薔薇物語
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薔薇物語(ばらものがたり Roman de la Rose)は中世13世紀フランスの寓意的な物語である。1230年頃にギヨーム・ド・ロリス(-1240年)が書いた本編と、1270年頃にジャン・ド・マンが書いた続編がある。
異教的な内容であるが、様々な知識・教養を盛り込んだ百科全書的な恋愛作法の書として広く写本で伝えられ、大きな影響力を持った。
- 本編
- 詩人が夢の中でばらに恋をする物語に、儀礼、歓待、理性、純潔、危険、恐怖、嫉妬などが擬人化されて登場する。宮廷恋愛、騎士道恋愛の伝統的な作法に沿った内容になっている。
- 愛の庭園を訪れた詩人が、愛の神の放った矢に射られ、ばらに恋をする。番人たちが邪魔をするが、困難を乗り越え、詩人がばらに口づけすると、ばらは閉じ込められてしまい、詩人は嘆く。
- 続編
- 本編の続きという体裁を取っているが、騎士道の恋愛観に批判的な内容であり、思想的には大きく異なっている。
- 愛についての長い議論の後、愛の神の軍がばらの城を攻撃し、占領する。
[編集] 邦訳
- 薔薇の物語(大学書林、1988年)本編のみ
- 薔薇物語(未知谷、1995年)
- 薔薇物語(平凡社、1996年)
- 中世英語版 薔薇物語(南雲堂フェニックス、2001年)ジェフリー・チョーサー訳といわれるもの