真珠の耳飾りの少女
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『真珠の耳飾りの少女』(しんじゅのみみかざりのしょうじょ、オランダ語:Het meisje met de parel )は1665年頃に描かれたヨハネス・フェルメールの絵画であり、フェルメールの代表作。『青いターバンの少女』とも呼ばれる。オランダのハーグのマウリッツハイス美術館にある。「北のモナ・リザ」「オランダのモナ・リザ」と言われることもある。
[編集] 概要
フェルメールの生涯と作品については、わずかなことしか分かっていない。この絵画には「IVMeer」というサインがあるが、日付はない。注文を受けて描かれたのか、誰から注文を受けたのか、ということも不明である。いずれにせよ、おそらく伝統的な肖像画ではない。フェルメールは、少女が誰かに気付いて振り返った一瞬を捉えようとしたのであろう。この少女が誰なのかは不明だが、フェルメールの娘の一人マリアだと考えられる。
Victor de Stuersはフェルメールの希少な作品が海外に流れるのを防ごうとしてきたが、A.A. des Tombeは彼の意見に従い、1881年にハーグのオークションでたった2ギルダー30セントでこの絵を購入した。当時はこの絵の状態は非常に悪かった。Des Tombeには相続人がいなかったため、この絵をほかの絵画と一緒にマウリッツハイス美術館に寄贈した。
1937年、収集家アンドリュー・メロンは、この絵と非常によく似た絵で、フェルメールの作品と思われたものをワシントンD.C.のナショナル・ギャラリーに寄贈した。その絵は現在では贋作と考えられている。フェルメールの専門家Arthur Wheelockは、1995年の論文でTheo van Wijngaardenの手によるものと主張している。Theo van Wijngaardenは20世紀の画家で悪名高い贋作家であり、さらに悪名高いハン・ファン・メーヘレンの友人であった。
- 参照:Vrij Nederland (magazine) (February 26 1996), p. 35–69.
[編集] 小説
小説『真珠の耳飾りの少女』は、アメリカの作家トレイシー・シュヴァリエがこの絵から着想を得て書き上げたもの(白水社刊、ISBN 4-560-07146-2)。この絵のモデルとなった少女とフェルメールの関係を描く。フィクションであるが、まるで実話のように書かれている。
[編集] 映画
上記の小説を2003年に映画化したもの。アメリカ・イギリス・ルクセンブルクの合作。監督はピーター・ウェーバー。小説版とは結末が少し異なっている。出演はフェルメール役コリン・ファース、少女役にスカーレット・ヨハンソン。
- 詳しくは『真珠の耳飾りの少女 (映画)』を参照
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