提訴試合
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提訴試合(ていそじあい)とは、プロ野球やメジャーリーグにおいて、審判員の裁定が規則に違反しているために、チームの監督が所属リーグに対して審議を請求した試合。プロテスティングゲームとも呼ばれる。
審議を受けたリーグは独自で考査委員会を開き、監督の訴えが認められれば訴えのあったプレイから試合のやり直しが命ぜられるが、審判員の判断に基づく裁定に付いてはどんな訴えも許されない。過去における提訴試合で訴えが認められた例はない。
なお、提訴試合はプロ野球やメジャーリーグなど所謂職業野球のみに適用されるルールであって、アマチュア野球全般には適用されない。その代わりアマチュア野球には、試合担当審判員の規則適用の誤りやカウント間違い、その他監督などの抗議を直ちに解決する為に控え審判員が置かれる。因みに、プロ野球でも控え審判員は置かれているが、プロの場合試合担当審判員の急病や、事故などの時に緊急出場するだけの為に置かれている。
《参考》公認野球規則4・19(提訴試合)
審判員の裁定が本規則に違反するものとして、監督が審議を請求するときは、各リーグは試合提訴の手続に関する規則を適用しなければならない。審判員の判断に基づく裁定については、どのような提訴も許されない。提訴試合では、リーグ会長の裁定が最終のものとなる。
審判員の裁定が本規則に違反するとの結論が出た場合であっても、リーグ会長において、その違反のために提訴チームが勝つ機会を失ったものと判断しない限り、試合のやり直しが命ぜられることはない。
【原注】 監督が試合を提訴するには、提訴の対象となったプレイが生じたときから投手が次の一球を投じるか、また、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに、その旨を審判員に通告していない限り、提訴は認められない。
試合終了のときに生じたプレイについて提訴するときは、翌日の正午までにリーグ事務局に申し出ればよい。
【注】 アマチュア野球では提訴試合を認めない。
《参考》公認野球規則10・01(公式記録員)
(3) 提訴試合又は一時停止試合となった場合には、記録員は、提訴または一時停止になったときの状態を、得点、アウトの数、各走者の位置、打者のボールカウントにいたるまで、詳細かつ正確に報告しなければならない。(後略)
[編集] アマチュア野球における控え審判員
控え審判員は、主に全国大会で置かれる。
- 控え審判員は2名とし、内1名はアウトカウント、ボールカウントを常に確認し、この事について責任を持つ。なおその他の事項についても、他の1名と同様の責任を持つ。
- カウントの間違いについては控え審判員が訂正させる。
- 試合を担当する審判員が裁定に苦しむ時は、控え審判員と協議する事ができるし、また試合担当審判員は控え審判員にその裁定を仰ぐ事も出来る。
- 規則適用に関する明らかな間違いについては、控え審判員がその誤りを訂正させる事ができる。