既視感
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既視感(きしかん)は、一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したように感じたり、過去に夢などで見たように記憶錯誤すること。フランス語でDéjà vuと言い、日本でもこの語の方がよく知られる。カナ表記はデジャヴ(デジャブ)よりデジャヴュの方が原語の発音[deʒa vy]に近いが、双方の表記ともよく用いられる。
Déjà vuという語は、フランスの超能力研究をしていた超心理学者エミール・ ブワラック (w:Emile Boirac) がシカゴ大学在学中に執筆した「超心理学の将来 (L'Avenir des sciences psychiques)」の中で提唱されている。
通常はその体験を「よく知っている」という感覚と同時に「違和感」を伴う。 「過去の体験」は夢に属するものであると考えられるが、多くの場合、既視感は「過去に実際に体験した」という確固たる感覚があり、夢や単なる物忘れとは異なる。 過去に同じ体験を夢で見たという記憶そのものを体験と同時に作り上げる例も多く、その場合も確固たる感覚として夢を見たと感じるため、たびたび予知夢と混同される事もあるが、実際にはそうした夢すら見ていない場合が多く、別の内容である場合も多い。
既視感は、統合失調症の発病の初期に著しく多く現われるが、正常人に多発することも稀ではなく、一般的な感覚であり、70%以上の人が経験しているという調査結果もある。 側頭葉部分の脳出血 側頭葉癲癇の症状の一つでもある。
過去の文学作品においても言及が見られ、近年現れ始めた現象ではないことを示している。しかし、実験で既視感を再現することは非常に困難であるため、実験を通しての研究法は確立していない。
既視感と逆に、見慣れたはずのものが未知のものに感じられることを jamais vu (ジャメヴュ、未視感)と呼ぶ。