高橋信次
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
高橋 信次 (たかはし しんじ)
1. (1912年 - 1985年)
放射線医学の世界的権威。福島県二本松市出身。福島県立安達高等学校卒業。
[編集] 参考文献
- 岡田光治 『高橋信次―X線CTの先駆者』 ISBN 4860035003
2. (1927年9月21日 - 1976年6月25日
宗教家。GLA教祖。長野県佐久市出身。著書多数。
高橋信次(これからは略称で、「信次」と書きます。)は在世当時、宗教法人GLA教団の初代教主であり、高電工業株式会社社長、八起ビル管理株式会社社長、人道科学研究所所長等の数多くの肩書きを持っていた。 信次は、1927年9月21日に長野県・佐久高原に生まれ、陸軍幼年学校・士官学校を卒業して、航空士官として出兵し、終戦の45年に故郷である長野県に帰郷した後に、大学入学資格検定を受験し、主として日大理工学部で学んでいたという。また、一時期東京大学の大学院にて学んでいたとも言われているが、卒業資格を得る為の卒論が規格外れであった為に教授の失笑を買い、卒業資格を得る事が出来なかったと言う。大学在学中に事業を興すも失敗して、三度目に興した会社がハードウエアを開発する高電工業株式会社であった。 宗教家としての働きは著書に詳しいが、信次が10歳頃から現在で言う「幽体離脱」現象のような霊現象を経験するようになり、信次はその肉体の自分とは違う霊体の自分を「もう一人の自分」と称し、約三十二年間の間求道をして来た。そして1968年頃から本格的な霊現象が興るようになり、「ワン・ツー・スリー」や「フワン・シン・フワン・シンフォー」と名乗る霊からの通信を受け、それから、まもなくして信次は執着を捨てた心の安らぎのある境地に到達し、その後、それらの霊魂は後のGLAの教義で言う「守護・指導霊」であったと明かされたという。 「フワン・シン・フワン・シンフォー」と名乗る霊魂は、「守護霊」で、歴史上のイエス・キリストであり、また、「ワン・ツー・スリー」と名乗る霊魂は、「指導霊」で、歴史上のモーゼであったという。 その後、これらの霊からの指導を受けて本格的に悟りの境地に到達し、宗教家としての道を歩んで行き、やがて口コミで信次の教えを学ぼうという人々が集ってきて、それらの人々に対して自宅で教えを説いていたのだが、1969年の4月頃からそれらの人々が百人近くに膨れ上がった為に、当初は超音波温泉やサウナ風呂を開業しようと考えて着工していた都営浅草線・浅草駅近くの八起ビルを提供して、そこで教えを説くようになった。当時、信次はこの団体を称して、神の光を顕現する会という意味で、「神光会」と称していた。 そして、1971年8月に栃木県・出流山にて研修会を開いた際に、当時の大阪の霊友会系分派教団の「瑞法会教団」の信者が、信次のその研修会に参加して、それらの教えを聞いた結果、当時の瑞法会教団そのものが集団帰依するという形で、当時の神光会と合併し、その際に瑞法会教団が宗教法人格を取得している団体なので、宗教法人格を取得している団体と一般の団体が合併する場合、宗教法人格を残さないいけないという法律に則り、「宗教法人神光会」となった。その際に当時の「神光会」を国際化を考慮して英語名にし、その際の頭文字を取り、「GLA」になり、「宗教法人GLA」となった。また、瑞法会教団は「宗教法人GLA関西本部」となった。 このような既成の宗教団体が新興の団体に帰依するという事は、宗教学の視点から考えても非常に珍しい現象だという。GLAはこの集団帰依の結果、一気に信者が数万人単位に膨れ上がり、本格的な組織作りを求められる状況にあったのであるが、信次が組織を形成する事を嫌っていた為にはっきりとした組織つくりは敬遠されたという。 また、信次自身が自身の説いていた正法(GLAでは、信次の教えを「正法」、または「神理」と称している。また、これら以外にも「法」と訳したり、「正法神理」と重ねて言う場合もある。)を真に実践する事を常に怠らなかったという。実際に信次の講演会が地方で行われた場合等、講演会が終了した後に数時間にもわたって当時、信次が説いていた「八正道」という自身の考えなどを反省する「反省行」を実践していたという。これらの結果、信次はその教えを説きながらその一方で自身の宗教指導者としての霊的成長も見られたようである。 また、信次は当時、まれにみる稀代の霊能者で、歴史上の仏教の創始者「釈迦」の持っていたとされる六大神通力(天眼通・天耳通・他心通・宿命通・神足通・漏尽通)の全てとその最高の能力を持っていたとも言われている。例に上げれば、当時のGLAの信者・未信者を問わず訪れてくる人々の人生における過去の全てやその人がその時々に考えている事を全て言い当てたとされる。 また、宗教界の世界でよく見られる「道徳的善行」も常識を超えたもので、ホームレスの老人や知的障害を持ち身寄りの無い女性、ヤクザ者等の社会的に自立して生きていく事が難しいと思われる人々を無償で引き取り、自身の会社経営者としての収益で生活させていたという。後にはこれらの人々がかなりの数にのぼり、大家族のようであったという。 また、著作も数多く残しており、絶版になったものを含めると20冊近くになるようである。現在も大ベストセラーとして、大手書店にて取り扱われている。その中の一つである「人間・釈迦」シリーズ四部作(三宝出版社刊)は、仏教の開祖である釈迦の伝記であるが、釈迦伝としてはかなりの完成度であると各界からの評価も非常に高く、この著作を読んで「目から鱗が落ちた」、「涙が出る程感動した」と言い、そのままGLAの信者になった人々も数多くいたという。 また、信次は宗教家としては非常に珍しい考えを示した人で、自身の説く教えについても「疑いなさい。疑って、疑って、疑って、もうこれ以上疑う事が出来なくったものだけ信じなさい。」と言っていたという。また、「宗教を生活の糧にするべきではない」と言い、宗教活動による収益は一切取らず、高電工業株式会社の経営者としての収益で生活していた。それ所か、伝道活動や普段の教団の運営費の為に自身の経営者としての収益から生まれる私財を惜しみなく注ぎ込んだという。 このような宗教家としての活動だけでも高く評価される面があると思うが、会社経営をしていた高電工業株式会社は、エレトクトロニクス系のハードウエアを開発する会社で、信次自身が経営者であると同時にエンジニアとしての働きをしていた。その結果、数百件の特許を持っていたと言われている。科学者としても一流の才能を持っていたようである。 このような会社経営者としての働きをしながら、GLAの教主としても働き、同時に著作の執筆や講演会活動、また、信者・未信者を問わず訪れてくる人々の個人指導等が原因となり、睡眠時間は一日3~4時間という生活がたたり、1976年6月25日午前11時28分極度の疲労による肝臓と膵臓の悪化で亡くなったとされている。 信次が亡くなって今年(2006年12月現在)でちょうど30年が経つが、信次の教えが廃るどころかその信次の教えを学ぼうと有志的に集って活動しているグループも多々あり、また個人で信次の著作を読み、教えを実践している人もかなりの数に上るようである。実際にインターネット上で「高橋信次」と検索してもかなりの件数が出てくるし、数多くの信次関連の著作も出版されている。そうした意味で、信次の宗教界に与えた影響ははかりしれないものがある。あのオウム真理教の麻原も信次の教えに影響を受けたと言われているし、幸福の科学の大川隆法等も有名である。また、信次が創設したGLAやそれから分派した団体などを称して、GLA系諸教団と言われている。
「教え」
信次在世当時の教えは、仏教の開祖・釈迦の説いていた「八正道」 を軸に自身の心と行いを反省し、善なる中道に戻していくという事を説いていた。ここでの「中道」とは、大自然の法則であるとし、人間も大自然界の中で生きる存在としてその大自然に流れる法則に則った生き方が、苦しみ悲しみから解脱する唯一の道であると説く。神とは、大宇宙に篇満するエネルギーであり、法であり、無限の意志であり、また、仏教の世界でいわれる「仏・如来」とは、その神の意志なり法に触れて、人々を導いていく存在であると言う。そして、人間は誰彼の区別なく皆全てこの「神・仏の子」であり、誰彼の区別なく「仏・如来」の境地に到達出来るとする。その為の具体的方法論が先の「八正道」であり、反省行である。この八正道を実践する事により、人間は仏教で言う「宇宙即我」の境地に到達する事が出来るものとする。 また、キリスト教のイエス・キリストやユダヤ教のモーセ等も「光の指導霊」という名で呼ばれる高霊格の指導者で、その境地は釈迦・イエスキリスト・モーセが同じで、「上々段階・光の大指導霊」と呼んでいる。また、生命の転生輪廻を説き、人間はこの世で生まれる前と死んだ後に俗にいう「あの世」に行くとされる。この世での各人の心と行いの調和度により、死後の行くべきあの世の姿が変わると言う。俗に言う天国に行くか、地獄に行くかはこの世での各人の生活行為に原因があると言う。また、俗にいう天国の世界を「天上界」と称し、その中でも様々な心の境涯による区分けがあり、一番の高霊格が先の釈迦やイエスの境涯である「第九次元宇宙界」と呼ばれる境涯である。 人間は皆、この「実在界」と呼ばれるあの世から出生して、「現象界」と呼ばれるこの世で生活をして、死後また、実在界に還る転生輪廻を永遠に繰り返すと言う。その人生の目的は、自身の魂の調和とこの世を仏国土・ユートピアにする事であると言う。
[編集] 参考文献
- 上之郷利昭 『教祖誕生』 (『新潮45』初出の「やっぱり出たコンピューター教祖」を収録) ISBN 4103670010 ISBN 4061857398
- 沼田健哉 『現代日本の新宗教―情報化社会における神々の再生』 ISBN 4422140159
- 園頭広周 『現代の釈尊高橋信次師とともに―信仰の指針』 (高弟の手記) ISBN 4915582019 ISBN 4915582272
- 木下俊雄 『人生逆転の瞑想法―運命を変えた霊能力者との出会い』 (初期信者の手記) ISBN 4872180445
- 菅原秀 『誰も書かなかった高橋信次―光の求道者』 (初期信者の手記) ISBN 4938660466
- 林家木久蔵 『木久蔵の心霊教室―不思議を訪ねて』 (会見記を収録) ISBN 4806311219
- 佐藤正忠 『信仰は力なり』 ISBN 4766701917
- 高橋信次著・『心の発見』