野麦峠
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野麦峠(のむぎとうげ)は、岐阜県高山市と長野県松本市の県境に位置し、飛騨国と信濃国を結ぶ鎌倉街道・江戸街道と呼ばれる街道の峠。乗鞍岳と鎌ヶ峰の間にあり、標高1672m。長野県道・岐阜県道39号奈川野麦高根線が通っている。
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[編集] 概要
古来から野麦街道があり、能登で取れたブリを飛騨を経由して信州へと運ぶ道筋であった。信州では飛騨ブリとして珍重され、能登では1尾の値段が米1斗であるものが、峠を越えると米1俵になると言われた。
明治の初めから大正にかけて、当時の主力輸出産業であった生糸工業で発展していた諏訪地方の岡谷へ、飛騨の女性(多くは10代の少女)が女工として働くためにこの峠を越えた。この史実は1968年に発表された山本茂実(やまもと・しげみ)の小説『あゝ野麦峠』で全国的に有名になった。
北に乗鞍岳、南に御嶽山が望まれ景観が素晴らしい。
乗鞍岳の北を越える安房峠(国道158号)に安房トンネル(中部縦貫自動車道の一部)が開通したことから、高山と松本を結ぶ交通路としての役目はすでにない。また木曽方面へも鎌ヶ峰の南の長峰峠(国道361号)が主要道路となったので、現在は観光道路としての往来が主である。
[編集] 峠名の由来
峠に群生する熊笹が十年に一度、麦の穂に似た実を付けることがあり、土地の人に「野麦」と呼ばれていたことによる。凶作の時にはこの実を採って団子にし、飢えをしのいだ。
[編集] 関連項目
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