移籍金
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移籍金(いせききん)とは、プロスポーツ選手が所属チームとの契約期間中に所属チームを変更(移籍)するにあたり、移籍先の新チームから元所属チームに対して支払う金額のことである。選手が契約期間中に所属チームを移籍するので、違約金と同じものである。なお、契約期間外の移籍や、戦力外通告された選手が移籍しても、移籍金は発生しない。
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)では、選手の保有権を完全に譲渡する際に年齢に応じて契約金に移籍係数の数字をかけた金額を移籍先チームから元所属チームに対して支払うことになっている。プロ野球のような、金銭の代わりに選手を譲渡すること(交換トレード移籍)はない。
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[編集] システム
移籍金の金額は、平均基本報酬に以下の移籍係数を乗じた額とする。
移籍金=平均基本報酬×移籍係数
[編集] 平均基本報酬
平均基本報酬=(X+Y+Z)÷3
X:移籍元クラブにおける今期の基本報酬(年額)
Y:移籍元クラブが申し出た来期の基本報酬(年額)
Z:移籍先クラブが申し出た来期の基本報酬(年額)
[編集] 移籍係数表
J1をカテゴリ1(C1)、J2をカテゴリ2(C2)、JFLをカテゴリ3(C3)とする。
全カテゴリからC1への移籍(J1,J2,JFL→J1への移籍)をパターンA
C2,C3の同カテゴリ間、及びC3からC2への移籍(J2,JFL→J2、JFL→JFLへの移籍)をパターンB
上位カテゴリから下位カテゴリへの移籍(J1→J2,JFL、J2→JFLへの移籍)をパターンC
とすると、
パターン | A | B | C |
---|---|---|---|
16~22歳未満 | 10 | 9 | 2.5 |
22~25歳未満 | 8 | 4 | 2 |
25~28歳未満 | 6 | 3 | 1.5 |
28~30歳未満 | 4 | 1.5 | 0 |
30歳以上 | 0 | 0 | 0 |
[編集] 移籍係数0の対象年齢の扱いについて
- 2001年度までは移籍係数0(即ち移籍金がかからない)の選手の対象は満年齢33歳以上の選手が対象だった。ところがベテラン選手の活躍の機会を出来るだけ増やそうという観点から、2002年度より段階的に1歳ずつ引き下げ、2004年度からはその対象を満年齢30歳以上の選手を対象とすることとなった。なおこれはとりあえず2006年度まで実施し、その後は改めて検討することとなる。
[編集] レンタル移籍について
- レンタル移籍の場合は、選手の保有権(パス)は元所属チームがそのまま保有するため、移籍金はかからないが、その代わり選手の身分を一定期間保有するためのレンタル契約金を元所属チームに支払うことが義務付けられている。(その項参照)
[編集] その他
しかし、海外リーグではこのような面倒な計算はない。選手個人にクラブが値段をつけ、交渉を行う。したがって、若くても才能豊かな選手が破格の移籍金で移籍することもあれば、絶対に移籍してほしくない選手には所属クラブが(移籍金200億など)法外な移籍金をかけることもある。