将棋盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
将棋盤(しょうぎばん)は、将棋の用具の一つで駒を指すボードのことである。盤の上面には縦横に直線が描かれ、それらは直角に交わっている。縦横9マスずつ、計81マスである。
将棋盤を作る木材には碁盤と同様、カヤ(本カヤ)、スプルース(「新カヤ」と呼ばれることもあるがマツ科の木材である)、カツラ、イチョウ、ヒノキ、ヒバなどがあり、本カヤ製の柾目盤(盤を上から見たとき、縦縞模様が見られるもの。なるべくまっすぐな木目のほうが珍重される)が最も高価である。また、柾目盤にも、天地柾(表面にも裏面にも柾目が見られるもの。しかし、木というものの特性上、厚くなるほど希少品となる。柾目盤の中で最も高価)、天柾、追柾(盤の端に板目が少しかかったもの)がある。柾目以外にも、板目(木裏、木表)があり、それによっても価格が変わる。(板取りについては、木材の板取りを参照)その他にも、普及品として、プラスチック製のものやゴム製、持ち運び用のマグネット駒に対応した金属製のものもある。
将棋盤の価格は数百円から、最高級品になると百万円超までさまざまである。
形状は畳などの上で椅子を用いない対局で床に直接置き使用する足付盤が公式の棋戦で用いられるが、それ以外にも、テーブルの上で用いる薄い板状のものや、折畳式のものなどもある。
足付き将棋盤の裏側の中央部分にはへこみがある。(正確には、四角形のへこみの中に四角錐がある)これは俗に血溜まりと呼ばれ、対局中に横から口を挟む人間は首を刎ねられ、このへこみに乗せられることになるという。これは戒めであって、盤に将棋の駒を指したときの音が良くなるようにという説もある。(正式名称は『音受け』)ちなみに、足付き盤の足のほとんどはクチナシが象られたもので、ここにも、「クチ」「ナシ」で、第三者の口出しを戒めるものがある。また、本物のクチナシの実は、六角形であるが、これは八角形である。これは、日本の風習として「八」はめでたいというところからきている。
手作りのものは、足の一本がとれてそこに作者の名前が記されている。
また、タイトル戦に使用するような高価な盤になると、「太刀盛り」で線を引く。
大きさは縦1尺2寸(約36センチメートル)、横1尺1寸(約33センチメートル)で、厚さ(足を除いた高さ)は足付き盤で2寸~9寸程度まである。タイトル戦では、6寸~7寸(約20センチメートル)の厚さのものが多く用いられている。