被災者
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被災者(ひさいしゃ、英:Victim)とは、災害にあった人(人々)のことである。
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[編集] 概要
被災者とは、地震・台風等の天災や、事故・事件等の人災にあった人(人々)のことである。ただし、事件や事故の場合は被害者と呼ばれて、被災者と区別されることが多い。
[編集] 被災者の分類
1970年8月17日のペルー地震の被災者を研究したS・W・ドゥダシクの著書『 Victimization in natural disaster. Disasters(災害の中の被災者と災害)』(1980年発行)の中において、被災者は、以下の4つのグループに分類されている。
- 一次被災者(Primary victims)
- →災害の影響により何らかの損失等を受けた人(または人々)
- 近接被災者(Context victims)
- →災害の影響または結果によって、直接・間接的に影響を受けた人(または人々)
- 周辺被災者(Peripheral victims)
- →被災地域と強い関係を持ち、その結果として影響を受けた人(または人々)
- 進入被災者(Entry victims)
- →被災地に外部から集まってきた人(または人々)
たとえば火災の場合、"火災で家を焼かれた人"は一次被災者となり、"火災の影響は受けなかったが、災害後の臭気等に悩まされる隣家"は近接被災者、"その家に縁を持つ近親者"は周辺被災者となる。また、"消火活動をする人"は進入被災者になりうるのである。
これに対して、ニュージーランドの精神医学者A・J・W・タイラーとA・G・フレイザーは、もっと細かい分類をしている。2人の場合近接被災者から進入被災者を、二次被災者から四次被災者としていて、四次被災者以降に五次被災者と六次被災者を設けている。五次被災者は、災害に関与していなくても精神的に苦痛を感じる人(または人々)。六次被災者は、直接的な被災を免れたが間接・代理的に災害に災害に関与した人(または人々)。となっている。
先ほどの例に当てはめると、五次被災者は"テレビ中継などで火災現場を見て不快な感情を持った人"、六次被災者は"火災の原因が外部にあり、その原因を作った人"であると言える。
以上のことから、被災者と外部との境界線を見つけることが難しいことが分かる。また、救援者やボランティアも被災者になることがあり、一概に被災者を災害の中心にいた人といえない。
[編集] 出典・関連書籍
- 災害の襲うとき -カタストロフィの精神医学- (原題:When Disaster Strikes) みすず書房 著者:ビヴァリー・ラファエル(Beverley Raphael) 訳者:石丸正 書籍情報: ISBN 4622036320