男たちの挽歌
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『男たちの挽歌』(英雄本色)は、1986年制作の香港映画。監督はジョン・ウー、主演の一人であるチョウ・ユンファはこの作品が出世作となった。
今までコメディやカンフー映画が主流だった香港映画界に、"香港ノワール"とも呼ばれる新しい流れを作った記念碑的な作品である。昭和40年代から50年代にかけて量産された日本のヤクザ映画を彷彿させる内容、激しいガンアクションや火薬を大量に用いた爆発シーンは話題を呼び、香港のみならず、アジア各国でも大ヒットした。
この人気によりシリーズは計4本、制作された。しかし、「狼 男たちの挽歌・最終章」「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」は監督と主演が同じだけでシリーズとは関連性のない、日本で勝手に同じタイトルがつけられたもの。
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[編集] ストーリー
香港マフィアの幹部、ホーは父の病気をきっかけに闇社会から足を洗おうと決意。しかし、父が陰謀によって殺され尊敬する兄が香港マフィアと知った警官の弟、キットは激怒し、それまで仲の良かった兄弟は一気に亀裂を見せ始める。 そんな時、ホーの親友マークは報復のために乗り込んだレストランで足を負傷し、今では雑用以下の扱いを受けるほど落ちぶれていた。そして元は後輩だったシンがマフィアで権力を握るようになり、自分の敵となる人物たちの粛清を始めた。その手始めに組長が殺された。現状を知ったホーは弟との絆、親友との友情のためにマークと共に銃を手に取る。
[編集] キャスト
- ホー:ティ・ロン…書剣恩仇録 流星
- キット:レスリー・チャン…さらば、わが愛/覇王別姫 カルマ
- マーク:チョウ・ユンファ…グリーン・デスティニー リプレイスメント・キラー
[編集] スタッフ
[編集] 解説
- 製作国・地域:香港
- 製作年度:1986年
- 原題:英雄本色(A BETTER TOMORROW)
- 上映時間:95分
[編集] 制作へのきっかけ
香港映画界で独自の路線を貫き通したことでジョン・ウーが台湾に追われることになり、不遇の生活を送っていたところ、友人であるツイ・ハークが、「もう一度、香港で映画を作ろう」と台湾に出向いて香港映画界に復活させたことが本作の制作のきっかけとなった。 そのエピソードは、冒頭の出所したホーをマークが迎えに行く場面に引用されている。但し、ツイ・ハークはジョン・ウーが先にハリウッド進出を果たした際には契約問題で苛めるという嫉妬深い面もある。