鞆駅
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鞆駅(ともえき)とは、かつて広島県内で営業していた軽便鉄道の鞆鉄道(営業期間:1913年~1954年)の終着駅である。鞆の市街地の北側の入り口に位置していた。
なお、鞆鉄道は晩期には自社バス路線によって経営が圧迫され朝夕のみの運行になっていたが、これはバスの鞆側ターミナルが市街地の中心地に位置しており、駅よりも利便性に優れていたことも鉄道路線廃止の原因のひとつである。ほかにも当初営業の目的であった鞆の港で荷揚げされる鉄道貨物輸送が港の地盤沈下によって振るわなかったことも指摘されている。
なおバスターミナルは2005年春に敷地内に土産物店が新規に作られたが、鞆駅ともども鉄道を記念するものは一切設置されていない。
[編集] 現状
跡地は、鉄工工場の敷地とバスの回転場などの広場になった。また旧鉄道路盤も県道の拡幅工事によって痕跡は消滅している。
そのためかつての駅の痕跡は廃止から半世紀が経過しており、鉄道を記念するモニュメントも一切存在しないため、ほとんど確認することはできない。バス停の名称は「鞆車庫前」であり、敷地内の片隅に標識がある。その標識と屋根の下に、わずかに駅舎の改札口の基礎の残存が確認できる程度である。