様々な時代・地域に移動することができる。例えば、ポエニ戦争(カルタゴ)の頃、19世紀、現代など。
[編集] 魔法使いとザンス王
ザンス人の魔法の力は、他の人の力と重なることは基本的にない。他の人よりも強い魔法の力を示す男性を魔法使いといい、女性の場合魔女と呼ぶのが過去の慣習であった。ザンスの王は、前の王の血族ではなく、魔法使いの中から選ばれる。現在は魔女とは女性の魔法使いであると定義が見直され、女性が王位に付くことも認められている。
- ハンフリー
- ハンフリーは昔の王であり、現在でも生存し、ザンスに影響を与え続けている「知識の魔法使い」である。彼は、ザンスの人や生物が抱える人生(怪物生?)上の難問について回答を与える。しかしながら質問者は、ハンフリーの元にたどり着くために3つの関門を突破し、回答をもらった後には1年間の奉公をしなければならない。
- ビング
- 第1作目の主人公。彼は魔法の力を示すことができないため、ザンスを追放されてしまった。しかし 実は隠れた魔法使い級の力があるのだが、その魔法の特殊性のために本人も気づくことができなかったのである。マンダニアとの境界部で、昔追放された邪悪な魔法使いトレントに捕らえられ、ザンスへの帰還に同行することになる。
- トレント
- ほかの生き物を変身させる魔法使い。変身させられたものは、魔法の力も変身後の生き物と同じとなり、心も影響を受ける。かつて、ハンフリーの後の王位を狙ったが、敵対する人を容赦なく変身させるという邪悪なことしたため、ザンスから追放された。マンダニア(19世紀フランス・アルル地方)で数年を過ごし妻子を得るが、彼らが亡くなった後、再びザンスに戻ってきた。
[編集] 作品リスト
第一部
- 1.「カメレオンの呪文」(A Spell for Chameleon):英国幻想文学大賞受賞
- 2.「魔王の聖域」 (The Source of Magic)
- 3.「ルーグナ城の秘密」(Castle Roogna)
- 4.「魔法の通廊」(Centaur Aisle)
- 5.「人喰い鬼の探索」(Ogre,Ogre)
- 6.「夢馬の使命」(Night Mare)
- 7.「王女とドラゴン」(Dragon on a Pedestal)
- 8.「幽霊の勇士」(Crewel Lye -A Caustic Yarn-)
- 9.「ゴーレムの挑戦」(Golem in the Gears)
第二部
- 10.「悪魔の挑発」(Vale of the Vole)
- 11.「王子と二人の婚約者」(Heaven Cent)
- 12.「マーフィの呪い」(Man from Mundania)
- 13.「セントールの選択」(Isle of View)
- 14.「魔法使いの困惑」 (Question Quest)
- 15.「ゴブリン娘と魔法の杖」(The Color of Her Panties)
- 16.「ナーダ王女の憂鬱」(Demons Don't Dream)
- 17.「名誉王トレントの決断」(Harpy Thyme)
未訳
- 18. Geis of the Gargoyle (1995)
- 19. Roc and a Hard Place (1995)
- 20. Yon Ill Wind (1996)
- 21. Faun & Games (1997)
- 22. Zombie Lover (1998)
- 23. Xone of Contention (1999)
- 24. The Dastard (2000)
- 25. Swell Foop (2001)
- 26. Up in a Heaval (2002)
- 27. Cube Route-Ay Adult- (2003)
- 28. Currant Events (2004)
- 29. Pet Peeve (2005)
- 30. Stork Naked (2006)
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