関東鉄道キハ0形気動車
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キハ0形気動車は、関東鉄道が保有する気動車の一形式。ここでは同系のキハ310形気動車についても記す。
[編集] キハ0形
取手駅~水海道駅複線化による増発に伴い、1984年(昭和59年)に日本国有鉄道(国鉄)のキハ20形の機関、足回りなどを流用し、新潟鉄工所(現:新潟トランシス)で車体を新製して登場した。関東鉄道では初めて、2両固定編成とされ、4本(8両)が製造された。
車体は片側両開き3扉、座席はロングシートで、当初より前面の貫通扉上部に行先方向幕を装備しているのが特徴。
また、キハ001のように車番が0から始まっているのも他車には見られない特徴である。(キハ007の登場に際しては一部ファンの間で話題になったこともあった。)
当初は非冷房であったが、1996年(平成8年)に冷房化され、キハ2100形と同じ形式のエンジンに換装されている。
[編集] キハ310形
1976年(昭和51年)より沿線の宅地化による乗客増に応えるため、国鉄よりキハ10系気動車を譲受の上、大栄車輌、新潟鉄工所において片側運転台、片側両開き3扉、ロングシートの新製車体に載せ換えるなどの改造を施して投入された気動車である。上述のキハ0形と同様の製作方法がとられているが、こちらは改造車扱いで、種車の車籍を引き継いでいる。
また改造時に台車をキハ10系の標準台車であるDT19からキハ20系と同じDT22に振り替えも行われている。(一部は国鉄時代に振り替え済み)
また当初は、前面の行先表示器がない、側扉がキハ0形のステンレス製の大窓に対して、鋼鉄製の小窓になっているなど、細部にキハ0形との差異が見られたが、後の冷房化および機関更新工事により、行先方向器の設置、それに伴う前照灯の移設および側扉の交換が実施されたことによって、現在ではキハ0形との差異はほとんど見られなくなっている。
また現在までに上記のようなさまざまな改造により車体、エンジン、台車などほとんどの部品が入れ替わっているため、種車の面影は皆無に等しくなっている。
8両が製作されたが、キハ311,キハ312(大栄車輌製)が廃車されたことにより、現在は、新潟鉄工所製のキハ313~318の6両が在籍している。 キハ0形と異なり、1両単位で運用されていたため以前は2両編成時でも別形式と編成を組むことも多かったが、現在は全車がキハ0と同じく、同形式の2両固定編成で運用されている。