新潟交通佐渡
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新潟交通佐渡株式会社 | |
設立 | 1986年-月-日 |
資本金 | 8000万円 |
本社 | |
所在地 | 〒952-1315 |
新潟県佐渡市河原田諏訪町80 | |
電話番号 | (TEL)(0259)57-2121 |
公式ホームページ | 新潟交通佐渡 |
新潟交通佐渡(にいがたこうつうさど)は、新潟県佐渡市に本社を置く新潟交通系列のバス会社。
目次 |
[編集] 概要
佐渡地方(佐渡島内)全ての路線バスと、島内の観光バス事業を担う新潟交通全額出資の子会社。本社は旧佐渡郡佐和田町の中心部、河原田にある。
もともと1986年(昭和61年)に新交佐渡貸切バスとして発足、1994年に新潟交通本体から路線バス全路線の譲渡を受け、現在の規模となった。
[編集] 営業所
- 本社営業所
- 相川営業所
- 両津営業所
- 小木営業所
- 羽茂(はもち)営業所
相川・小木の両営業所には車両の配属はない。
また郵便輸送も受託しているため、両津営業所にはバスの他に郵便用のトラックも何台か配属されている。
[編集] 路線
両津、小木を発着する路線は佐渡汽船のフェリー、ジェットフォイルとの連絡がスムーズにいくように設定されている。
- 本線:両津埠頭-金井-佐和田-相川
- 両津・佐和田・相川など、島内の中核となる地域を結ぶ。1時間に約2本の間隔で運行されている。国道350号を経由する為、乗降客は比較的多い。
またフェリーへの接続便として上りに早朝便(相川4:20→両津埠頭5:13)、下りに深夜便(両津埠頭22:07→相川23:01)も設定されている。
- 両津・佐和田・相川など、島内の中核となる地域を結ぶ。1時間に約2本の間隔で運行されている。国道350号を経由する為、乗降客は比較的多い。
- 南線:佐和田-真野-畑野-新穂-両津
- 国仲平野の南側を本線とほぼ並行する路線。1時間に約1本の間隔で運行。乗降客は比較的多いが、本線よりは少ない。
- 小木線:佐和田-真野新町-羽茂-小木埠頭
- 小木から羽茂を経由し、国道350号を経由して佐和田まで結ぶ。本線・南線とともに主要路線の1つである。1日に約8本の運行。真野では両津方面、佐和田では相川方面への乗り換えができる。
- 東海岸線:両津埠頭-河崎-大川-片野尾
- 両津から海岸線沿いに南下する路線。1日に6本から7本の運行がある。片野尾から先は岩首線(後述)や前浜線(後述)に接続する多田(おおだ)まで1日に1往復(多田発早朝、両津発夕方)しかない。ちなみにこの区間が島内で最も本数が少ない。
- 内海府線:監督署前-和木-鷲崎-大野亀
- 両津から海岸線沿いに北上する路線。終点の大野亀周辺は夏場は海水浴客なども多く、また沿線住民の貴重な足となっている。
1日6往復の運転だが、大野亀へ行くのは4往復のみである。
- 両津から海岸線沿いに北上する路線。終点の大野亀周辺は夏場は海水浴客なども多く、また沿線住民の貴重な足となっている。
- 七浦海岸線:佐和田-二見-相川
- 運転区間は本線と重複するが、本線が山側をトンネルでショートカットするのに対して、海岸線を通る景色の良い路線である。相川市街地では佐渡金山などの観光地を循環する。
- 前浜線:小木埠頭-大橋-赤岩-赤泊-多田
- 小木から海岸線を北上する路線だが、沿線人口も少ないところで1日3本から4本の運行。乗客は少ない。晴れた日には対岸に弥彦山などを望むことが出来る。
- 度津線:小木埠頭-羽茂-滝平-上川茂
- 小木から羽茂を経由し、小佐渡山地の合間を抜けていく路線。1日約4本の運行。
- 海府線:佐和田-尖閣湾-入川-岩谷口
- 佐和田から相川までは本線と一緒のルートで、そこから更に北上する。尖閣湾など観光地も多く、沿線住民にとっては貴重な足となっている。1日10本前後と比較的便が良く、尖閣湾付近までは両津からの直行も何本かある。
- 宿根木線:小木埠頭-琴浦-宿根木-深浦-沢崎灯台
- 小木から佐渡最南端の沢崎灯台までを結ぶ路線。宿根木などの観光地はあるが、1日5往復の運行。
- 国仲線:佐和田-畑野-新穂-佐和田
- 佐和田と畑野、新穂を結ぶ路線。国仲平野を突っ切る為に南線よりも所要時間は多少短いが、1日3本と本数は少ない。島内では珍しい循環線タイプの路線である。
- 岩首線:佐和田-畑野-出又橋-多田-柿野浦
- 畑野までは国仲線と一緒だがそこから小佐渡山地の脇を通り、南海岸方面まで横断する。1日2本の運行。
- 赤泊線:佐和田-真野新町-上川茂-赤泊-大橋-小木埠頭
- 始点と終点は小木線と同じだが、小佐渡山地を横切って赤泊を経由するため、所要時間はかなりかかる。前浜線同様に赤泊を通る数少ない路線で1日3本程度の運行。
- 金丸線:佐和田-金井-真野新町
- 国仲平野の西側の農村地帯を通る。1日5本の運行だが、区間運転が多い。
この他に不定期路線や、片道運行の路線として以下の路線がある。
- 小南線:両津埠頭-新穂-畑野-新町本町(真野)-羽茂-小木埠頭
- 真野新町の隣にある新町本町を基点に南線と小木線の路線を合わせたものと考えて良い。朝は小木発、夕方は両津発の片道運行。両津埠頭から真野新町までは畑野・新穂など主要バス停しか止まらない。小木方面から両津方面を結ぶ唯一の路線。
- 素浜海岸線:小木-素浜海岸
- 海水浴客向けの夏季限定路線。
- 横宿線:監督署前-横山-新穂-佐渡総合高校前
- およそ20年間バスの運行が途絶えていたが、2005年に復活。学生車(後述)のみの運行。
- 外海府線:岩谷口-大野亀
- 海府線の終点の岩谷口と内海府線の終点の大野亀を結ぶ佐渡最北端の路線。夏季(4月~9月)に1日2往復の運行。
過去数年間運転されなかったが、2006年から復活している。 - 道路が非常に狭隘なため、海部線で使われている大型バスはこの区間には入らず、内海府線の大野亀行きが区間延長で岩谷口までやってくる運行形態となっている。
- 岩谷口行きの午前の便は海府線との接続はまったく考慮されていないダイヤのため、岩谷口で5時間ほど待たされる。夕方の便は接続は30分程度。
- 岩谷口から大野亀方面との接続は1~2時間ほど待たされる。なお、相川15:45発の便では接続がとられない可能性が高いので、一本前(14:25発)でいくことをお勧めする。
- 海府線の終点の岩谷口と内海府線の終点の大野亀を結ぶ佐渡最北端の路線。夏季(4月~9月)に1日2往復の運行。
以下の路線は以前運行されていた。現在は運行休止中。
- 佐渡金山線:相川-佐渡金山
- 空港線:両津埠頭-佐渡空港
(本線・秋津バス停より分岐し、佐渡空港へ乗り入れていた。なお空港へは秋津バス停より徒歩10分ほどで、現在でもバスを利用してのアクセスも可能な距離である)
[編集] 特徴
- 島内の中心地である佐和田(河原田本町)や、観光地でもある相川、佐渡への玄関口となる両津、小木を基点とする路線が多い。このうち小木と相川を結ぶ直通便はなく、佐和田で乗換えが必要。
- 金井に佐渡総合病院があり、付近を通る路線の殆どが停車するほか、小木線や赤泊線の一部の便も乗り入れる。これは病院の主たる利用者でもある高齢者にとって、バスだけが唯一の公共交通機関であることを裏付ける。
- 同様に学生車という島内の高校生用のスクールバスのようなダイヤも組まれている。朝夕の通学時間帯に運転されるが、全ての路線で運転するわけではなく、運転区間も部分運転だったり、朝夕どちらかの運転であったりする。
一般の人も乗車できるが、学校休業日は運休になり、定期試験など学校の行事によっても時刻が変更となるので、島外からの観光客には利用しづらい一面もある。 - 国道350号線の両津・真野間など一部の区間を除いて、殆どの路線がフリーパス運転となっている。これはバス停以外の場所からでも乗降が可能で、バス停までの距離が長い住民にとってはありがたいシステムだ。
- 佐渡汽船からの接続を兼ねる便もあり、特に両津ではフェリーの到着に合わせて、複数のバスが同時に各方面に出発することがある。但し荒天などにより汽船のダイヤが乱れた場合には接続しない。
- 沿線人口の少なさから運行時間帯が限定されており、朝夕の他は昼間に数本程度の運転というケースが多い。
また最終便が非常に早く、午後8時以降に運転されるバスは両津着22時のフェリーから接続する本線と南線の最終便を除くとほとんどないため、夜の移動には不便である。 - 佐渡汽船が繁忙期(ゴールデンウィークや夏季)のダイヤが変わるため、関係する路線も時間が変わる。その為、時刻表も繁忙期用、通常用、冬季用とわけられる。特に冬季の観光客は少ない。
また赤泊は始発や終着点ではない上に経由するバスの運転本数が少ないこともあって、高速船との接続は考慮されていない。 - 年末年始に完全に運休になる路線もある。
- 新潟交通で利用できるバスカードは島内では使えない。代わりに島内では『普通回数券』や、平日の日中及び日曜・祝日の終日利用可能な割引率の高い『買物回数券』が使用できる。なお新潟交通佐渡発行の回数券は他の新潟交通グループのバスでは利用不可。
- 2004年秋の新札導入以降も経費上の都合で両替機は交換していない。両替の際には運転手に申し出て交換する。
- 親会社の新潟交通が取り扱う、Jリーグの対アルビレックス新潟・アウェー戦会場への応援ツアーバスを親会社の新潟交通(または新潟交通観光バス並びに西,北)の観光バス車両が他の団体旅行客等の兼ね合いで確保出来ない場合、新潟交通佐渡から本土側へ観光バス車両を応援に借り出すコトがある。
- 土曜・日曜・祝日の連続する2日間有効の全線フリー乗車券が2000円で発売されている。
[編集] 車両
車両は新潟交通からの転籍車がほとんどだが、系列のグループ各社からの移籍車や自社発注の車両も少数ある。ふそうと日産ディーゼルの2車種の陣容となっており、新潟交通で見られるいすゞの車両は在籍していない。
路線バスは道路が狭隘であることと輸送力との兼ね合いから中型車が中心となっていて、大型車は本線や海府線など比較的利用者の多い路線で使用されている。貸切バスは大型車が主力である。
[編集] 今後の展望
佐渡島全体の人口が約7万人で、若年層が島外へ流出傾向にある。その為沿線人口の少ない路線は経費上の理由もあって本数を増やせないと考えられる。この為自家用車の方が移動しやすくなってしまう。利用の主体が高校生などの通学や、病院等を利用する高齢者に偏りがちになる背景がここにある。 本数が少ないと言うことは逆にその地域に少しでも長くとどまってじっくり見ることが出来るという利点もあり、あらかじめ本数の少なさやアクセスの悪さを逆手にとってプランを立てられるが、自由に動き回りたい場合には不便である。 フリーパスや学生車は乗降客確保の点では非常に有効だ。自家用車を持たない客層に特化したもので、今後も重要な役割を果たしていくだろう。
とは言え、都市部同様に路線バスが苦戦を強いられており、路線の廃止や減便などは避けられない状況である。また、観光エリアではあっても沿線住民が少なくて廃止される路線もある。離島の為観光客の動向に左右されやすく、一般客の上積みが期待しにくいことも一因と思われる。 一時期100万人を超えた佐渡島の観光客も年々減少傾向にあり、2004年は繁忙期の週末に相次ぐ台風の襲来で、秋には新潟県中越地震の影響で大幅な減少を余儀なくされた。 観光客の増加が経営の向上に結びつくのは言うまでも無いが、今後も独自色を出していくことが望まれる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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