集団
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集団(しゅうだん)とは、個人の対概念で、複数の人間の集まりを指す。単に人の集まりであるだけでなく、相互に関係を持ち合い、従って相互の振るまい方を規制し合うような個人の集まりである社会勢力をいう。
すべての集団は必ず目的を持ち、「目的と目標を共有していること」・「目的と目標達成の為に互助しようと努力していること」・「役割の分担が集団の中に定められていること」・「振る舞い方の一定の基準が存在すること」・「仲間意識があること」などは集団(group)と呼ばれるものの一般的な特徴である。
そのような特徴を持つが故に、集団には個人の気侭な単独行動を抑制し、一定の枠の中にメンバーの行動を同質化しようとする働きがある。
[編集] グループにおける一要因
- 集団凝縮性(group cohesiveness)
- 集団メンバーに対して集団に留まり続けるよう働きかける総ての力を凝縮したものであり、働きかける力には、集団帰属感や満足感、構成する個々の人員への心理的こだわりなどがあげられる。その集団は通常においては「まとまり」がある集団とされる。
- 集団圧力(group pressure)
- 集団メンバーの考え方や志向、行動、好みなどを似通ったものあるいは同一にするよう働きかける力、従って集団が行使する「斉一性への強い圧力」をいう。
- 集団目標とリーダーシップ(group goal and leadership)
- 集団が望む、望ましい状態へと方向づける目標を「集団目標」と呼び、それがすみやかに達成されるように援助する行為を「リーダーシップ」という。
- 集団規範(group norm)
- 特定の集団の中でそのメンバーが主に共有する判断の枠組みをいう。通常は明確な集団的な規範には強力な集団圧力が伴う。
- 政党・企業などの構成員は、集団の目的に賛同して加入するものであり、内部軋轢は比較的少ないとされるが、集団規範が存在するために社内的には暗黙の了解がある。1930年のシカゴのホーソン工場(ウェスタンエレクトリック会社の系列工場)において一年間心理学の研究者が観察した実験の結果、事実が明らかになった。現在でも産業界ではこの研究の一部が参考にされている。
[編集] 集団_(軍隊)
軍隊において、集団の語を用いる。海上自衛隊自衛艦隊の隷下に航空集団が置かれている。
- 近代陸軍の編制を参照。