音痴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
音痴(おんち)とは、音感が無いか劣る人を言う。
実際には声帯の訓練を受けていない人がカラオケなどで歌っても、正確な音程をとれるようになるのは難しい。この場合、主に微分音単位でのズレが見られるが、素人の歌としては常識的に許容される範囲で、一般的には音痴とは呼ばない。ところが稀にこの誤差を遥かに超越した音程のズレを伴って歌う人がおり、誰の耳にも明らかに不協和に聞こえる事からその人は音痴と呼ばれる。またリズムを合わせるという感覚が鈍い人もおり、歌っている途中でどんどんずれて早くなったり遅くなってしまう場合も見られる。
最も有名な例は、さる大富豪の婦人がオペラファンで、オーケストラを雇って自分の素人歌声を録音したCDが1990年代に発売された。しかしあまりの音痴ぶりに冗談音楽として流通した経緯がある。ちなみに、歌ったナンバーはモーツアルトの魔笛から『復讐の炎は地獄のように我が心に燃え』であった。
音痴は訓練で克服できる場合が大半だが、まれに音感がない(耳で聞いた音程を声で再現することが出来ない)人もいる。一種の病気(異常)であり、このタイプの音痴は直すことができないと言われる。有名人では俳優のジェームズ・ディーンがこのタイプだったと言われている。
転じて、音の認識に限らず特定の能力が劣る人に対しても使う。例えば、味覚に対しての味音痴、東西南北等方角把握能力に対しての方向音痴、運動能力に対しての運動音痴等。