桂春輔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

初代　桂　春輔（しょだい　かつら　はるすけ）1881年（明治14年）？～1948年（昭和23年）？は、上方落語家。本名 浅川重太郎

[編集] 来歴

　六代目林家正楽門で正隆。のち初代桂春團治門で春輔。東京で五代目三升家小勝門で勝團治を名乗っていた時期もあったという。五代目笑福亭松鶴の「楽語荘」の同人に加わり上方落語の保存に努めた。神戸を中心に活躍し「神戸の春團治」と呼ばれていた。色黒で「黒の春輔」とも呼ばれた。

[編集] ネタ

　「あみだ池」「坊主茶屋」など、初代譲りの明るい芸であったが、精緻さに欠ける欠点があったという。戦後暫く五代目松鶴とともに高座を勤めていたが、1948（昭和23）年秋に神戸の「寄席のパレス」出演中栄養失調で倒れ入院後間もなく死去。

　三代目桂米之助の話「・・・いつもこんな事を言うてハりました。『なあ、お客さん、大阪の落語を聴くネンやったら今の内だっせ。楽屋に今、十人の噺家がいとりまっけどな、一年に一人ずつ死によったら十年たったらもう落語ないねんさかいに、聴くねんやったら今の内』と言うて自分が一番先に死にやハりました。（笑）」（三代目桂米之助「上方落語よもやま草子」　たる出版）

　毒舌家で、高座で客や芸人仲間の悪口や世相風刺を語るのが得意であった。かなりの腕を持ちながらも上方落語の低迷期に活躍したのが不運であった。