捜神記
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捜神記(そうしんき)は、中国の東晋の干宝が著した志怪小説集。『隋書』「経籍志」などによると、もとは30巻あったというが、散逸し、現行の20巻本は、後の人が蒐集して再編したもの。
原書は、著者の干宝が、先立つ書より収録したものと、自身の見聞とを併せたものであるとされる。本書を著述するようになった機縁は、宝の父の婢が死してのち10数年後に蘇ったことに感じ入って、本書を著すようになったという。
現行20巻本は、神仙・方士・徴応・感応・再生・魑魅・妖怪などに関係する470余の説話を収録している。中には後世の作も混入しており、仏教的な説話も含まれている。
[編集] 捜神後記
本書を後補するものとして、『捜神後記』(そうしんこうき)10巻が存在し、東晋の陶淵明の著作とされるが、後代の人が著名な陶淵明に仮託したものとされる。ただ、やはり六朝時代の作であることは間違いない。
[編集] 参考文献
- 魯迅『中国小説史略』2冊(東洋文庫;618,619、1997年)ISBN 458280618X , ISBN 4582806198