緘黙
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緘黙(かんもく)は、言葉を発する能力を有していながら言葉を発しなくなる状態のこと。治療の対象となる場合、緘黙症とも呼ばれる。
子どもに多く見られ、なんらかのストレスや対人関係にかかわるようなトラウマが背景にあると推測されている。大脳の言語中枢の器質的原因によって発話能力に障害を来たす失語症とはまったく別のものである。
生活の全ての場面において喋れなくなるケースを全緘黙といい、戦争体験や犯罪の目撃など、心理的ショックをきっかけとすることが多い。それに対して生活の場面を選んで緘黙になるといったケースを場面緘黙症/選択性緘黙といい、数としてはこちらの方が圧倒的に多いと思われる。多くの場合は、学校では喋れなくなるということがある。また、特定の言葉、語彙を選んで緘黙になるというケースも稀にある。
自分の胸のうちを語る言葉を出せないだけでなく、自分の生身の肌も外に曝せなくなるということもあり、マスク、サングラス、手袋などで肌を覆い隠すといったケースもこれに関連して出てくることもある。 その場で動けなくなるなどといった緘動という症状が出る場合もある。