歴史紀実小説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
歴史紀実小説(れきしきじつしょうせつ)とは、歴史を題材とした紀実小説である。
ただし、正確な史実というのは古ければ古いほど曖昧になりがちである。その結果、実際に歴史紀実小説となりえる題材は近現代史か中国史でしかほとんど不可能な状態である。さらに言えば、近現代史においても、人物のよくわからない幼少期を、さもあるかのように書くなどとはタブーであることは言うまでもない。もちろん憶測をする場合には必ず、どこの部分が憶測した文なのかが判るように明らかに記すことが必要である。中国史を例に挙げたが、その日その時その場所で事細かに言葉や事象を刻銘に記録されたのが中国史のみであるという考えもある。世界中どこを探してみても古代中国の歴代の記録官のようにまめに、見方を変えれば執念ともいえるほど事細かに記録した人は少ないと考えられている。ちなみに現代の中国共産党の記録も紀実と呼ぶ。メディア・リテラシーそのもので紀実といえどもどのような事実をどのような視点で記録しているのかに注目して読むと良いかもしれない。
真実は真実であり、そのときどきの国際情勢、国内情勢に左右されることがあってはならないという考えもある。真実は創られるものでも、装飾されるものでもなく、二度と戻ることもリセットすることもできぬ、現実に起きた一事件、一事象、結果であると考えられる。ただしそれを正確に記録することは困難であり、後にそれを検証するのはさらに困難である。(反例:否認主義,歴史修正主義)
[編集] 日本文学の現状
日本にある歴史小説はエンターテイメント性の小説がほとんどである。今のところ、歴史紀実小説といえるものは書店で見当たらないのが現状である。中国歴史を題材にしたものもほとんど全てがエンターテイメント性のものである。真の歴史、中国史、近現代史を知りたければ、歴史書または紀実小説を読むべきで、誤った史観を持たないようにするのが、国際化のこの時代に適宜である。