英愛条約
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英愛条約 (The Anglo-Irish Treaty) はアイルランド独立戦争の休戦条約としてイギリス政府とアイルランド共和国(暫定政府)との間に結ばれた条約をさす。大英帝国内の自治国としてのアイルランド自由国の建国が取り決められた。1920年に制定されたアイルランド統治法により成立していた北アイルランドの帰属については北アイルランド自身の決定にゆだねられた。
条約は1921年12月6日ロンドンにおいてイギリス政府の代表と超法規的なアイルランド共和国暫定政府の代表により調印された。条約の履行にはアイルランド独立派の設立した議会とイギリス政府が設立した南アイルランド議会、イギリス議会の批准が必要とされた。アイルランド国内では条約の賛否を巡り激論が起き、議会では小差で批准された。条約は正式に履行されることになったものの、アイルランド国内の対立はアイルランド内戦の原因となった。
アイルランド自由国はドール・エレンと英国議会において起草された自由国憲法を基に、1922年12月6日イギリス国王の勅書により建国された。
目次 |
[編集] 条文
主要な条文は:
- イギリス陸軍はアイルランド島から撤退する
- アイルランド島にはカナダやニューファンドランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ連邦と同様の大英帝国統治下の自治国が建国される
- 他の自治国と同様に自由国の元首 (Saorstát Éireann) にはイギリスの元首をあて、総督により代表される
- 自由国の国会議員は自由国およびイギリス国王ジョージ5世および彼の後継者に忠誠を誓う
- 1920年のアイルランド統治法により設立された北アイルランドには条約が発効した後1ヶ月内であれは自由国から脱する権利を与える
- 北アイルランドが自由国への統合を望まない場合はアイルランド国境制定委員会が自由国と北アイルランドの国境を策定する
- イギリスはその安全保障の一環としてアイルランドの幾つかの港をイギリス海軍統治下におく
- アイルランド自由国は大英帝国の一員としての責務を負う
- この条約はアイルランドの法に超越する : 1922年アイルランド自由国憲法との整合性については前者を優先する
![アーサー・グリフィスにより注釈が付された条約の草稿](../../../upload/shared/thumb/2/21/Anglo-Irish_Treaty_Griffith_annotated2.gif/180px-Anglo-Irish_Treaty_Griffith_annotated2.gif)
アーサー・グリフィスにより注釈が付された条約の草稿
[編集] 会議参加者
条約の作成に関与したのは次の人物
- デビッド・ロイド・ジョージ
首相 イギリス側代表
- 初代バーケンヘッド伯爵フレデリック・エドウィン・スミス
- ウィンストン・チャーチル
植民地相
- オースティン・チェンバレン
- ゴードン・ヘワート
- アーサー・グリフィス
アイルランド側使節の代表
- マイケル・コリンズ, TD
(アイルランド共和国暫定政府の財政大臣、アイルランド共和同盟(IRB)のリーダー
- ロバート・バートン
- イーモン・ダガン
- ジョージ・ギャヴァン・ダフィ
[編集] 参考
- フィアナ・フォール
- フィン・ゲール
- アイルランド内戦
イギリス、アイルランド間に結ばれた条約としては
- リメリック条約 (1691年)
- サニングデール協定 (1973年)
- アングロ・アイリッシュ協定 (1985年)
- ベルファスト合意 (1998年)
[編集] 外部リンク
- 英愛条約 条約全文 アイルランド公文書館より
- 条約への賛否を巡るアイルランド議会における論議の記録