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少年陰陽師の登場人物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この「少年陰陽師の登場人物」は、まだ完結していない作品や番組に関する項目です。ある程度ストーリー・番組内容がまとまってから編集するようにしてください。

少年陰陽師の登場人物(しょうねんおんみょうじのとうじょうじんぶつ)では、小説アニメ少年陰陽師』に登場する人物(及びそれに類する人間以外のもの)について説明する。声優は特に記述のない限り、ドラマCD・アニメ共通のキャスト。


注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


目次

[編集] 安倍家

主人公。安倍晴明が定めた唯一の後継者。「あの晴明の孫!?」と言われるのが大嫌いで、言われる度に「孫、言うなっ!!」と怒鳴っている。
素直で優しく、負けず嫌いで正義感が強い。半人前の見習い陰陽師だが、貴船の神も感嘆するほどの霊力を持つ。幼少の頃、入ってきたたちの悪い妖(風音の放った式)に突き飛ばされ、自邸の池で溺れかかったことがある。(そのときは紅蓮に助けられた)三歳の着袴の日、晴明の目の前で非常に弱い妖を指摘し、晴明を驚嘆させた。しかしその後、「見えすぎるのも困りもの」と元服の少し前までは晴明に見鬼の才を封じられていた
顔立ちが、亡き晴明の妻、若菜にそっくり。
性格は割と純情な上に、恋愛に関してはとことん鈍く、彰子は少しやきもきしがち。しかし、昌浩本人は生涯、彰子を守ると決めている。
誰も傷付けない、誰も犠牲にしない最高の陰陽師」になることが信条。
晴明以外で、唯一騰陀(紅蓮)を恐れない人間であり、そのためしばしばもっくん(紅蓮)に対してなぐる、ひっぱたく、ぼてっと落とすなどの扱いをしているため、しばしば家族(おもに成親・昌親・吉昌)を冷や冷やさせている。
「いたいけな童」(本人談)だった五つの夏、夕方の貴船神社に荒縄で木に縛り付けられ置き去りにされるという恐怖体験を味わってからは祖父を嫌っているようだが、心の底から嫌っている訳ではない。晴明の悪口を言った者には術を使って報復したり、天狐編で晴明が危篤状態に陥ったときに誰よりも晴明の延命を望むなど、心の底では尊敬している。
第1巻から人気キャラ第1位の座をもっくん(含む紅蓮)に奪われていた。が、風音編での決意により、珂神(かがみ)編第3巻まで、及びザ・ビーンズ誌上の人気投票ではダントツ1位を確保し続けている。
  • もっくん(紅蓮)(ぐれん)(声優:大谷育江(第1巻から第7巻まで初代もっくん)野田順子(番外編ドラマCD第1巻から2代目もっくん)小西克幸(紅蓮))
昌浩の護衛兼パートナー。物の怪のもっくんは、普段は額に紅い花の様な模様のある大きな猫のような姿をしていて(赤い目と長い耳で見ようによってはウサギにも見える)、カワイイ顔して口は悪く態度もでかい昌浩のツッコミ役(たまにボケることも)。昌浩が危機に陥ると本性を現す。
本性は十二神将の1人で十二神将最強にして凶将と恐れられる火将、騰蛇(とうだ)。晴明からもらった名前は彼の発する炎を例えて『紅蓮』。(水面に咲き誇る紅の蓮の様な、という意味。)
余談だが、第1巻登場から人気キャラでダントツ1位を確保していたが、天狐編から順位が上がったり下がったりしている。
50年前に晴明が死に掛けた事、また風音編で昌浩を手にかけた事に大きな罪悪感を持っている。昌浩は憶えていないが、幼いときに晴明の策略で紅蓮が昌浩の世話(教育?)をしていた時期があった。誰もが忌み嫌う自分の通力を恐れることなく駆け寄った昌浩を見て、その時から昌浩を支えると誓った。その時から、勾陣曰く紅蓮は少しずつ変わったらしい。そして昌浩を幼い頃から傍で見守っているため、彼の成長を密かに喜んでいるあたり、気分はもう一人の父親といったところ。なにかにつけて昌浩につっかかってくる敏次には明らかな敵意を持っており、昌浩が何か言われたりすると即報復、非常に大人げない怒りの鉄槌をくだす(以前、そのためだけに内裏で本性に変化したことがある)。したがって、もっくんの技はほとんどが対敏次用に日々進化している。例として、回し蹴りやらかかと落としやら延髄切りその他もろもろ。最近は昌浩に警戒されて、敏次と会うたびもっくんの長い尻尾をさりげなく踏んづけられている。
藤原道長の一の姫で本作のヒロイン。 晴明や昌浩をも超える『見鬼の才』を持つ。しかし、その見鬼の所為で『窮奇』という妖怪に狙われる。その時負った一生消えない呪詛が原因で、急遽入内を取りやめ、安倍家に半永久的に滞在することとなった。それでも、その高い霊力や、昌浩や晴明にとって大事な存在であること、自分の身代わりとして入内した「章子」と瓜二つといったことなどでしばしば戦いの中に巻き込まれている。ちなみに、過去幾度も昌浩の危機を救った匂い袋は彼女のお手製で、昌浩は「この香以外は使わない」と明言している。甘い香りの伽羅をべースとして合わせてあるらしい。
優しく温厚な性格で、貴船の祭神も認めるほどの美貌の持ち主(ちなみにモデルは、実在した『藤原彰子(しょうし)』の名前の読みを変えただけと思われる)。歳は昌浩より1つ下。
雑鬼に対してもまるで動じなかったり、初対面の昌浩ともっくんに気軽に声をかけてきたりと、高い身分の貴族の姫にしては順応性が高く、貴族の中では末端と言ってもいい安倍家の生活を満喫している。
稀代の大陰陽師で昌浩の祖父で、齢八十を超える。天狐と人間との合いの子。
末孫の昌浩を可愛がりながらもおちょくりすぎたせいか、昌浩から『古だぬき・たぬき爺』と呼ばれる。十二神将を式に持つことから、その霊力の高さが伺える。また、非常にずるがしこく、つかみ所のない飄々とした性格。離魂術で一番霊力が高かった頃の姿をとることも可能(しかし、この術は心身に大変な負担をかけるため、十二神将たちは気が気でない。でもやめない)。
一度決めたらてこでも動かず、十二神将たちがどれだけ反対しても我を通す。また、昌浩の夜にひっそりと抜け出す癖は、どうやら彼譲りらしい。十二神将を朋友(とも)と呼ぶ。
  • 安部吉昌(あべの よしまさ)(声優:新垣樽助
成親・昌親・昌浩たち三兄弟の父親にして、晴明の息子。あまり晴明とは似ておらず、真面目な性格(この辺は昌親や昌浩にしっかりと受け継がれている)。少々早とちりな部分もあって、『貴船の祭神の所為で一緒に寝ていた昌浩と彰子』を見て、思考が違う方へ突っ走ってしまったことも。でも、3人の息子を常に案ずる優しい父親である。陰陽寮では、子供たちを特別扱いしないように心がけているらしいが、結構甘かったりする。(特に昌浩に)
  • 安部露樹(あべの つゆき)
成親・昌親・昌浩たち三兄弟の母親にして、吉昌の妻。見鬼の才は無いが、いつでも息子達を温かく見守っている。また、彰子の高い身分にもなんとなく気づいているが、何も言わずに縫い物などを教える、よく出来た人といえる。夫である吉昌とは幼馴染の間柄で彼女の方が年上だが、吉昌は彼女と結婚できて幸せなんだろうな、と昌浩が思うくらいに夫婦仲は大変良い。
  • 安倍成親(あべの なりちか)(声優:神奈延年
安倍家の長男。兄弟の中で最も晴明に似ていると言われている(外見がではなく飄々としたたぬきぶりが)。晴明ほどでないにしろ、やや昌浩をからかう場も多々ある。口が達者で本気になると誰も勝てないらしい。飄々としているがかなり有能な人で、本人もそれを自覚している。しかし、あまり有能なところを見せると苦労することがあるため、わざと実力を出し切らずにいる。
何故だか家族の前であろうと絶対に自身の妻を名前で呼ばず「北の方」と呼ぶため、昌浩たちは未だに彼の妻の名前を知らずにいる。ただし、番外編「其はなよ竹の姫のごとく」では妻には見えていないとはいえ、太裳の前で呼んだことはある。
暦博士であるが、武術の心得もあり、朱雀と勾陣直伝の剣を得意とする。
  • 安倍昌親(あべの まさちか)
安倍家の次男。真面目な天文学生。吉昌の血を濃く受け継いでおり、晴明にはあまり似ていない。成親同様、妻子持ちで妻の家に入っている。昌親の丁寧な言葉使いは太裳に似たらしい。
兄と同じく武術の心得があり、太裳直伝の弓を得意とする。(そこらの陰陽師と比べれば力は強いが)退魔術は苦手な為、天文生に進んだ。
晴明の妻で既に故人。彰子と同じく「見鬼の才」を持っていたが、彰子とは逆に妖や十二神将たちを見るたびに悲鳴をあげて晴明の後ろに隠れていたらしい。
しかしそんな彼女でも、天狐と人の合いの子である晴明のことを誰よりも理解し、深く愛し、支えていた(「自分は狐の子」と言う晴明に、「自分の眼には人にしか映らない」と真剣に訴えた)。
吉昌が3つの時に病気でこの世を去るが、今でも晴明のことを見守り、晴明も彼女を心の支えとしている。現在は三途の川を渡らず、無理を言って川岸に留まり、晴明を待ち続けている。泣き虫だが晴明に勝てる唯一の人物で、晴明は彼女に一度も勝てたことはないらしい。十二神将や式たちを見るたびに怖がっていたので、見かねた晴明が、十二神将たちを普段は異界へ留まらせて必要なときだけ召喚し、式たちは現在車之輔がいる一条戻り橋の下に留め置いたというから相当な怖がりだったらしい。
また、不器用だったらしく、晴明の衣を繕う時は苦戦していたらしいが、自分の大事な夫の衣だからきちんとしないと自分の気がすまない、と一生懸命に繕ったという。今でもその衣は晴明の部屋の唐櫃の底に大事に眠っている。

[編集] 十二神将

  • 騰蛇(とうだ)
上記の『もっくん(紅蓮)』を参照。
十二神将の一人。土将にして騰蛇と同じく凶将でもある。四闘将の紅一点。肩に付かない位置で切りそろえた漆黒の髪に黒曜の瞳を持つ女性。十二神将最強である騰蛇に次ぐ通力の持ち主。晴明から与えられた2つ名は常に大局を見据えることから『慧斗(けいと)』。この2つ名は本人を除き晴明と紅蓮しか知らない。他人を観察するのが好きらしく(理由は見ていておもしろいからだそうだ)、他の十二神将たちのことをよく理解しているが、自分の事は鈍感。また、紅蓮のことを晴明や昌浩以外で唯一気にかけていると言ってもよい。一部の神将を除き、紅蓮が対等に話せる相手とも言える。紅蓮のみ彼女を『勾』と呼ぶ。利き手は右に見えるが、実は左手(気付いたのは紅蓮のみ)。
十二神将の一人。木将にして、四闘将の一人。慶賀を司る。無口であまり表情を変えることがないが、優しい性格。晴明に命ぜられ紅蓮と共に、昌浩(時々彰子)の護衛についている。二つ名は夜明けの光に似ている瞳になぞらえて『彩煇(さいき)』とつけられる。この名を知るものは晴明と六合本人を除き、風音だけしかいない。勾陣によれば十二神将の中で一番情の強(こわ)い人物らしい。激昂すると瞳の色が黄褐色から燃え上がる炎の緋色になる。道反の姫である風音に想いを寄せていたが、宗主の魔の手により風音は命を落とし、その最後を看取る。その後、道反の巫女の頼みにより、風音の魂を封印した彼女の紅い勾玉を預かる(ただし、風音の魂が封印されていることは知らされていなかった)。時折晴明の命により、聖域に赴くことが多いが、勾玉を預かったことから、守護妖達から冷たい視線を向けられている苦労人(しかし六合本人はもう慣れているように見える)。風音が関わると人が変わる。風音の亡骸を真鉄に奪われ戦闘の中、真鉄を挑発する言い方をする。
十二神将の一人。六合と同じく、木将にして四闘将の一人。福助を司る。木将だが、水の性質を持っているため、紅蓮との相性が最悪に悪い。元から良くなかったが、50年前に紅蓮が晴明を殺しそうになったことが決定的となる。常に冷静沈着で、会話をすることはあまりない。二つ名は頑固で融通がきかないところが穏やかな宵の空のようになればという願いをこめられて『宵藍(しょうらん)』と名づけられる。が、晴明の想いもむなしく、いつもぶすくれている頑固者。口調は冷ややかで厳しいが、誰よりも晴明の身を案じている。また、遠まわしにだが天后に嫌われるのは嫌だとも取れる発言をしている。風音編から刃渡りが三尺に届く三日月型の刃が備わった大鎌を武器として使っている(アニメでは50年前から使っていたような描写がされている)。
十二神将の一人。紅蓮と同じく火将。紅蓮の炎とは逆に浄化の炎を操り、唯一「神将殺し」という力を持っている。恋人である天一がからむと人が変わる。ちなみに、彼が額に巻いている白い領巾(ひれ)は、天一が持っていたものを彼女の手で捲いてもらった大切なもので、本来は腕などに巻くものではあるが、それを朱雀に言おうものなら文句が飛んでくるらしい。なのでみんな口を閉ざしている。嫌いなことは、天一が術を使うことと(晴明に叱られるのもそうだが)天一に叱られること。何よりも天一を優先するのは先代の天一が自身の目の前で命を落としたことがあり、その天一も朱雀と仲が良かったこともあるので、その気持ちも強い。身の丈よりも大きい剣(つるぎ)を使う。
十二神将の一人。土将。本名は天乙貴人(てんおつきじん)で、朱雀のみ天貴(てんき)と呼ぶ。金髪の美少女で朱雀の最愛の恋人。儚げな印象だが芯が強く、呪詛や他人の傷を自分に移して浄化するという力を持っている。しかし、この術のせいで何度か瀕死の事態に陥ったことがあり、朱雀は彼女がこの術を使うことを非常に嫌う。そして敏次に想いを寄せられているため、朱雀の心配の種は増えるばかり。身に着けている耳飾りは朱雀のもの。
実は今の天一は転生した姿。転生前の姿は今の儚げな印象と正反対で、とても行動的な女性だったという。転生前も朱雀と親友で仲が良かったために、朱雀は天一を最優先に考える。転生前のことを覚えてはいないが、自分が一度死んでいるということはわかっているらしい。
  • 原作者の結城氏は田中理恵の演技に惚れ込み、その影響でドラマCD版での天一の出番が増えたとも言われる。
十二神将の一人。風将。外見は子供で、気性も少し子供っぽいところがある。桔梗色の瞳で、栗色の長い髪を耳の上の高い位置で結っている。気も意志も口調も強いのだが、案外打たれ弱い。神将なので何千年と生きているはずなのだが実際は外見にそぐった性格をしている。かなりのお転婆娘である。その性格が反映しているのか、術の使い方もかなり過激で荒っぽく大雑把、総じて力技である。(風の矛、竜巻など)反対に、風読みなど、細かいことは苦手。白虎の説教が苦手で、現在の最高記録(四刻=約8時間)は相当身にこたえたらしく、しばらく異界で反省の海につかりっぱなしになっていたほど。9巻にて、百戦錬磨の猟師のようなセリフをさらりと口にした。余談だが玄武とはなかなかの名コンビである。騰蛇のことを恐れている。
十二神将の一人。水将。見た目は太陰と同年代の少年だが、口調は重々しい。一人称は「我」。冷静沈着に見えるが、やはり外見からか太陰との絡みが多く、一緒にいることも少なくはない(というよりも太陰に振り回される)。天一と同じく、闘う力ではなく守る力を持つ。しかし、結界を張ることのできる4人の中では一番通力が弱い。晴明の碁打ち相手になる事もあるが玄武は碁は得意ではないらしく、本当の意味で暇つぶし相手である。最近は天一と共によく彰子の護衛をすることが多い。同じ水将である天后とは水鏡という技で対話もできる。また水鏡は、一度見た相手なら映し出すことが可能である。しかし、その人物の居場所を知っていないと、映す事はできない。
  • 天后(てんこう)(声優:不明)
十二神将の一人。玄武と同じく水将。優しく柔軟な性質ではあるが、曲がったことが嫌いで、50年経った今も紅蓮のことを許してはいない。長い銀髪に翠色の瞳、菩薩のような衣装をまとっていて、腕には透き通る玉の腕飾りをはめている。外見年齢の近い勾陣とは仲がよい。青龍とは似たもの同士。十二神将の中で、戦う術を持っている8人の中では最も力が弱いため後衛に回されることが多く、天后自身も役に立てないことに憤りを感じている。
十二神将の一人。太陰と同じく風将。外見は優しいおじさんといった風貌。主な役目は「じゃじゃ馬娘」太陰へのお説教役、かつ、太陰と玄武の父親的存在。たまに晴明に報告するときは太陰を通して報告している。ちなみに、背丈は紅蓮より僅かに低いがそれを感じさせない大きな体躯をしている。体格とは裏腹に太陰の苦手とする風読みなどを得意とする。珂神編では戦いに活躍する。
  • 天空(てんくう)(声優:不明)
十二神将の一人。土将。灰白色の髪(相当長い)を持ち、口元とあごに蓄えたひげは胸に届くほど長い。顔にはしわがありとまさにお爺さん。十二神将を束ねる役目を担う。外見年齢ならば、晴明の実年齢時の姿よりも高齢と思われる。晴明が十二神将を召喚したとき、最初に式に下った。それはすでに晴明に流れる天狐の血を見出していたからのようである。騰蛇や勾陣も苦手とし(扱い方が分からないから)、青龍と勾陣に至っては「青二才」と「はねかえり」の一言で済ませられるほどの威厳を持つ。その為、晴明が最初に召喚したときは、晴明は逃げ出したくなったそうだ。物を造る力を持っており、青龍の大鎌も彼が作ったもの。
  • 太裳(たいじょう)(声優:不明)
十二神将の一人。土将。大陸の官人服に似た服を纏っている。青磁の髪に紫苑の双眸、左目の際には飾りをつけている。普段はあまり姿を見せないが、昌浩が幼い頃は成親のそばに控えていたことが多かった。穏やかな性格をしていて、誰に対しても丁寧な口調で話す。昌親に弓を教えたのは彼であり、口調も彼に影響されたようだ。普段は天空と共に異界に留まっている。
短編集2巻で初めて容貌が明かされてから、次巻珂神編1巻のあとがき人気投票で堂々の三位となる。その後「ザ・ビーンズVOL.6」で行われた人気投票が「ザ・ビーンズVOL.7」で発表され、そこでも上位の七位に躍り出り、人気が高いのが伺える。しかし、容貌が女性的であったため、「男か女か」という質問がぽろぽろきたらしい。ちなみに、そのことについては結城光流本人が「男です」と苦笑しながらも断言していた。また、顕現するまでは十二神将は男女比率が平等と考えていたファンもいるらしく、太裳を女性だと思っていた人も少なくない。

[編集] 陰陽寮・その他

右大弁と蔵人頭を兼ねていて、左大臣道長の信頼も厚い出世頭。昌浩の加冠役で後見人もしていて、温厚で頼りになるという非常にできた人。敏次とは縁戚関係であるため、赤子の時から知っている。敏次が欠勤続きの昌浩に対して一時期いやみ攻撃を仕掛けていたときも、昌浩には理由があって仕事を休んだのだということをきちんと理解して何も問い詰めなかった。このこともあるように、もっくんが身内以外で大変気に入っている人物でもあり「一緒に飲もう」とまで言わしめた人。成親の妻とは幼馴染の間柄らしく、番外編にて、彼女の結婚話でいろいろと相談や悩みを打ち明けられていた。
  • 藤原敏次(ふじわらの としつぐ)(声優:福山潤
陰陽生の中でも筆頭の実力を持っている青年で昌浩の3つ上の先輩。厳しい修行を重ねて退魔の力を得るが「見鬼の才」は持っていない。生真面目だが、融通がきかないのが玉にキズな人で一時期、昌浩にいやみ攻撃を仕掛けていた。しかし最近は昌浩がちゃんと仕事をこなすので、気を配ったりなど世話を焼いたりして以前のような印象は持っていないようである。「風音編」第1巻で、自分を身を挺して守ってくれた天一に想いを寄せるようになる。だが、名前を知らないため、天一を「天女の君」と呼んでいる。しかし、天一に懸想していることが朱雀に知られ、一度彼に殴られたこともある。いやみ攻撃を仕掛けていたせいで、もっくんからは非常に嫌われており、昌浩に対する態度を軟化させてもことあるごとに蹴りやら大人気ないイタズラなどを入れられているというなんとも哀れな人。愛称とっしー。「見鬼の才」は持っていないが相を見る力に長けており、過去に二度ほど昌浩の相を見て見事言い当てた。
  • 藤原章子(ふじわらの しょうこ)
彰子と同い年の異母姉妹で、母親は違うものの声も顔も瓜二つである。彰子の身代わりとして入内したが、『章子』ではなく『彰子』として過ごす宮廷生活に苦しみ、疲れている。自分の正体を知っていながら、助けてくれた昌浩に想いを寄せる。そして、外見では不健康というわけでもなく、入内しても問題なさそうな彰子が昌浩と共にいるのを見て、強い嫉妬と怒りに駆られる。その感情を天狐(凌壽)につけいられて襲われるが、昌浩に助けられると同時に、彼への思いを断ち切った。そして『笙の笛に似つかわしい声に似合う呼び名を』と、漢字こそ違うが『彰子(しょうこ)』と呼んでくれた心優しき一条天皇と人生を歩むこととなる。外見は彰子と瓜二つだが、彰子とは違って「見鬼」の力は持っていない。
  • 高淤の神(たかおのかみ)(声優:田中敦子
貴船の祭神。正式な名前は高龗神(たかおかみのかみ)。都の北方守護を司るとても偉い龍神。しかし、一時期「窮奇」に封じ込められていた。自身の封印を解き放った昌浩をいたく気に入っており、時折昌浩に憑依しては情報を与えたり、力を貸したりと気まぐれながらも大盤振る舞いを見せる。ちなみに女神であるため、彰子の恋敵(?)になりうる可能性大(なにしろ女神だから)。天狐の友がいる。いつもは人の姿を借りて降臨することが多いが、本性は巨大な白銀の龍神で、道反大神の姉。 昌浩には自分を高淤(タカオ)と呼ぶことを許している。
  • 雑鬼(ざっき)猿鬼(えんき)(声優:伊丸岡篤)・一つ鬼(ひとつき)(声優:大黒優美子)・竜鬼(たつき)(声優:寺田はるひ
都に住んでいるイタズラ好きな妖怪たち。毎晩、夜警に出ている昌浩を見つけては仲間達で「孫!」と呼びかけ、昌浩をつぶしていくというやんちゃもの(これを一日一潰れという)。
名前を持った3匹はお姫こと彰子に名前をつけてもらった。妖怪なのに陰陽師である昌浩に妖怪退治を頼んだり、人間の作る餅をねだったりとどこか妖怪らしくない存在。割とひょうきんではあるが、短編では正月の間、姿を隠さなくてはいけなくなった彰子のために無人の邸を昌浩と一緒に掃除したりと、気前はいいほうである。通称ざっきーズ。
  • 車之輔(くるまのすけ)(声優:小西克幸
昌浩の式となった車の妖怪。見てくれは大きいものの、気が弱くて優しい性格をしており、初めて出会ったときはもっくんに「しゃきっとしろ!」などど逆に喝を入れられたことも。
夜歩きが趣味で、いつものように夜の都を散歩していると、同じくいつものように夜警に出ていた昌浩と遭遇して驚いて逃げてしまい、昌浩も条件反射でそれを追いかけてしまったことから知り合いに。短編集第1巻でいつも乗せてくれるから、そのお礼として自分の式にならないか、という昌浩の誘いで昌浩の式となる。
昌浩のことをいつも気にかけており、天狐編にて「見鬼」の才を失ってしまった昌浩を案じて泣いてしまうこともあったりする。
  • 冥府の官吏(めいふのかんり)(声優:谷山紀章
三途の川の警護をしている官吏。その正体は同作者の作品「篁破幻草子」の主人公「小野篁」その人。川岸に留まることを決めた若菜を気に入り、冥府の理を曲げて、彼女の願いをかなえる。その代わり、年の瀬に現世に帰ることを禁止した。ほかにも、彷徨って川岸にまで来てしまった晴明を若菜が現世に帰すところをを見てみぬふりをするなど、割といい人。何気に読者からの人気は高いようだ。

[編集] 窮奇編

異邦の大妖怪。九尾の狐との戦いに敗れて、配下と共に日本へと逃げ延びてきた。自身の霊力を回復させるために高い霊力を持つ彰子を狙い、昌浩と対峙する。自身の力を回復するためには配下すら取り込んでしまうほどの残虐性を持つ。
  • 傲咽 (ごうえつ)(声優:福原耕平)
窮奇の配下。
窮奇の配下。昌浩の夢の中で彰子を狙っていた妖怪。
  • 圭子(けいこ) (声優:伊藤静
彰子の遠縁で、同じく藤原の姫君。結婚を誓い合った男性を他の公家の姫に奪われ、悲しみのあまり床に伏せってしまう。その悲しみを窮奇の部下につけこまれ、彰子を捕らえるための道具にされてしまう。

[編集] 風音編

二つの頭を持つ「嵬(かい)」という鴉を引き連れて、晴明と紅蓮に憎しみをぶつける女性術者。十二神将にも傷を負わせることのできる蟲毒(こどく)の太刀を持つ。実は道反の大神と道反の巫女の娘であり、50年前に母である巫女と共に行方不明となってしまっていた。30年以上も氷の棺の中で眠り続け、目覚めた時には記憶すべてを失ってしまい、宗主に偽りを教えられ、彼の意のままに操られるようになってしまう。目覚めてから5年後、昌浩が3つのときに昌浩を殺そうと妖を放つが失敗し、かろうじて人の命を手にかけずに済む。
外見は二十歳に届くか届かないかぐらい。「風音編」における最大の敵ではあるが、宗主に操られている。「風音編」終盤で六合と心を通わせ、彼のもうひとつの名前を知るが、宗主の魔の手によりその命を落とす。
「風音編」後、彼女の亡骸は聖域の殯の宮に安置されていたが、「珂神編」にて敵に奪われてしまう。しかし、魂だけは父である道反大神に願って勾玉に封印され、六合へと預けられる。その後、出雲に存在する比古神により、魂を宿体に戻すことができた。
風音に付き添う双頭の鴉。本来、頭は一つしかなかったが、ある事件で宗主によって二つの頭となる。
風音と同じ頃に生まれた道反の守護妖で、幼い頃から見守っていた存在。道反の巫女と風音が行方不明となった50年もの間、彼も眠りにつかされ、目覚めた風音と行動を共にしていた。宗主の魔の手により、最後まで風音を守り、彼もまたその命を落とすが、道反大神により黄泉に落ちた魂を救われ、蘇生することができた。
  • 守護妖(しゅごよう)
道反の聖域を守る存在で、大蜘蛛、百足、蜥蜴、嵬のこと。体躯は嵬以外は巨大ではあるが、優しい性格をしている(身内限定だが)。高於の神とも古い知り合い。何度か昌浩の前に姿を現し、来るべき災厄についての助言などを与えていた。
それぞれに名前があるのだが、この名前は道反の大神が与えた名前であり、大神以外は口にすることは許されていない。ただし、嵬だけは巫女がつけた名前。蜥蜴と百足には「崟(ぎん)」と「崒(すい)」という名前が判明している。
「風音編」で、大蜘蛛は風音が開いた黄泉の瘴穴を命がけで封じ込め、一度命を落としてしまう。しかし、後に道反大神によって、無事に復活を遂げる。
「風音編」のみ登場。晴明の友人で陰陽師。50年前道反の聖域に晴明と共に向かった際、道反の巫女に心を奪われる。恋焦がれる余り宗主の言葉に耳を貸し、巫女を聖域から連れ出してしまい、黄泉の瘴穴を開く原因となってしまう。
縛魂の術」という心を操る術を得意とし、紅蓮をこの術で操り、十二神将の理を侵させた人物。後に彼は紅蓮の手により命を奪われる。体はそのまま宗主の器にされてしまっていた。

[編集] 天狐編

神にも通ずると言われる妖怪・天孤(てんこ)。少女のような外見だが、内に秘めた能力は相当なもので、一族最強と謳われていた。弟である凌壽から狙われている。高淤とは古くからの親友。
実は晴明の母親。凌壽が九尾と手を組み、他の仲間達を襲った時に、自らも深手を負わされる。両親に命と引き換えに助け出され、命からがら海を超えて、都へとやってきた。倒れていたところを夫となる人間の男性に救われ、晴明を授かる。晴明を凌壽から守る為、長年姿を消し、あちこちを転々としながら身を潜めていた。
最後は凌壽を倒すという目的を果たしたため、晴明の延命のために自らの天珠を授け、土へと還っていく。
漆黒の髪をもつ天孤族の末裔。一族を裏切り、九尾に手を貸した。晴明のおじにあたる。
姉である晶霞の天珠を狙い、晴明たちを使って晶霞をおびき寄せる。最後には晶霞によって、小椋池にて倒される。
  • 丞按(じょうあん)(声優:不明)
凌壽に手を貸す謎の怪僧。その正体は、藤原の一族に使えていたとある術師一族の生き残り。幼い頃に自らを残して滅ぼされた一族の敵を討つため、藤原一族に復讐しようと目論む。初登場は天狐編からだが、実は天狐本編前に短編集第2巻の「玄の幻妖を討て」にて登場しており、昌浩ともその折に対峙している。
名前である「丞按」というのは自らの名前ではなく、幼くして殺された自分の弟妹の名前を組み合わせたもの。彼本人の名前は捨てたため、本名は不明。
一族が長い間封印していた妖怪の力を自らに取り込んだため、十二神将すらも押さえ込めてしまうほどの力を有している。
凌壽と手を組んでいるが、彼とは仲間というわけではなく、利害が一致しているだけで敵対している。

[編集] 珂神編

  • 珂神比古(かがみひこ)
「珂神編」で登場。八岐大蛇(やまたのおろち)の力を借りてこの国の王となろうとする一族の長の名。『珂神比古』というのは代々の長が継ぐ名であり、本当の名前ではない。
川に流されていた昌浩を助けるが、後に敵同士として再会することになる。
本心では八岐大蛇や荒魂(あらみたま)に恐怖心を抱いており、今回の事態に迷いを感じている。それを昌浩に悟られ、本心をさらすことになる。
  • たゆら
「珂神編」で登場。黒い毛並みを持つ狼。もゆらの兄。
  • もゆら
「珂神編」で登場。白い毛並みを持つ狼。甘えん坊な性格で、珂神に対して親友のように振舞うため、たゆらや真赭、真鉄からしょっちゅう怒られている。しかし、何者かに襲われ、命を落とす。
  • 真鉄(まがね)
「珂神編」で登場。たゆら、もゆらと共に道反の聖域を襲い、呪物とされる八岐大蛇の鱗と風音の亡骸を奪った術師。離魂の術を用いて風音の亡骸のなかに自分の魂を定着させた。晴明が張った結界や術を簡単に破るほどの力を持っている。珂神が生まれるまでは、彼が次代の一族の長であるとされていたのだが、珂神が生まれたあとは、彼に付き従うようになった。
  • 真赭(ますほ)
たゆらともゆらの母親。赤い毛並みを持つ狼。自他共に厳しい性格。魑魅(すだま)を作る力を持っている。
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