豊稔池ダム
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豊稔池ダム(ほうねんいけ-)は、香川県観音寺市にある現存する日本最古の石積式マルチプルアーチダム。1997年(平成9年)、国の登録有形文化財(土木構造物)に登録されている。 讃岐山脈から流れ出る柞田川を上流で堰き止め、柞田川の左岸に広がる水田を潤している豊稔池ダムは、度重なる大干ばつへの対策として1926年(大正15年)着工され、1930年(昭和5年)に完成した。このとき、地元住民による組合が部分請負が工事にあたり、延べ15万人による人海戦術により約4年の短期完成を実現するという地元が一体化した公共事業であった。ダム補修工事により上流部はコンクリート補強されているが、下流部には当時の古い石積みが現存している。
多連式アーチダムとしては、宮城県仙台市の大倉ダム(二連式)を含め、全国に二つしかなく、当時米国で最新技術あったマルチプルアーチが適用されるなど土木史、ダム技術史を語る上においても貴重な建造物である。
ユル抜き行事(毎年7月中旬から下旬)の際には、そのヨーロッパの古城を思わせる概観と勢いよく流れ出る放水の絶景に多くの人が訪れる。またダム周辺は、「豊稔池遊水公園」として整備されている。旧大野原町の五木ひろしの歌う大野原音頭では…里をうるおす豊稔池の、石積堤は城のよ~う、城のよう…と歌われている。
2006年10月、国の文化審議会は、このダムが含まれる豊稔池えん堤を重要文化財(建造物)に指定するよう、伊吹文明文部科学相に答申した。
目次 |
[編集] 歴史
- 1920年(大正9年) 大干ばつ
- 1924年(大正13年) 大干ばつ、農民一揆
- 1926年(大正15年) ダム着工
- 1930年(昭和5年) ダム竣工
- 1988年(昭和63年)ダム補修工事着工
- 1994年(平成6年) ダム補修工事完了、「豊稔池遊水公園」として周辺を整備。
- 1997年(平成9年) 国の登録有形文化財(土木構造物)に登録される。
- 2004年(平成16年) 台風被害により周辺道が一部寸断。
[編集] データ(大正期)
- 堤高 : 32.3m
- 堤頂長 : 158.4m
- 堤体積 : 21,000m³
- 総貯水容量 : 1,590,000m³
- 有効貯水容量 : 1,590,000m³
- 流域面積 : 9.9km²
- 湛水面積 : 16ha
- 利用目的 : 灌漑
- 事業主体 : 香川県
- 施工業者 : 豊稔池土地改良区
- 着工年 : 1926年
- 竣工年 : 1930年
[編集] 用途
- 観音寺市内の600ヘクタールに潅漑用水。また洪水調整ダムとしての側面ももつ。
[編集] アクセス
- JR四国観音寺駅から車で約20分。
- 高松自動車道大野原ICから車で約15分。
- 周辺道路:香川県道・愛媛県道9号大野原川之江線
[編集] 行事・祭事
- 水神宮例祭
- ユル抜き行事(毎年7月中旬から下旬)。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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