虎よ、虎よ!
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虎よ、虎よ!(とらよ、とらよ!、The Stars My Destination)は、アルフレッド・ベスターが1956年に発表したSF小説。アレクサンドル・デュマ・ペールの小説『モンテ・クリスト伯』をモチーフとした壮大な復讐譚である。 邦題は作品の原題であるTiger! Tiger!から取られている(さらにこれはウィリアム・ブレイクの詩『虎よ!虎よ!(The Tyger)』から)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
24世紀、人類には精神感応移動能力(テレポーテーション。研究者の名をとってジョウント効果と呼ばれた)があらかじめ備わっている事が明らかになり、それは人々の生活の変貌と内惑星連合と外衛星同盟との戦争を引き起こした。
25世紀、プレスタイン財閥の宇宙船「ノーマッド」は、火星と木星の中間地点で爆撃を受け、漂流していた。ノーマッド号の唯一の生存者であるガリバー・フォイルは救助を待ち続け、170日間もの孤独な日々を耐えていた。
171日目に、同じプレスタイン財閥所有のV級輸送艇「ヴォーガ」がノーマッド号に接近する。フォイルは救助信号を発信し続けるが、ヴォーガはそのままノーマッド号を見捨てて飛び去ってしまう。
フォイルはその後、サーガッソ小惑星群に住む科学人(前世紀の科学調査団の末裔)たちによって救助されるものの、顔全体に虎のような模様、額にN♂MADという、消える事の無い刺青を彫られてしまう。科学人の小惑星を破壊し、彼らの居住空間として使用されていたロケット艇で脱出したフォイルは、火星の軌道外9000マイルの地点で内惑星連合の宇宙海軍に救助される。
地球への帰還を果たしたフォイルは、彼とノーマッド号を見捨てたヴォーガの乗組員、そしてプレスタイン財閥への復讐を誓い、行動を開始する。
[編集] SF設定
この作品で使われたジョウントや加速装置の設定は、後に様々なメディアで登場した(詳しくは各項目参照)。
[編集] 映像化
2004年、ゴンゾの前田真宏はこの作品をアニメ化しようとしたが、著作権の関係で果たせず、原作のアニメ化作品『巌窟王』を制作した。しかし、宇宙を舞台にした設定や主人公の顔に刺青のような紋様が浮き出るなど、この作品のモチーフはいくつか残っている。
[編集] 雑知識
登場人物たちの名前はイギリスの都市から取られている。