山岳ベース事件
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山岳ベース事件(さんがくベースじけん)は、1971年から翌年の1972年にかけて、連合赤軍が起こした大量殺人事件。12名が殺害され、死体は遺棄された。
[編集] 事件の概要
1971年、左翼過激派の二つの組織が合併して連合赤軍が誕生。連合赤軍は群馬県内の榛名山中に拠点榛名山ベースを設立して潜伏する。設立時の人数は29名。
殺人は組織が合併する前から始まっており、連合赤軍結成時点で2名が殺害されていた。被害者は、早岐やす子と向山茂徳。
これらの集団は総括(総括については連合赤軍を参照)と称して暴力を用い、メンバー全員による殴打などで、同志である仲間を次々と殺害した。
アイスピックでメッタ刺しにする、女性を全裸にしてリンチを加えた上氷点下の屋外に放置する、弟に兄を殺させる等々、手段は苛烈を極めていたことが後の調べで判明している。この凄惨な状況のためメンバーの一部は途中で脱出し、逃走または自首している。
[編集] 事件の経過
(日付は資料によって多少異なるため、正確ではない可能性がある)
- 1971年12月31日 -- 尾崎充男を殺害。
- 1972年1月1日 -- 進藤隆三郎を殺害。
- 1月2日 -- 小嶋和子を殺害。
- 1月4日 -- 加藤能敬を殺害。
- 1月7日 -- 遠山美枝子を殺害。
- 1月9日 -- 行方正時を殺害。
- 1月18日 -- 寺岡恒一を殺害。
- 1月19日 -- 山崎順を殺害。岩田半治が榛名山ベースから脱出。
- 1月30日 -- 山本順一と大槻節子を殺害。
- 2月1日 -- 山中へ移動。
- 2月4日 -- 金子みちよを殺害。
- 2月6日 -- 山本保子、中村愛子、前沢虎義の3名が脱出。
- 2月10日 -- 山田孝を殺害。
- 2月16日 -- 奥沢修一、杉崎ミサ子、逮捕。
- 2月17日 -- 森恒夫、永田洋子、逮捕。
- 2月19日 -- 植垣康博、青砥幹夫、寺林真喜江、伊藤和子のメンバー4名逮捕。逮捕を逃れたメンバー5名が山中の山荘を占拠し、あさま山荘事件が発生する。
- 2月28日 -- あさま山荘に警官隊が突入。坂口弘、坂東国男、吉野雅邦、加藤倫教、加藤元久の5名逮捕。
- 3月10日 -- 山本保子、自首により逮捕。
- 3月11日 -- 前沢虎義、自首により逮捕。
- 3月13日 -- 岩田平治、自首により逮捕。
- 3月14日 -- 中村愛子、自首により逮捕。