消化試合
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消化試合(しょうかじあい)とは、主にスポーツの試合に関する分類の一つである。プロ野球のペナントレースなどリーグ戦のスポーツで、優勝チーム決定後、あるいは優勝の可能性が消滅してから全日程が終了するまでの試合を呼ぶ。
一般にリーグ戦においては、全試合を行った結果の勝ち数で優勝や決勝進出などの最終勝利条件が決定するが、リーグに含まれたチームの実力に差がある場合など、全試合を終える前にそれら勝利条件に当てはまるチームが決定してしまうことがある。勝利チームが決まってしまった場合、その後の試合は日程こそ組まれているものの、試合としては特に重要なものでなくなる。こうして消化試合が生まれる。
原理的にはリーグ戦等の総当たりに近い方式での戦いにのみ生まれるもので、チーム数が多いほど、また同じチームとの試合数が多いほどこの消化試合の数は増える傾向にある。
消化試合においては、下位の順位争い、個人の記録達成がまず話題となる。また主力が以降の試合を前にケガすることを防ぐため、ルーキー選手や控えを多く投入して次年度に向けて実力をはかったり、新しい戦法の試験試合として用いることもある(サッカーではターンオーバー制と呼ばれる。)。いずれにせよ観客にとっては通常の試合とは違った楽しみ方をする必要があり、入場者数も減ることになる。また、テレビ等の中継も消化試合では殆ど行われず、地上波で最終ゲームまで中継を実施するのは、広島のRCC等のローカル中継だけである。
チームや選手によっては、中心となるリーグ戦以外の試合やカップ戦、トーナメントなどを消化試合扱いすることもある。しかし、特にプロスポーツにおいてこのような行為は興をそぐ事につながるため、規約により禁止しているところも多い。2000年4月12日のJリーグヤマザキナビスコカップの湘南ベルマーレvsアビスパ福岡戦では、福岡がメンバーの大半を入れ替え、実質上サテライトチームの編成で試合に臨み「最強のメンバーをもって試合に臨む」とのリーグ規約に抵触するのではと物議を醸した。