電束密度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
物理学 |
ウィキポータル 物理学 執筆依頼・加筆依頼 |
カテゴリ |
物理学 - (画像) |
ウィキプロジェクト 物理学 |
電束密度(でんそくみつど、Electric displacement field)は、物質中の電場の状態を記す際に用いて分極(誘電分極)を含んだ形ものを指し、次のような式で表わされる。
ここで、
: 真空の誘電率 | |
: 電束密度 | |
: 電場 | |
: (誘電)分極 |
である。
多くの物質では、分極 P は電場 E に比例するとみなすことができる(線形応答)。その場合、P ≡χeε0 E と書くと
となる。ここで εr≡1+χe, ε ≡εeε0 とおくと
となる。
χe | : 電気感受率 |
:比誘電率 | |
:誘電率 |
と呼ばれる。
物質によっては、分極 P が電場 E に比例せず、非線形の項が現れることがある。そのような物質に光を当てると非線形光学効果を示す。また、異方的な物質では、分極 P が電場 E と異なる向きに生じ、誘電率 ε がテンソルになる。詳細は誘電率を参照されたい。
[編集] 定義
真空中においては、
という関係式が成り立っている。しかし、巨視的な物体中においてはこの関係式は成り立たない。そのため、
という関係を満たす量として電束密度 D を定義したのである。従って電場と電束密度は似たような関係式を満たすが、異なる物理量である。また同様に誘電率 ε も電場と電束密度を結ぶ単なる比例定数ではなく次元を持った物理量である。 真空中においては、
である。 多くの場合、
という関係で置き換えられ、電束密度が用いられることは少ない。
カテゴリ: 電磁気学 | 物理量 | 自然科学関連のスタブ項目