流血女神伝
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『流血女神伝』(りゅうけつめがみでん)は須賀しのぶ/著、船戸明里/イラストのライトノベルシリーズ。2006年12月現在、集英社コバルト文庫から本編が21巻、外伝が2巻発売されている。
目次 |
[編集] 概要
主人公である少女、カリエ・フィーダが中世ヨーロッパ風に描かれた大国ルトヴィア、イスラム国家を思わせる新興国家エティカヤ、改革期のロシアがモデルのユリ・スカナ、そして原始の宗教国家ザカールの間で翻弄されながら、科せられた運命に抗いひたむきに走り続ける波乱万丈の物語。
作者の専門分野とも言える中欧近現代史の知識を背景にした、それぞれの国家勢力ごとに文化、経済、政治の様態が詳らかに描かれている少女向きレーベルの作品としては異色の物語だが、これらのリアリティを伴った設定に大地母神・流血女神ザカリアをはじめとする神々の圧倒的存在を絡めることで、「歴史」と「神話」の交点に揺らぐ世界観の創出に成功している。それぞれの勢力が辿る運命を、「歴史の必然」と言う視点だけでなく「抗えない神々の意志」として描く点も興味深い。
目まぐるしく変わる運命に翻弄される主人公に相応しく(?)、カリエの恋の相手も少女小説としては破格だ。
[編集] シリーズ一覧
[編集] シリーズ本編
- 帝国の娘〈前・後〉
- 砂の覇王〈全9巻〉
- 女神の花嫁〈前・中・後〉
- 暗き神の鎖〈前・中・後〉
- 喪の女王〈現在4巻まで刊行〉
[編集] 番外編
こちらの主人公は本編にも登場するランゾット・ギアス。彼とその友人との士官学校生時代をコメディタッチで描く。
- 天気晴朗なれど波高し。
- 天気晴朗なれど波高し。〈2〉
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
ルトヴィア帝国の北公国ゼカロの山奥で猟師の家の娘として暮らしていた少女・カリエ。ある日彼女は謎の青年エディアルドに誘拐され、ゼカロ公の孫であり、病に伏せるアルゼウス皇子の身代わりとなることを強制される。怒り、絶望し、反抗しながらも過酷な運命を持ち前の明るさで乗り切ろうとするカリエ。
しかし、それはカリエを待ち受ける運命の奔流の始まりに過ぎなかった…
[編集] ストーリーの流れ
括弧内は相当するタイトル名。
- ルトヴィア編(帝国の娘)
- アルゼウス皇子の影武者としてエディアルドから身代わりのための教育を受け、次期皇帝候補(皇帝の嫡男たち)が集められるカデーレの皇子宮に上がることになったカリエ。そこで様々なタイプの「兄弟たち」と共に次期皇帝を目指して勉学に励むこととなるのだが…。
- エティカヤ編(砂の覇王)
- アルゼウスの死により用済みとなってしまったカリエは「長兄」ドミトリアスにだけ秘密を明かし、エドと共にカデーレを抜け出しユリ・スカナへ向けて逃亡を図る。しかし追っ手をかわすため、迂回ルートとして選んだクアヒナ公国で出会ったサジェとその家族によって二人は奴隷商人に捕まり、エティカヤへ奴隷として売られてしまう。
- 売られたその先でカリエとエドはお互いそれぞれの状況を打開しようとするのだが…。
- ラクリゼ編(女神の花嫁)
- ラクリゼとサルベーンの過去の話。二人がザカールの村を抜け出してから辿る平穏な時間やホルセーゼ団での傭兵時代、そして二人が傭兵として参加したギウタ皇国の滅亡を描く。
- ザカール編(暗き神の鎖)
- 紆余曲折の末、エティカヤの正妃となったカリエ。そこで待望の王子・アフレイムを出産するが、カリエ母子には密かにザカールの手が忍び寄っていた…。
- ユリ・スカナ編(喪の女王)
- 現在刊行されている章。
[編集] 主な登場人物
[編集] 主要人物
- カリエ・フィーダ
- 主人公。ルトヴィア帝国の北方に位置するゼカロ公国にあるヤンガの村で暮らしていた少女。ゼカロ北公とその娘フリアナによりアルゼウス皇子と外見が瓜二つという事で攫われ、病弱な皇子の代わりに男の振りをしてカデーレ宮に上がることを強要される。以降、激動の運命に翻弄されていく。
- 明朗快濶な性格。女神の娘という運命を持つため数々の苦難が彼女に襲い掛かるが、へこたれずに立ち向かおうとする。また頭の回転が早い。エドとは当初仲が悪かったが、苦難を共に乗り越えた現在では兄妹のような間柄。
- ヤンガの両親は実の両親ではなく、彼女の出自は滅亡したギウタ皇国の王家の人間。本名はカザリナ・ユファトニー・ギウティエだが、カリエ自身は「カリエ・フィーダ」が自分の本名であるとしている。他にもカイという愛称や、エティカヤ名であるディエーマ・イリエ・オルなどの名前を持つ。ちなみにカリエという名前は「原初の光輝あり」という意味。
- エティカヤ編の後、バルアンと結婚し名実共にエティカヤの正妃であるマヤラータとなる(称号自体はバルアンと共にルトヴィアへ行った際に名目上マヤラータという事になっていた)。同時にヨギナの総督となる。彼との間に一児をもうけるがその後ザカールの侵攻により、バルアンや息子アフレイムとは離れる運命となる。現在はリウジールとの間に生まれた娘セーディラを連れてユリ・スカナへ逃れている。
- エディアルド・ラウズ
- アルゼウスに仕える騎士の青年。通称はエド。クールで無愛想な性格。ルトヴィアで屈指の剣の才能を持つ。カリエを攫った人物だが、彼は不本意だった様子。アルゼウスに心酔しており、当初カリエに冷たく当たっていたが、色々あった末に彼女に付いて各地を旅する事になる。エティカヤ編以降では身を挺してカリエを守ろうとしたり、ザカールに攫われた彼女を助けに行くなど、献身的な行動を見せる。アルゼウスから下賜された剣を大事にしている。エティカヤでの地位は万騎長(マルクーク)。
- 旅の途中ヘーガの毒にやられて倒れるなど、ややボケている面を持ち合わせていることが判明する。またセーディラをとても可愛がっている。
- 過去ギウタで名を馳せた傭兵王ホルセーゼの息子でもある。「女神の花嫁」の下巻によると本名はフェイル。また母(義母)のアリシアにはしごかれて育ったため、母親に対するイメージがよくないようである。
[編集] ルトヴィア帝国
- アルゼウス
- ゼカロ公国の公爵の孫であり、マルカーノス皇帝の息子である第3皇子。10歳の頃に熱病を患い、以降床に伏せたままになっている。当初カリエとは他人の空似だと思われていたが、彼の母親とカリエの母親は姉妹であり、カリエとは従姉弟の関係にあたる。フリアナと違って穏やかな性格。
- ミューカレウス
- ルトヴィアの西に位置するアビーテ公国出身。西公の孫であり、マルカーノス皇帝の息子である第4皇子。フルネームはミューカレウス・ジ・アビーテ。通称ミュカ。出自の影響でアルゼウスと並んで次期皇帝に有力視されていた。当初は自身の生まれを振りかざす我侭な少年だったが、後に驚くべき成長を遂げる。皇子宮時代、アルゼウス(カリエ)とは喧嘩が絶えなかった。またカリエの正体をいち早く見抜いた人物。彼女に思いを寄せている。
- 公爵家の者といっても皇子宮に入った時点で母方の地位は受け継げなくなる決まりなので、現在の地位はトルガーナ伯爵。成長後の彼はドミトリアスのやり方に対して批判的な言葉を口にしたりする場面もある。タイアークの下水道問題解決のため、各地を奔走している。
- ドミトリアス
- 東のクアヒナ公国出身の第1皇子。通称ドーン。アルゼウスやミューカレウスの二人と違って彼の母親は公女ではない。厳格な性格。しかし時折皇子宮を抜け出し、カデーレの街まで降りて外部情勢の情報収集などを行っていた。有力な次期皇帝候補の弟たちがいるため自身にその座はないと思い、アルゼウスが即位した後は参謀本部の作戦科で地図を作ろうと考えていたが、皇子宮で起こった事件により彼以外の候補者が消え、皇帝に即位する事になる。
- カリエの正体を知る一人。カリエが影武者だと分かった後も妹のように接する。またカリエとエドがルトヴィアを発つとき、自身で書き記してきた地図と金剛石で出来た胸飾りを餞別に渡す。
- イレシオン
- 南のガゼッタ公国出身の第2皇子。通称シオン。ドミトリアスと同じく彼の母も公女ではない。兄弟達や周りを気遣う好青年。しかしドミトリアスに皇帝になってほしいと願い、その末にある手段に出てしまう。
- ロイ
- 皇子宮で教育係を務める男性。目的のためには手段を選ばない冷酷な面を持つ。ドミトリアスが即位した後は副宰相となる。
- フリアナ
- 皇妃を意味するサグリーザの称号を持つゼカロ公国の公女。アルゼウスの母親。
- マルカーノス二世
- ルトヴィア帝国皇帝。アルゼウスたちの父親。即位時代は無気力な皇帝だった。
- エジュレナ
- フリアナの姉。マルカーノスと恋人同士であったが、サグリーザへの未来をフリアナに譲り、ギウタ皇国に嫁いだ。その後の戦乱に巻き込まれて死亡する。カリエの実母で、死の直前ラクリゼに娘を託す。ちなみに後世のギウタ滅亡の物語では彼女と娘カザリナの最期は違った形で伝えられている。
- ランゾット・ギアス
- ガゼッタ公国出身の軍人で、皇帝直属艦隊第六艦隊旗艦艦長。階級は海佐。軍で問題を起こし監獄所に入っていたところ、トルハーン討伐の為ドミトリアスの恩赦によって復帰する。獄中で病気を患い、常に顔色が悪い。また船乗りだが船酔いをするという特徴がある。トルハーン(コーア)とは士官候補生時代からの友人。軍に入る前は小説家を目指していた。
- 番外編の「天気晴朗なれど波高し。」の主人公は士官候補生の頃のギアスである。
- トルハーン
- 海賊。バルアンの知り合いであり、エティカヤ編でバルアンやカリエ達に手を貸す。ある出来事からガゼッタ海軍から海賊へと転身する。ザカールの血を引いており、黒色と金色のオッドアイを持つ。本名はトルヴァン・コーア。
- 彼もまた番外編の登場人物の一人。海軍時代の階級は海尉。
- サラ
- カデーレの港街にある店「緑泉亭」の看板娘で、ドミトリアスの恋人だった女性。ドミトリアスが皇帝になるときにお互い未練がありながらも別れる。後にロイの画策によりメイディル子爵の養女となってジェシーヌと名を変え、再びドミトリアスの前に現れる。現在は彼の愛妾となり、イエラという皇女を授かる。またエリジスタ男爵夫人と名を変えている。グラーシカとはあまり仲が良くない。
[編集] エティカヤ王国
- バルアン
- エティカヤの第2王子(セガン・マヤル)。フルネームはバルアン・アゼル・ジヌハーン。天然の要塞と呼ばれるムザーソ地方のインダリの総督を務める。破天荒な性格。しかし時に目的の為に身近な者をあっさりと切り捨てるなど、冷酷な判断を下す面も持つ。死刑になるはずだったカリエを気まぐれで側に置き、彼女をカイと呼んで小姓にする。またカリエとエドの持ち物から彼女達の正体を推察し、ドミトリアスの戴冠と結婚式の際にはカリエを独断で正妃(マヤラータ)として、ドミトリアスや北公達の前に連れて行く。
- 兄のシャイハンを倒した後に二代目のマヤライ・ヤガとなり、カリエと結婚する。その際にインダリから首都リトラへと移る。
- ヒカイ
- バルアンに仕える戦士。イギという部族の出。ジィキとは幼少期からの付き合い。
- コルド
- バルアンに仕える小姓頭。奴隷市でカリエとサジェを買った人物。優男だが、時に非情な言動を取ることもある。ルトヴィア出身者。
- ムイクル
- バルアンの小姓。過去に他の小姓たちの嫉妬から顔を焼かれ、今は顔中の皮膚がただれている。小姓となったカリエの先輩的存在。
- サジェ(ギュイハム)
- カリエと共にバルアンの後宮へ入れられた少女。ルトヴィアのクアヒナ公国の出身。エティカヤ名はギュイハム。奴隷商人に売られそうになってきた時、偶然やってきたカリエを身代わりに差し出すが、結局エドの行動により奴隷商人にばれて一緒に売られることになった。その時にエドがサジェの家族を傷付けた事から彼のことを憎んでいる。後宮内でカリエのライバル的存在となる。バルアンとの子を授かるが、母子共に死亡してしまう。埋葬時には「三の貴妃(デライエ・ラハジル)」の称号を冠していた。
- ナイヤ
- バルアンの後宮の女奴隷。始めカリエとはいがみ合っていたが、彼女と利害が一致した後仲良くなる。カリエの親友。後にバルアンとの間に女児をもうけ、「四の貴妃(フォンドゥル・ラハジル)」の称号を持つ側室となる。
- ビアン
- 「一の貴妃(ヤーエ・ラハジル)」の称号を持つバルアンの側室。気性の激しい性格。実はユリ・スカナの前王イーダルと正妃タージカの血を引く王女で、本名はゼリカ。現在のバンディーカを始めとするユリ・スカナ王家の人間を憎んでいる。またバルアンの手駒としてルトヴィアのゼカロ公爵家に入り込んで現北公の愛人となり、ユーディアヌスという男児を生む。
- イウナ
- バルアンとビアンの娘。
- ジィキ
- 「二の貴妃(セガナ・ラハジル)」の称号を持つバルアンの側室。他の貴妃とは少し様子が違う。不思議な能力を持つ。ヒカイとは同郷。スゥランを恐れていて彼女に会おうとしない。
- スゥラン
- ジィキの娘。
- ジヌハーン
- バルアン、シャイハンの父親。エティカヤ王であるマヤライ・ヤガの称号を持つ。
- シャイハン
- バルアンの兄で第1王子(ヤー・マヤル)。ヨギナの総督を務めていた。覇王シャウルを崇拝している。
- アフレイム
- バルアンとカリエの間に生まれた第1王子(ヤー・マヤル)。カリエと同じ青い瞳を持つ。生まれてしばらくした後リウジールに攫われ女神の贄にされそうになるが、カリエたちによって助け出される。その後アフレイムだけエウランタータ宮殿に戻され、母親のカリエとは離れ離れとなる。
[編集] ユリ・スカナ王国
- グラーシカ
- ユリ・スカナ王家の第2王女。男装の麗人で、王女だが剣を取って戦う事を好む。アルゼウス(カリエ)とは馬が合い、仲が良かった。その後カリエの正体に気付いても友人として親交を深めている。
- 後にドミトリアスの元へ嫁ぎ、ルトヴィア帝国のサグラ(皇后)となる。しかしドミトリアスとの間になかなか子供が出来ないことで周囲から追い立てられ、苦悩している。
- イーダル
- ユリ・スカナ王家の第1王子。グラーシカ、ネフィシカの弟。飄々とした性格で、女装が趣味。芸達者であり、旅芸人になって各地を周りたいと思っている。ミューカレウスとは仲がいい模様。パーヴェイの事は苦手のようである。
- バンディーカ
- ユリ・スカナの女王。常に喪服を纏っている女傑。美貌の持ち主で、周りからはよく薔薇に例えられる。元は男爵家の出身で、かつての名前はセーディラ・エンテ・フォボク。
- ネフィシカ・アーデルート・ヤシュラク
- ユリ・スカナの王太子。過去にサルベーンに恋して彼の子供を生んだが、母バンディーカによって子供と引き離され、以後床に伏せるようになる。グラーシカの最愛の姉。その後母を憎みザカリア女神と契約し、健康な体を得るが…。
- タウラ・グナウスカヤ
- グラーシカの親衛隊隊長を務める女性。グラーシカの輿入れの際、一緒にルトヴィアへやってきた。
- パーヴェイ・ナジフ・グナウスキー
- ネフィシカの夫となった人物。地位は侯爵。ザカールの血を持つ。タウラとは親戚。
- アルガ
- イーダルの側近の女性で、体格のいい剣士。イーダルとは乳姉弟。
- フィンル
- フルネームはフィンル・マイネン・ディイレンスキー。ディイレンスキー伯爵の息子だが、本当はネフィシカとサルベーンの間に生まれた子供。セーディラと仲が良い。
- レステイ・ジェブラシカ
- リアンタスの修道院で生活する年老いた修道女。カリエの事を親身になって助ける。
- メナイク大僧正
- ユリ・スカナで高名な僧。サルベーンの師。
- ソディアン
- バンディーカの実弟。ルスク伯。幼い頃姉と共にミゼーマ宮にあがる。その後バンディーカとは袂を分かち、彼は士官としての道を歩むが…。前王イーダルの母には気に入られていた。故人。
- イーダル・ジオネス・ヤシュラク
- ユリ・スカナの前王であった人物。別名イーダル三世。ネフィシカやゼリカ(ビアン)の父親。故人。
- セーディラ
- カリエとリウジールの間に生まれた娘。千人目のクナムとなる存在。ザカール人特有の容貌に、片目だけ青い瞳という特徴を持つ。また所々で不思議な能力を使う。名前の由来はサジェで、彼女の名前をユリ・スカナ風にしたもの。また偶然にも、バンディーカ女王の昔の名前もセーディラだった。
[編集] ザカール
- ラクリゼ
- カリエの前に度々現れる謎の美女。その正体はザカールのクナム(長)となる筈だったザカール人。しかしラクリゼはサルベーンと共に村から出る。その後あちこちで現れてはカリエを助ける。本来クナムは代々男で、女神の娘(ラクリゼの代はカリエ)を伴侶にする筈だったが、何故か女性として生まれた。ラクリゼの母親から「女神の花嫁」であると言われる。
- 過去サルベーンと共にホルセーゼ傭兵団におり、ヨギナ攻防戦の際彼女も参加している。エジュレナとは面識がある。
- サルベーン
- カリエの味方であったり、時には敵側に回っている事もある謎の僧侶。バンディーカとは旧知の仲であり、僧侶の顔の裏にユリ・スカナの諜報員の一面を持つ。カリエやエド達と出会った当初はグラーシカと共にいた。カリエは一時サルベーンに片思いをしていた事がある。過去ホルセーゼの傭兵団に属していたこともあり、当時ラクリゼとは恋仲だった。ザカール人とルトヴィア人のハーフ。女神が自分に応えてくれないことを悩んでいる。
- リウジール
- ラクリゼの弟。姉の代わりにクナムとなった。冷酷な性格の持ち主。
- レイザン
- ラクリゼの幼なじみ。ザカールで大神官を務める。ザカール崩壊後はバルアンの元に仕える。
[編集] その他の人物
- ホルセーゼ
- 傭兵王と呼ばれた有名な傭兵。ギウタ皇国でのヨギナ攻防戦に参加し、その際に命を落とす。エディアルドの父親。
- カレオス九世
- ギウタ皇国最後の皇帝。カリエの父親。
- アデルカ
- 猟師の家で育った青年。ザカールの村から出た後にサルベーンと別れ、一人で森を彷徨っていたラクリゼを獲物と勘違いし、間違えて彼女を傷つけてしまう。傷ついたラクリゼを家に運び、しばらく家族で看病をしていた。その際にラクリゼの命を助けるため、ザカリア女神と仮の契約を交わすことになってしまう。アデルカの家族は皆ラクリゼに好感を抱いており、彼自身もまたラクリゼに特別な感情を持っていた。
- 後にホルセーゼ傭兵団に入り、ヨギナ攻防戦に参加するが、女神との契約により戦死。代わりにラクリゼの命が助けられる。
- ちなみにヤンガに住んでいたカリエの養父母はアデルカの親類にあたる。
[編集] 関連用語
- ルトヴィア帝国
- 広大な領土を持つ帝国。首都のある皇帝直轄領と、そこから東西南北にそれぞれゼカロ北公国、アビーテ西公国、ガゼッタ南公国、クアヒナ東公国という5つの領土がある。首都はタイアーク。
- ユリ・スカナ王国
- テナリシカ大陸の北の方に位置する王国。男女構わずに剣を取る国。首都はガンダルク。
- エティカヤ王国
- ルトヴィアの東方に位置する王国。騎馬民族の国。首都はリトラ。
- ザカール
- 流血女神ザカリアを信仰する民。またはその民の住む村の事。
- 流血女神
- ザカール人が信仰する女神ザカリアの事。契約したものには望むものを叶える代わりに、その者の一番大切にしているものを奪う。
- タイアス
- ルトヴィア帝国で信仰されている神。
- オル
- エティカヤで信仰されている神。
- ヨギナ攻防戦
- ギウタ皇国とエティカヤ王国の戦い。この戦いでギウタ皇国は滅亡する。バルアン、シャイハンもこの戦いに参加していた。
- 女神の娘(ザカルエフィ)