昭和恐慌
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昭和恐慌(しょうわきょうこう)とは、昭和初期に発生した金融恐慌・世界恐慌などの総称である。もともと第一次世界大戦後に日本は不況となり、関東大震災後それはいっそう悪化したが、この2つの恐慌で完全に経済は壊滅的状況となり、町に失業者があふれる事態となった。当時現在よりも遥かに価値が高かったはずの大学・専門学校卒業生のうちなんと3分の1が職がない状態であった。
高橋是清により事態の打開が図られ、当時はまだ珍しかった有効需要を増やす経済政策を行った。この政策により、景況は改善され1930年代の世界的不況の中いち早く成長軌道へ回帰した。
この政策には軍拡的な政策も含まれていたが、景況改善後の資源配分転換と国際協調の流れに併せた機動的軍縮を、肥大化した軍部に阻まれる。以後も満州事変・日中戦争の最中にあった軍部の発言力が増していくことになる。