算木
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算木(さんぎ)は中国数学や和算で用いられる計算用具である。長さ一寸余りの材で、盤上に並べて数を表し、配列を動かすことで四則演算・開平・開立などの計算ができる。1から5まではその数だけ算木を並べ、6以上は1本で5を代表させた。さらに桁によって算木を置く向きを変え、縦式によって奇数桁(一・百・万…の位)を、横式によって偶数桁(十・千…の位)を示し、アラビア数字のように横へ並べることで数字を示している。算盤は位取りが混乱しないように格子状に区切られていた。なお0はその場所に算木を置かず空けておくことで示した。中国の戦国時代にはすでに算木を使っていたという記事が見られ、以後、13世紀に算盤が使われるようになるまで算木による計算が主流であった。江戸時代には専ら高次の代数方程式を解くために用いられた。
[編集] 易占用の算木
易占で用いられる算木は、算術用のものより大型で、2寸~3寸程度。6本を組にし、出た卦を即席に記録・表示するのに用いる。 角材の4面のうち、連続した2面の中央に浅い彫り込みがあり、陰爻を示す。両端に八卦の漢字が書かれたものもあり、この書き込みは本筮法、中筮法で用いる。
[編集] 易者のシンボル
算木で表示した卦を意匠化したマークが、しばしば易占いの商標のように用いられる。古くは恋愛を表す咸が、近代に入ってからは開運を表す泰が使われている。