津軽鉄道線
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津軽鉄道線(つがるてつどうせん)は、青森県五所川原市の津軽五所川原駅から青森県北津軽郡中泊町の津軽中里駅までを結ぶ津軽鉄道が運営する鉄道路線。
津軽半島の中央部を南北に縦貫している。冬季には客車内の暖房に石炭ストーブを用いるストーブ列車が運行される。タブレットによる閉塞が行われている。
目次 |
[編集] 路線データ
[編集] 運行形態
概ね1時間毎の運行で、朝夕に準急がある。朝は約30分間隔で運行されていたが、2004年冬ダイヤ改正で終日約1時間間隔の運行となった。
[編集] 歴史
川部~五所川原間の鉄道を運営していた陸奥鉄道が国に買収され(現:五能線)、出資額の倍の支払いを受けた株主たちが次なる鉄道として計画した路線である。 改正鉄道敷設法では、中里からさらに小泊、三厩を経て青森へ至る計画があったが、青森~三厩間がJR津軽線として実現したにとどまっている。
- 1930年7月15日 - 五所川原(現在の津軽五所川原)~金木間が開業。
- 1930年10月4日 - 金木~大沢内間が開業。
- 1930年11月13日 - 大沢内~中里(現在の津軽中里)間が開業。
- 1931年7月5日 - 毘沙門駅開業。
- 1932年4月24日 - 川倉駅、深郷田駅開業。
- 1935年4月13日 - 五所川原~津軽飯詰間に一野坪駅開業。
- 1941年4月1日 - 毘沙門駅休止。
- 1941年8月1日 - 一野坪駅休止。
- 1943年4月1日 - 川倉駅、深郷田駅休止。
- 1955年5月20日 - 毘沙門駅、深郷田駅営業再開。
- 1955年10月20日 - 一野坪駅、川倉駅営業再開。
- 1956年7月10日 - 五所川原駅を津軽五所川原駅に、中里駅を津軽中里駅に改称。
- 1961年4月25日 - 十川駅開業。
- 1974年4月1日 - 一野坪駅を廃止し、五農校前駅開業。
- 1984年2月1日 - 貨物営業廃止。
- 1992年4月1日 - 一部列車でワンマン運転開始。
- 2004年11月10日 - 冬ダイヤ改正で列車本数大幅減便。
[編集] 利用状況
津軽鉄道線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色の枠で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色の枠で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色の枠で囲んで表記している。
年 度 | 輸送実績(乗車人員):万人/年度 | 貨物輸送量 万t/年度 |
特 記 事 項 | |||
通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 合計 | |||
1975年(昭和50年) | 30.8 | 88.8 | 135.7 | 255.3 | 4.7 | |
1976年(昭和51年) | 30.2 | 86.1 | 127.9 | 244.2 | 4.2 | |
1977年(昭和52年) | 29.0 | 86.1 | 124.5 | 239.7 | 4.2 | |
1978年(昭和53年) | 26.8 | 84.0 | 117.5 | 228.5 | 4.1 | |
1979年(昭和54年) | 24.9 | 77.4 | 116.7 | 219.0 | 3.4 | |
1980年(昭和55年) | 22.7 | 74.7 | 112.3 | 209.7 | 4.4 | |
1981年(昭和56年) | 19.2 | 70.7 | 106.2 | 196.2 | 3.1 | |
1982年(昭和57年) | 17.9 | 64.2 | 99.8 | 181.9 | 2.8 | |
1983年(昭和58年) | 15.2 | 58.8 | 92.1 | 166.0 | 2.8 | |
1984年(昭和59年) | 13.3 | 57.1 | 85.1 | 155.5 | 0.4 | |
1985年(昭和60年) | 11.7 | 56.5 | 79.7 | 147.9 | 0.0 | |
1986年(昭和61年) | 10.0 | 50.9 | 75.1 | 136.0 | 0.0 | |
1987年(昭和62年) | 8.9 | 49.7 | 70.7 | 129.3 | 0.0 | |
1988年(昭和63年) | ||||||
1989年(平成元年) | ||||||
1990年(平成2年) | ||||||
1991年(平成3年) | ||||||
1992年(平成4年) | ||||||
1993年(平成5年) | 4.5 | 44.6 | 46.7 | 95.8 | 0.0 | |
1994年(平成6年) | ||||||
1995年(平成7年) | ||||||
1996年(平成8年) | ||||||
1997年(平成9年) | ||||||
1998年(平成10年) | 1.8 | 36.5 | 30.5 | 68.8 | 0.0 | |
1999年(平成11年) | 1.4 | 33.5 | 28.9 | 63.8 | 0.0 | |
2000年(平成12年) | 1.3 | 33.0 | 26.1 | 60.4 | 0.0 | |
2001年(平成13年) | 1.0 | 31.4 | 24.3 | 56.7 | 0.0 | |
2002年(平成14年) | 1.0 | 29.6 | 21.9 | 52.5 | 0.0 | |
2003年(平成15年) | 1.1 | 27.3 | 20.9 | 49.3 | 0.0 | |
2004年(平成16年) | 0.8 | 22.8 | 18.7 | 42.3 | 0.0 | |
2005年(平成17年) | ||||||
2006年(平成18年) | ||||||
2007年(平成19年) |
[編集] 収入実績
津軽鉄道線の近年の収入実績を下表に記す。 表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色の枠で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色の枠で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色の枠で囲んで表記している。
年 度 | 旅客運賃収入:千円/年度 | 貨物運輸 収入 千円/年度 |
運輸雑収 千円/年度 |
総合計 千円/年度 |
||||
通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 手小荷物 | 合 計 | ||||
1975年(昭和50年) | 39,913 | ←←←← | 133,059 | 9,595 | 182,567 | 26,529 | 4,536 | 213,632 |
1976年(昭和51年) | ←←←← | |||||||
1977年(昭和52年) | ←←←← | |||||||
1978年(昭和53年) | ←←←← | |||||||
1979年(昭和54年) | ←←←← | |||||||
1980年(昭和55年) | ←←←← | |||||||
1981年(昭和56年) | ←←←← | |||||||
1982年(昭和57年) | ←←←← | |||||||
1983年(昭和58年) | ←←←← | |||||||
1984年(昭和59年) | ←←←← | |||||||
1985年(昭和60年) | ←←←← | |||||||
1986年(昭和61年) | ←←←← | |||||||
1987年(昭和62年) | 16,594 | 58,839 | 207,255 | 1,214 | 283,902 | 0 | 9,417 | 293,319 |
1988年(昭和63年) | ||||||||
1989年(平成元年) | ||||||||
1990年(平成2年) | ||||||||
1991年(平成3年) | ||||||||
1992年(平成4年) | ||||||||
1993年(平成5年) | 10,525 | 66,362 | 151,341 | 18 | 228,246 | 0 | 13,416 | 241,662 |
1994年(平成6年) | ||||||||
1995年(平成7年) | ||||||||
1996年(平成8年) | ||||||||
1997年(平成9年) | ||||||||
1998年(平成10年) | ||||||||
1999年(平成11年) | ||||||||
2000年(平成12年) | ||||||||
2001年(平成13年) | ||||||||
2002年(平成14年) | ||||||||
2003年(平成15年) | 2,547 | 55,762 | 80,962 | 8 | 139,279 | 0 | 16,860 | 156,139 |
2004年(平成16年) | 1,936 | 45,323 | 73,434 | 8 | 120,701 | 0 | 14,581 | 135,282 |
2005年(平成17年) | ||||||||
2006年(平成18年) |
[編集] 駅一覧
- ●:停車、▲:上り(津軽五所川原行き)のみ停車、|:通過
駅名 | よみがな | 営業キロ | 準急 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
津軽五所川原駅 | つがるごしょがわら | 0.0 | ● | 東日本旅客鉄道:五能線(五所川原駅) | 青森県 | 五所川原市 |
十川駅 | とがわ | 1.3 | ▲ | |||
五農校前駅 | ごのうこうまえ | 3.2 | ▲ | |||
津軽飯詰駅 | つがるいいづめ | 4.2 | ● | |||
毘沙門駅 | びしゃもん | 7.4 | | | |||
嘉瀬駅 | かせ | 10.1 | ● | |||
金木駅 | かなぎ | 12.8 | ● | |||
芦野公園駅 | あしのこうえん | 14.3 | ● | |||
川倉駅 | かわくら | 16.0 | | | |||
大沢内駅 | おおざわない | 17.7 | ● | 北津軽郡中泊町 | ||
深郷田駅 | ふごうだ | 19.0 | | | |||
津軽中里駅 | つがるなかさと | 20.7 | ● |
[編集] 備考
- 基本的に津軽21形気動車1両によるワンマン運転が行われている。なお朝の通学時間帯は3両で車掌乗務となる列車がある。また毎年春に行われる「金木桜まつり」(芦野公園) 開催時には最大3両で運転し、津軽鉄道キハ22形が混結となることもある。
- 車掌乗務列車では車内券(補充券)による乗車券の発売をしている。また、日中のワンマン運行時でもJR五能線からの乗り換え客がある時間帯には駅係員が列車発車まで車内(補充)券での乗車券の発売をする場合がある。
- なお、冬季のストーブ列車や秋季の鈴虫列車の運行開始日には、よくテレビのニュース番組などで採り上げられ、その模様が放送される。