非肺臓気流機構
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非肺臓気流機構(ひはいぞうきりゅうきこう)とは、言語音を作るための気流の起こし手が肺臓以外のものである方法をいう。喉頭を動かして気流を起こす喉頭気流機構と軟口蓋と舌で気流を起こす軟口蓋気流機構がある。
[編集] 喉頭気流機構
- 喉頭全体を上に動かすことによって口腔内の空気の圧力が高められ、外との圧力差によって口腔内の閉鎖が開放され、気流が中から外へと生じる。これによって作り出される子音を放出音という。調音方法には破裂音と摩擦音がある。
- 喉頭全体を下に動かすことによって口腔内の空気の圧力が低められ、外との圧力差によって口腔内の閉鎖が開放され、気流が外から中へと生じる。これによって作り出される子音を入破音という。調音方法は破裂音のみである。
[編集] 軟口蓋気流機構
後舌面と軟口蓋で閉鎖を作ると同時に軟口蓋より前のどこかで閉鎖を作ることによって空気を閉じこめ、その後、舌の中央を後ろにずらして後ろの閉鎖位置を後方にずらすと、閉鎖内の気圧が下がって、外との圧力差によって前の閉鎖が開放され、気流が外から中へと生じる。これによって作り出される子音を吸着音という。キスの音や舌打ちをするときの音なので、舌打ち音ともいわれる。気流が舌の中央を通る(中央的)吸着音と舌の両脇を通る側面吸着音がある。