王粲

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王粲（おうさん、177年 - 217年）は、中国、後漢末に劉表・曹操に仕えた詩人・政治家。字は仲宣。王龔の曾孫、王暢の孫、王謙の子。山陽郡高平県の人。曽祖父の代から漢王朝において三公を務めた名門の出身。文人として名を残し、建安の七子の一人に数えられる。

少年期は朝廷に仕えていた。そうした中で当時大学者として有名だった蔡邕に目をかけられ、彼の蔵書を預かることとなった。その後戦乱打ち続く長安を離れ、流浪の末荊州の劉表に仕えた。劉表は王粲の才能は評価していたが、王粲の容貌が醜かったために重用せず、一時は自身の娘を嫁がせようとも考えたが、これを取りやめたとまで言われている。

208年の曹操の荊州制圧後は彼に仕え、曹操が魏公になると侍中に任命された。王粲は優れた記憶力を持つ人物で、碁盤の石が散らばっても、全て元通りに戻すことができたと言われている。また、当代一流の博識家でもあり、曹操が儀礼制度などの法律を制定するときは、必ず王粲にその責任者を任せたと言われている。曹操の信任は厚く、同じ車に乗ることも許されたという。

王粲は文才にも優れており、筆を挙げれば文を成すことから、人々は彼がその文を前々から考えていたものだと思ったという。曹植とも親交が深かった。

217年、流行病により41歳の若さで病死した。この葬式のとき、曹丕は王粲が、驢馬の鳴き声が好きであったことからその鳴き真似をして送ろうと提案し、弔問客の仲間たちは皆一声ずつ驢馬の鳴き声の真似をしたと伝えられている。子息が二人あったが、魏諷の乱に組して誅殺され、直系の子孫は絶えた。一族で王粲の一世代下に当たる王業が、王粲の一万巻にも及ぶ蔵書を受け継いだ。