段ボール
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段ボール(だんボール)とは段ボール原紙を多層構造で強靭にし、包装資材などに使用できるよう加工した紙製品。 ライナーと呼ばれる表・裏の紙と、中芯と呼ばれる中間層の波状の紙を使用する。 段ボールと言う名称は段ボールシート及び段ボール箱、その他段ボール製品一般を指すこともあり、やや曖昧である。 段ボールは19世紀のイギリスにおいて当時流行していたシルクハットの内側の汗を吸い取るために開発され、のちにアメリカにおいてガラス製品の包装に使用されたのが包装資材として利用されるようになった始まりである。現在もちいられている段ボールを作成し、日本において「段ボール」という言葉を作ったのは井上貞治郎である。それにより木箱から段ボール箱へと変化していった。
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[編集] 段ボール原紙
段ボールの原料となる紙。ライナーと中芯がある。両方とも最初はロール紙の形をとっており、それをコルゲータにかけることによって両者を貼り合わせ、段ボールへと完成されてゆくのである。
[編集] ライナー
段ボールの外側を形成する紙。K7・K6・K5・C6・C5・D4の種類があり、K7が最も硬く、D4が最も柔らかい。なお、C6は需要が少ないため使用されなくなりつつある。また、撥水原紙、赤、白、黄色などの色ライナー、プレプリント原紙など多種多様。
[編集] 中芯
段ボールの内側、つまり波状部分を形成する紙。V20・V19・V16・S18・S16・S14・S13・S12の種類があり、V20が最も硬くS12が最も柔らかい。なお、Vと付く種類の紙は薬品を使用してより強度が上げられている(強化芯)。また、原料は古紙を主に使用。
[編集] 製造方法
段ボールはコルゲータを通して製造される。コルゲータはシングルフェーサ・ダブルバッカー・カッターによって構成される。また、ライナーと中芯を接着するための製糊装置、さらに糊を溶かすための熱を発生させるためにボイラが必要である。完成された段ボールは、プリスロによって印刷され、グルアによって段ボール箱へと加工されてゆく。
[編集] 段ボール製品
[編集] 段ボールシート
- ライナーにフルーテッド(波型に加工)した中しんを貼り付け、さらに裏側にライナーで補強したシート。フルートにはAフルート・Bフルート・Cフルート…Gフルートまでが現在使用されており、Gに近づくほど細かい波形となる。一般に使用されるのは、Aフルート、Bフルート、E/F/Gフルート(マイクロフルート)である。また、表にAフルート裏にBフルートを貼り合わせたシートはABフルートまたはWフルートと呼ばれる。段ボールシートの用途は一般的に製函用途が多いが、緩衝材やコンクリートパネルなどにも使用される。
[編集] 段ボール箱
- 段ボール箱はA式・B式・C式などの形状がある。最も普及しているのはA式と呼ばれる形状で、箱の上下に開閉可能な蓋がついている。
[編集] 段ボール製品
[編集] 段ボール箱の活躍する作品
- メタルギアシリーズ 主人公のソリッド・スネーク及びネイキッド・スネークが異常なまでに好んでいる。